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ヴィランズテイルの感想レビュー(ライトノベル)

2015年05月30日 22時56分17秒 | ライトノベル・小説
ファミ通文庫のラノベ、『ヴィランズテイル 有坂有哉と食べられたがりの白咲初姫』(綾里けいし先生原作、リラル先生イラスト)が発売中です。

表紙は、メインヒロインの初姫。
淑女な見た目とは裏腹に一癖以上ある彼女ですが、美少女に振り回されるとか我々の業界ではご褒美です( ー`дー´)キリッ
でもどうせなら、食糧的な意味よりも性的な意味で食べさせてほし(ry

お話的には、モンスターファミリーと噂される有坂家の次男、有哉の元に届けられた宅配便の中に入っていたのは、クラスメイトの初姫。
何故か有哉の事を自分の姉を殺して内臓を食べた犯人だと思っている彼女は、自分のことも食べるように有哉に要求。
そのまま奇妙な同居生活がスタートする中、有坂家に住まう兄妹達の部屋の冷蔵庫から、誰のものかわからない内臓と手首が見つかって…という波乱含みのミステリー系ボーイ・ミーツ・ガール展開です。

過去に何やらやらかしていたっぽい有坂家の4人なので、この中の誰かが殺人事件の犯人でもおかしくなさそうに感じられるのがポイント。
自分を食べてと言い寄ってくる初姫自身も大概異様なわけですが、それが気にならないくらい歪な家族模様に興味を惹かれました。
家族愛に満ち溢れた有坂家の裏にナニが潜んでいるのか、あそこまで過度な愛情を注ぐに至った理由は何なのかが少しずつ明かされていく過程は、純粋な犯人当てとはまた違った謎解きの面白さを感じさせてくれましたし、いかにもミスリードっぽいヒントが示される中、どれが本当でどれが嘘なのかが全くわからないという怖さが感じられて((((;゜Д゜))))ガクガクブルブル

自分たちを化け物、悪人(ヴィラン)として認識しながらも平穏な日常を守ろうと奔走する有哉は、歪ながらも透き通った信念の持ち主だと思いました。
単に偽悪的というレベルではなくて、自分たち兄妹の美しくも血生臭い家族愛の有り様を把握し尽くしているからこそ、行動指針にブレがなく、それをおびやかそうとする存在に対して一切ためらわずに実力を行使出来るわけで。
初姫的には、彼の本質を詳しく知る前に急接近した形でしたが、恋愛的に惹かれ合うというよりも、存在全てを受け入れることで距離を縮めていく様子にある種の癒やしが感じられましたね。
これが尊い…とかバブみがある…ってやつか(*´∀`*)ポワワ

ラブコメ的には、かなり変則的というか、猟奇的な要素が多くてちょっと引く部分もありましたが、そのキャラにとってのアイデンティティに直結する切実な問題だからこそ、なりふり構わず突っ走ってしまうのは判りますし、そんな不器用さが青春だなぁとも思ったり。
妹ふたりはあくまで家族という扱いですが、妹としてかわいい系の描写はしっかり丁寧で、今後別の事件が巻き起こった時にどんな感情の動きが見れるか楽しみ。
とりあえずは、初姫のエロさでテンション上げつつ、有哉の決意がこのまま全うされるか、もっと恋愛感情メインな方向に変わっていくのか見守っていきたいところですね。

推理モノとしては、身内であるはずの家族や有哉自身も完全にシロとは断定できない中で進んでいくのに驚かされましたが、ヒントや伏線はさり気なく先出ししておいて、後から判るタイプだったので説得力は十分あったかと。
個人的には、6章でクローズアップされた某人物が全ての黒幕的な犯人かと思っていたのですが、それだと尻切れトンボで終わってしまうわけで、まんまと手のひらの上で踊らされてしまいましたw

新シリーズということで、人物紹介と物語の方向性がメインでしたが、推理モノとしてのクオリティと、読み物としてのエンターテイメント性がしっかり両立していて面白かったです。
単なる勧善懲悪とは違った、独特の世界観や人物像に惹かれる方におすすめ。


気になった方は、是非チェックなさってみてくださいませ。


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