手術翌日の朝、麻酔明けの気持ち悪さと
お腹の痛みと、寝不足感で気分は最悪。
早朝6時過ぎに検温に来たナースが
「今日から歩いて頂きますよ」と、テレビをつけて、
私のベッドの頭の方を上げて去って行った。
ベッドアップで吐き気を催した私は、
やっとの思いで手を伸ばしてベッド柵からリモコンを取り、
すぐにまた頭の方を下げた。
背中にはまだ硬膜外麻酔の管が入っていて、
管の先には麻酔薬が入ったボトルが私の首にぶら下げてあり、
麻酔薬とはまた別にロキソニンの点滴。
痛み止めがmax入っていてもこの痛さ。
昼過ぎに母が面会に来てくれたが、
痛みと吐き気で頭を起こすこともできず、
「痛いよ~」以外はあまりしゃべれなかった。
私の担当ナースは、おそらく20代半ば~後半の、
新人ナースのバイザーも担当するやる気満々の美人。
なんとか私を起こして歩かせようと、熱心に励ましてくれる。
でも、うなってばかりで起きられない私を見る目が
だんだんと冷やかになってくるのを私は感じて、
意を決して起き上がり、ベッドの端に腰かけて
点滴スタンドに思い切り頼りながら歩こうとしたんだけど、
吐き気と痛みで、しまいにあぶら汗が額から頬を伝い、
ナースに励まされても全身はフリーズで口もきけず。
そこへ主治医のT先生が通りかかり、
「いいですよ、無理しなくて。昨日の夕方のオペだったんだから」と。
そこでようやくナースが車いすを持ってきて、
ベッドに戻ることができた。
その夜、歩けなくてがっかりしていた私を見た夜勤のナースが、
「大丈夫。“歩いてみよう”と思える瞬間が必ずきます」
と優しく言ってくれたのだけど、
私にはそんな瞬間は来ないかもしれない、
主治医には「回復しない稀なケースとして学会発表でも
論文発表でもして下さい」って言おうか、
などと絶望的な気持ちで消灯を迎えた。
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