病院での電気設備の年次点検を例に取る。
ある程度の機能を持つ病院なら人工呼吸器が稼働している。
大抵は自家発電機で停電に備えている。
ところが瞬電も許さず、文字通り無停電を要求してくる部署がある。
私はあえて自家発電機を起動させ、切り替えのタイムラグを発生させるようにしている。
バカ呼ばわりされることがしばしばだが、落雷、地震等で
「本当の」停電が発生した場合の予行演習を主張し説得している。
天災は予告などせず、突然訪れるものである。
予告された停電で手順を確認するのは良い機会だと思う。
非常用回路の容量も確認できる。(計算上、クリアしている前提)
どうにもならないものは、UPSで保護すればいいだけの話だし、
ICU、NICU、手術室などは無停電装置が必要だろう。
かといって、コージェネ発電以外は全回路保護など無理な話だし、
全部に無停電装置を噛ませることはできない。
それこそノーリスク至上主義だろう。
鋭敏な感覚と的確な判断の上の「割り切り」と「決断力」の醸成だ。
落雷にしても、避雷針で全域をカバーしようとしたら「シャンボール城、日本に出現」となるだろう。
何度でも言う。
ノーリスクな経営が最もハイリスクな経営である。