経営戦略コンサルの洞窟

殆ど自分のために書いておりますが、お役に立てれば

親の経済力が直接の原因ではないのでは

2009-06-10 21:58:13 | Weblog
今日の日経夕刊の一面にもあるが、親の経済状況と学歴には相関がある、ということになっている。したがって、貧富の差をなくしてみんなにチャンスを与えるべきであると。

違うと思う。親が裕福かどうかではなく、親の考え方、生活スタイルが子供に影響するのである。例えば、親が家でよく本を読み、勉強する人だった子供勉強するようになる。親の本がそこらへんに置いてあれば読む機会も増える。

このような親の行動特性が子供に影響を与える。間接的には読書などをする親は経済的に豊かであることもあるだろうが。

この課題認識が異なると打ち手が異なる。税制で高所得者から税金をたかくとって、低所得者に分配しても親の行動特性が変わらないと意味がないのである。大学の授業料を無料にしても同様、経済的理由で大学にいけないのではなく(国立ならアルバイトしながら十分授業料・生活費を賄える)、いくモチベーションが周辺環境からわかないだけである。

今回の経済政策議論で経済学がいかにプリミティブで、実践的な学問ではないことは明らかになったが、もう少しマクロだけではなく、フィールドリサーチなども併せて議論して欲しいものである。

一昔前のコンサルがリサーチだけで戦略を語っているようでリアル感が全然たりない。

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2 コメント

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Unknown (通りすがり)
2009-06-12 04:31:21
面白く拝読いたしました。

>親が裕福かどうかではなく、親の考え方、生活スタイルが子供に影響するのである。例えば、親が家でよく本を読み、勉強する人だった子供勉強するようになる。親の本がそこらへんに置いてあれば読む機会も増える。

社会学でいう『文化資本』というものでしょうか。例えば大学の先生のように収入がそれほどでなくても、“高等”な文化に触れ続けることで子どもの学校歴が上がり、結果として収入が増える、といったような。

親を変えると言うのは色々と難しそうなので子どもの近くに良い行動特性を持つ人を配備することが大切だと思います。教師でもそうでなくてもよいですから。
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Unknown (著者)
2009-06-12 11:55:02
通りすがりさん、
ありがとうございます。
こういうのを「文化資本」というのですね。少し調べてみようと思います。
とにかく根本原因をもっと踏み込んで分析してから政府に打ち手を考えてほしいですね。
根本原因を探ることはあらゆる仕事で最大のチャレンジですから。
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