アフリカ系米国人が集う理髪店をめぐっては、散髪だけでなく、人々が交流するための場所にもなっていることは広く知られているそうですが、ある理髪店が男性客らの高血圧を抑える助けにもなる可能性があるとの研究がNew England Journal of Medicineに発表されたそうです(AFPBB NEWS)。米国ロサンゼルスの理髪店に通う地元男性客を対象に行った実験では、来店時に訓練を受けた薬剤師と定期的に面談することで、高血圧症のある人の血圧を大きく低下させることができたというもの。アフリカ系米国人男性は、心臓発作と脳卒中の主要な危険因子である高血圧症の確率がほかの人種グループに比べて高く、また医師の治療を受けている確率も低い傾向があるそうです。そのため、このアプローチを広範囲で採用することによって治療の突破口が開く可能性があるということです。今回の研究では、ロサンゼルス郡にある52の理髪店に通う男性らを対象に実験を実施。被験者は高血圧症のある男性319人。2日間の測定値に基づく最高血圧が140mmHgを超えると高血圧と診断。被験者は年齢が35~71歳、地元理髪店の長年の常連客で、平均でほぼ半月に1回の頻度で店に通っていたそうです。被験者を無作為に2グループに分け、一方には理髪店に行くたびに訓練を受けた薬剤師との面談を受けさせたそうです。もう一方のグループは、健康的な生活様式を選択するよう理髪師から助言を受け、経過観察のために医師を受診するよう勧められたそうです。その結果、理髪店で月1回薬剤師と面談したグループは他の男性客グループに比べて、最高血圧を平均で21mmHg以上低下させることができたというのです。理髪師のみと交流し、医師の診察を受けるよう助言された男性客グループでは、最高血圧が実験開始時の155mmHgから6か月後に145mmHgに低下。さらに、理髪師と薬剤師の両方と交流を持った男性客グループでは、最高血圧が実験開始時の153mmHgから6か月後に126mmHgにまで低下したそうです。
http://www.afpbb.com/articles/-/3167123
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