顔を逆さに見せると側頭葉の神経細胞は顔であることを認識するが、個体や表情に関する情報量が減少するとう論文が先日発表されたそうです(財経新聞)。顔を逆さにすると見分けにくくなることはよく知られているそうです。例えば上下逆さの顔は目や口に画像操作を加えても気付きにくい現象をサッチャー錯視と呼ばれているそうです。しかし、この時に脳がどのように働いているかという詳細は明らかになっていなかったそうです。今回、ヒト・サルの顔画像や単純図形を使い、正立または逆さの状態で提示した時の側頭葉視覚連合野内の神経細胞の活動を記録。その結果、脳内ではまずヒトかサルか画像かの判別をしその後に個体や表情を処理していること、そして顔を逆さに提示すると個体や表情の情報処理量が減少することが分かったというものです。さらに研究を進めることで生体の顔認識メカニズムの理解が深まり、顔認識システムの開発に貢献することや、顔の認識ができない(相貌失認)疾患や認知症などで個体・表情認知の機能が低下する病態のメカニズム解明にも寄与することが期待されているそうです。
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