2017年5月29日の記事「単眼鏡GT-M518 Amazon100台突破と古い航空機の観察」に関連していますが、今回は別の機体を見てきた話です。
当時の記事のリンク
https://blog.goo.ne.jp/gototelesco/e/4bff256a3cdf3bd92ee70acd2b019450
先月の終わり、立川市の企業 立飛ホールディングスが旧陸軍航空機「一式双発高等練習機」の展示をするということで単眼鏡GT-M518を持って見に行ってきました。同社はかつて立川飛行機という名で日本の航空産業を支え、太平洋戦争中は陸軍向けに様々な航空機の開発・製造をおこなってました。一式双発高等練習機」については検索すれば解説されているようなので興味があったらご覧ください。練習機ということで主に訓練用ですが、輸送や連絡などにも使われ活躍していました。
本機は戦闘機 零戦のように有名ではないので、どれくらいの方が見に来られるのか気になってましたが、実際に行ってみると入場待ちの列ができるほどで、展示の企画をした主催者も驚いたのではないかと思います。
展示場所は照明が暗めだったことやじっくり見たり撮影する方が多く、なかなか先に進めない状態でしたが、単眼鏡GT-M518の明るくシャープな像は、うす暗く離れたところからでも、機体の構造を詳しく観察することができました。
例えば、戦闘機は高速で飛行するので、空気抵抗を減らすために機体外板を平らなリベット(鋲)で留めますが、本機では丸い頭のリベットが使われています。これは練習機の飛行スピードが遅いからで、目的・性能に応じた作り方をしていることがわかります。また、湖に沈んでいたものを引き上げたことから、海から引き上げたものに比べ塗装や日の丸の赤色も残っていて、塗装や仕上げ技術も確認することができました。
さらに、単眼鏡で観察を続けると、製造プレートも残っていて、日付のところに昭和17年(1942年)と打刻されていることから約80年が経過してことになりますが、今では当時を語るとても貴重な航空技術遺産といって良いでしょう。
GT-M518は博物館・美術館の鑑賞にお勧めなのですが、このようなメカニズムの詳しい観察などにも適しています。
単眼鏡 GT-M518
http://gototelesco.co.jp/gtm518mono.htmll