財経新聞に掲載された興味深い記事を紹介します。卵円孔は左右心室を隔てる壁の孔で、胎児期に特有な構造であり、出生後には自然に閉鎖します。ですが、15~25%は成人に達しても閉鎖せず、脳梗塞の原因になる場合があるそうです。特に、脳梗塞の前兆がある片頭痛の患者は、卵円孔が開存している可能性があるそうです。岡山大学では、平成24年から奇異性脳梗塞の再発予防を目的とした心房中隔欠損症や卵円孔開存のカテーテル治療を実施し、脳梗塞患者を調べたところ38人中19人が片頭痛を経験しており、カテーテル治療後に片頭痛が消失(13人)、もしくは著明に改善(5人)していることが分かったそうです。現在は、カテーテル治療の対象は脳梗塞を発症した患者の再発予防だけに限定されているそうですが、国内で初めて脳梗塞の発症に関わらず、片頭痛で困っている患者に卵円孔が認められた場合、卵円孔のカテーテル治療を実施することにしたそうです。ただし、片頭痛の原因は多岐に渡っているために、この治療がすべての人に効果を表すものではないそうです。片頭痛の原因が卵円孔開存と関連が深いと判断される場合には、この治療によって頭痛そのものが消失するなど、薬物治療とは別の新しい治療技術になる可能性があるそうです(財経新聞)。
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