温暖化が進行しても、地球の干ばつは従来の予測ほど拡大しないかもしれないとする研究結果がPNASに発表されたそうです(AFPBB NEWS)。その理由は、大気中のCO2の増加に伴い、植物が必要とする水分量が減少するからだそうです。今後の約100年間で、CO2濃度が産業革命前の水準の4倍に増加するにつれて、世界の70%以上が干ばつの増加に見舞われることが、これまでの研究で予測されていたそうですが、これらのモデルの多くは、温暖化が進む世界で植物の挙動がどのように変化するかを説明できていないそうです。植物は、気孔と呼ばれる葉の開口部からCO2を取り込み、同時に水蒸気を放出するそうです。ですが、CO2が豊富にあると、気孔が開放される時間が短くなり、失われる水分が減少するため、土壌から吸収する水分量は少なくてすむというのです。多くの研究は植物の水の必要量が常に一定であることを前提としているそうですが、CO2が大量にある環境で生育している植物に関する今回の研究は水の必要量が変化することを示唆しているそうです。CO2が増加する環境からの恩恵を植物が受けるため、気候変動に起因する干ばつに直面するのは、世界の37%にとどまるというのです。地球の高温化と、降雨量の減少により、北米南部、南欧、南米北東部などで干ばつが増加する可能性が高いとこの論文でも指摘しているようです。ですが、その影響は一部で予測されているほど広範囲には及ばないのかもしれないと。
http://www.afpbb.com/articles/-/3099072
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