昇交点

五藤テレスコープ的天文夜話

SUPERNOVA in NGC2370

2013-03-25 16:15:53 | 天体観測

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去年10月にさかのぼりますが、五藤光学研究所の嶋 邦博さんがふたご座の銀河NGC2370に超新星を発見し、先日埼玉大学で開催された日本天文学会総会にて新天体発見賞で表彰を受けました。

五藤光学研究所HPの当該記事
http://www.goto.co.jp/topics/2013/topics_130321.html

五藤光学研究所では多くのアマチュア天文家の社員が活躍をしていますが、新天体を発見したのは嶋さんが最初となりました。あらためてですがおめでとうございます。

嶋さんは筆者の大先輩であり、彗星観測を主としていましたが、最近は超新星捜索にもチャレンジしていた矢先での発見でした。撮影機材も多くの観測者が使っている冷却CCDカメラでなく3万円のデジタル一眼レフを使っており、今回の発見は超新星捜索が安価なデジタル一眼レフで可能なことを証明する良い事例にもなりました。

実を言うと、発見時の画像を嶋さんから見せてもらったときは、観測をはじめて間もなかったこと、NGC番号の銀河は世界中の超新星観測者が捜索しているので発見済か間違いではないかと半信半疑だったのですが、その後の観測によって単独発見が確認されたことで筆者もびっくりしてしまいました。

発見時の光度は17等星ととても暗いのですが、せっかくなので筆者も自宅で12.5cm屈折望遠鏡と冷却CCDカメラで撮影しこの超新星を確認することができました。

日本天文学会の授与式のあと、その時頂いた新天体発見賞のメダルを見せてもらいましたが、身近に新天体を発見した人がいなかったので今回の事がなかったら見る機会はなかったかも知れません。

嶋さんからは機材もあるのだから超新星捜索やってみたら?と勧められましたが、捜索はちょっと大変なので、発見された主だった超新星の観測くらいはやってみようと思います。(kon)

画像:2012年10月22日撮影した超新星画像 12.5cm+冷却CCD 撮影地:東京都立川市