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豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

長時間のビデオゲームは、小児の脳の発達や言語性知能に悪影響

2016-01-22 08:30:27 | 研究
ビデオゲームプレイ習慣が数年後の言語知能や脳の微小形態の特徴とどう関連しているかを解析し、ビデオゲームの長時間プレイが神経系の好ましくない神経メカニズムの発達と言語知能の遅れとつながることが示されたそうです(財経新聞)。発達期の小児の長時間のビデオゲームプレイには、一層の注意が必要だそうです。これまで、ビデオゲームプレイは視空間能力に対する好影響などが知られている一方で、特定タイプの言語記憶、注意、睡眠、学業、知識などに対する悪影響などが知られていたそうです。またビデオゲームをプレイしている時は、快感や意欲に関わる神経伝達物質のドーパミン系のシステムにおける多くのドーパミン放出が起こり、ビデオゲームは中毒につながりうることも知られていたそうです。また、これまでの脳画像研究においては、ゲームプレイ習慣が、背外側前頭前皮質や前頭眼野などの灰白質量などの大きさと関係していることも。これらの知見は、上述のビデオゲームプレイのポジティブな効果と結び付けられてとらえられていたそうです。今回の研究では、悪性腫瘍や意識喪失を伴う外傷経験の既往歴等のない健康な小児を対象に、研究参加者は最初に日々のビデオゲームプレイ時間を含む生活習慣などについて質問に答え、知能検査、MRI撮像を受けたそうです。この時点では研究参加者の年齢は5歳から18歳(平均約11歳)。これらの研究参加者の一部が、3年後に再び研究に参加し、再び知能検査と MRI撮像を受けたそうです。その結果、初回参加時における長時間のビデオゲームプレイ習慣は、初回参加時の低い言語性知能と関連し、初回参加時から数年後の2回目参加時へのより一層の言語性知能低下につながっていたそうです。同様に初回参加時における長時間のビデオゲームプレイ習慣は、初回参加時の前頭前皮質、尾状核、淡蒼球、左海馬、前島、視床等各領域の水の拡散性の高さ(高いほど水が拡散しやすく組織が疎であることの証拠)と関連しており、さらに初回参加時から数年後の2回目参加時へのこうした領域の発達性変化への逆の影響(水の拡散性の発達に伴う減少がより少ない)と関連していたとも。また、言語知能、動作性知能、総知能のいずれも、共通して、左海馬、左尾状核、左前島、左視床、周辺の領域の水の拡散性と負相関が。今回の成果より、小児における長時間のビデオゲームプレイで、脳の高次認知機能に関わる領域が影響をうけ、これが長時間のビデオゲームプレイによる言語知能の低下と関連することが示唆されたそうです。こうした領域には海馬(記憶や睡眠)、外側前頭前皮質(実行機能、作動記憶)、代表的なドーパミン作動系領域である尾状核や眼窩皮質の他前島(いずれも報酬、意欲)が含まれ、対応する機能への影響が示唆されたそうです。とくにドーパミン作動系領域の拡散性の増大は、メタアンフェタミンの長期ユーザーでも見られる特徴で、ビデオゲーム長時間プレイ者での相同の神経改変を疑わせたそうです。
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