4月、5月と2ヶ月余り仕事に追われ釣りに行かなかった。
6月8日、奈良での展覧会も終わり、能登に帰って来てやっと一段落。
ともあれ釣りに行きたかった。
ここ数年、6月のはじめには釣り友O君と磯のスズキ釣りをやるというのが恒例になっている。
彼と打ち合わせ出かけたのは10日の夜だった。
今年からO君はベイトタックルでやっているという。面白いじゃないか。
ならば彼に合わせてベイトリールとロッドを引っぱり出した。
そもそも私は釣りを福井の釣り師つーさんに習ったが、始めはベイトタックルでのスズキ釣りだった。
ベイトでやるのが当たり前だった。
メバルやイカをやるようになって初めてスピニングリールを使うようになり、今ではそのままスズキもスピニングでやることが多くなったが、日中の荒磯でのスズキ釣りには今だにベイトリールを使っている。
O君にどうしてベイトになったのか?と聞いてみると
「スピニングでは釣れ過ぎて面白くないので、自分に制約というか、枠を作りたかったんです。それにベイトは面白いし。」と言う。
彼は春から夏にかけて毎年300~400本のスズキを釣り上げる猛者である。ピーク時は出かける度に二桁が普通なのだ。
そんな彼だから「釣れ過ぎるのが面白くない」という言葉がすんなりと入って来る。
場所は能登半島外浦のとあるゴロタ磯。O君のフィールドである。
現場に行ってみると状況は極めて悪いと言う。
1メートルの波があり濁っているらしい。普通スズキは荒れていないと釣れないが、ここは違うらしい。澄んだ凪がいいという。この時期ここのスズキは磯の小さなバチやエビなどを食っているらしい。濁っているとそれらは見えなくなりスズキが岸に寄って来ないのだ。
ともあれやろうとやってみたが、私は50センチクラスが3匹釣れたのみ。
一度でかいのが掛かったが、玉網入れの段階でバラしてしまった。
そんな状況でもO君は60センチクラスを5匹、流石である。
私にとっては久しぶりの釣りだったし、遠ざかっていた釣りの感覚を呼び戻すためのリハビリのような釣りでもあり、結構楽しかったが、冴えない釣りだったとO君はいう。
数日前に80センチアップが出たらしく、私にでかいのを釣らせたかったのだ。
で、次回、でかいのを狙おうと別れた。
そして次回は14日となった。
夜の8時に待ち合わせ、磯へと向かった。
その夜は状況は良かった。凪で追い風だった。
よし!今夜は70アップを釣ってやるぞ。
むくむくと闘志が湧いて来る。
ポイントはゴロタが帯のように点在する浅い磯である。水の中を腰まで浸かり歩いてゴロタ群の一番前のキャストしやすそうな岩に上がり前面の海にキャストするのである。
海側にちょっと離れたいい岩があり、その上に乗った。
この岩はこの辺では一級の釣り座だという。広角度でキャスト出来るし魚も多いらしい。
早速正面にフルキャストしてみる。ヒュイーンというデジタルブレーキの音とともにルアーが闇に消えていく。いい感じだ。
浅い磯なので早めにサミングし、着水とともに巻き始める。
が、根がかりである。藻であれば28ポンドのラインは藻をぶち切って回収も出来るのだがどうもそうではないらしい。うんともすんともである。
しかたなくラインは切れてルアーはロストである。その時は干潮の底、浅い磯がさらに浅くなっていたのだ。
初っぱなからこれである。このところロストはなかったので警戒心が足らなかった。
ラインを組み直し、新品のデュエル・ハードコアをつけて気を新たにキャストする。
と、今度はバチッと嫌な音がしてルアーは虚しく闇に消えてしまった。
ラインがトップガイドに絡んだままキャストしたのだ。
ああ・・・またラインの組み直し。
トラブルは往々にして重なるものだ。どこか間が抜けている。
リールもロッドもPEライン用ではなく、特にロッドのガイドにはラインが絡みやすいことを肝に銘じておかねばならぬ。
ラインを組み直している間にO君は既に魚を引き寄せている。
なんかなあ、気持ちは焦るがしかたない。
さあ、キャスト再開。
早巻きで根がかりを回避しながらの釣りである。
着水とともにグングン巻く。
数投目、掛かった。元気のいいやつ。でも引き寄せると小さかった。50センチクラス。
前回と同じようなサイズだ。
リリース。
数投後、またヒット。今度は幾分重かった。
足元まで引き寄せてライトを付けると魚体がギラリと反転する。 60センチくらいか。
玉網をとろうと背中に手を回すがうまく柄が掴めない。もたついている間にクンとフックアウト。あららら。
そのうちまたヒット。今夜は調子が良さそうだ。しかし、また小さい。
リリースしようと思ったが、フックが目の玉をえぐっていた。こいつはリリースしても死んじまうだろうとキープ。
その時、O君と誰かの話し声。
釣具屋の若大将かっちゃんがやってきたのだ。
ここから三人での釣りとなった。
その後、暫く間を置いてゴンと来た。まあまあのサイズ。今度こそと慎重に寄せるが、いざ玉網入れの寸前にバチンとまた外れてしまった。玉網の中にはルアーだけが残った。
なんかなあ、前回もデカイの足元でバラしたしなあ、バラシ病というのがあると聞いたが・・・・やな感じ。
ヒットするものの結局小さいの一匹だけである。
その後、アタリは遠のいたようだったが、粘っているうちに遠くでガツン。
こいつは今日一番の引きだった。
強引に寄せてなんとか玉網入れ成功。今度はうまくいった。
65センチ弱。体高もあってなかなかいいかたち。
先ずは今日の一本である。
しかし、その後はサッパリで移動することに。
夜の磯を水に浸かりながら移動するのはちょっくら骨である。
よく見えない底は凸凹だらけ。下手するとつまづいて転び、ウエダーといえ胸から水が入るし、手にしたリールも水没しかねない。
慌てない。ゆっくりと泳ぐように歩く。
歩きながらO君。
「始めは調子良かったんですがね。でも小さいですね。リリースばっかです。」
すでに10回ちかく掛けたらしいが、彼のストリンガーにぶら下がっているのは3本だ。
カッチャンのストリンガーには2本、私も2本。
「バラシが多いんだよな、背中の玉網を取るのにもたついてなあ」と私。
「ぼくは寄せている途中で玉網を取り、股に挟んで用意しときます。」と彼。
なるほど、と思う。
ある程度の距離があれば片手でロッドを保持していてもテンションは抜けにくい。それに比べて近くはテンションが抜けやすいのだ。
足元まで寄せたらさっと玉網に入れる。これに限る。
時計を見ると12時だった。
でもみんな帰る気は毛頭ない。
デカイのに出会いたかった。
次のポイントは同じゴロタ磯だが、浅い曲線を描いて切れ込んでいる湾である。
なんでもここはエザキワンドという名前がついているらしい。
昨年私が気に入って固執したポイントだからだ。
ちなみにカッチャン岩というのもあるのだとか。
昨年と同じ岩、湾の左先端の岩に乗った。なんだか懐かしい。
正面50メートルに大きい浮き根、その右手30メートルに小さい浮き根がある。なんだか魚たちがいそうな気配。
うむ、必ずいる。
湾の右先端にカッチャンが陣取り、その15メートル向こうにO君である。
ボンヤリとした満月が水平線の上にあり、ライトがなくても薄ボンヤリと景色が見える。凪だがまったりとした大きい波が時々やって来る。
正面の浮き根と右手の浮き根の間を方向を変えながらキャストする。
アタリはなかった。
しかしそのうち来るという強い予感があった。
ロッドを思い切り振り抜く。ヒュイーン!とリールが唸る。薄暗闇を飛んでいくルアー。着水と同時に早巻きで引いて来る。その繰り返し。延々と。黙々と。まったりと。
濃密な時間であった。
突然のように右浮き根近く、遠いところでガツンと来た。
まあまあのサイズか、強引に寄せる。が、半分まで来たところでクンと抜けちまった。
15分後、またヒット。今度は正面の浮き根の左手である。近くまで寄せたところでまたバレた。
ふふ、バラシ病。
さらに15分後、今度は正面で来た。
今度こそと半分くらい寄せたところで玉網を取り股に挟んだ。で、足元まで寄せその勢いで玉網に入れた。O君方式、確かにうまくいく。
でもサイズは大したことはない。60弱。
その後、魚信は遠のいた。
O君が叫ぶようにカッチャンに釣果を聞いていた。
「4匹です!!」とカッチャンの声が聞こえる。
小生はまだ一匹。うはは。ちと焦るじゃないか。
でもアタリはなかった。
静かな海である。
ボンヤリ満月が水平線に落ちてきた。
2時を過ぎた。そろそろ終わりの時間か。
と、ゴッツン!!
強い衝撃だった。
正面浮き根の右脇だ。
ロッドを立てて合わせる。うっっ!!重かった。
リールを巻けなかった。
ロッドを起こし、倒しながら巻き、またロッドを起こす。
ドラグがググッ!!グググッ!!と出て行く。スプールがいやいや逆転するのだ。ドラグを締める。
ラパラ、チタニウムブレイド1.5号は28ポンド、一杯に締めても問題はない。
全身の力で引き寄せる。俄に心臓が高鳴った。
しかし、途中でガンと動かなくなった。根に潜られたか・・・ここで慌ててはいけない。
ラインのテンションを緩め、暫くそのままにして、再度ゆっくり引いてみた。
するとやつはゆらりと動いた。また走り始める。
力の強いやつだった。全身で引き寄せる。
再びドラグが唸った。ドラグが止まるとまた寄せる。またドラグ。また寄せる。
右腕の筋肉が痛くなって来た。玉網を背中から引き抜き、用意する。
ライトを付ける。ライトの範囲に魚体が入って来た。
右手でロッドを持ち、魚を足元に誘導するがやつも最後の力を振り絞って右に左にと抵抗する。
しかし、私の勝ちだった。
玉網に入った魚体は堂々としてまさにスズキなのであった。70センチくらいか。
そして10分後、また来た。
そいつも重かった。でも案外素直に寄って来た。
近くになって走ったが、先程のような格闘ではなかった。
素直に玉網に入ったそいつは意外にも先程のやつよりでかかった。
いい感じである。
もっと釣れそうだったが、二人から「そろそろ止めにしませんかあ!!」と声がかかった。
この二匹で気持ちは収まった。
今夜の目標は70アップだったのだし、一応それは最後の最後で達成出来たわけである。
終えたのは3時前だった。
いや、楽しい夜だった。
O君、ありがとう。カッチャンもご苦労さんでした。
またやろな。
O君。
かっちゃん。
三人の釣果。小さいやつは深く傷ついたやつ。最大は75センチ。
ロッド; Gクラフト、セブンセンスMWB 972MLRF
リール; シマノ、アンタレスDC
ライン; ラパラ、チタニウムブレイド1.5号28lb
リーダー; フロロカーボン20lb
ルアー: デュエル、ハードコア100シンキングペンシル、ジップベイツ、スライドスイムミノー85、邪道ヨレヨレミニ68など。
6月8日、奈良での展覧会も終わり、能登に帰って来てやっと一段落。
ともあれ釣りに行きたかった。
ここ数年、6月のはじめには釣り友O君と磯のスズキ釣りをやるというのが恒例になっている。
彼と打ち合わせ出かけたのは10日の夜だった。
今年からO君はベイトタックルでやっているという。面白いじゃないか。
ならば彼に合わせてベイトリールとロッドを引っぱり出した。
そもそも私は釣りを福井の釣り師つーさんに習ったが、始めはベイトタックルでのスズキ釣りだった。
ベイトでやるのが当たり前だった。
メバルやイカをやるようになって初めてスピニングリールを使うようになり、今ではそのままスズキもスピニングでやることが多くなったが、日中の荒磯でのスズキ釣りには今だにベイトリールを使っている。
O君にどうしてベイトになったのか?と聞いてみると
「スピニングでは釣れ過ぎて面白くないので、自分に制約というか、枠を作りたかったんです。それにベイトは面白いし。」と言う。
彼は春から夏にかけて毎年300~400本のスズキを釣り上げる猛者である。ピーク時は出かける度に二桁が普通なのだ。
そんな彼だから「釣れ過ぎるのが面白くない」という言葉がすんなりと入って来る。
場所は能登半島外浦のとあるゴロタ磯。O君のフィールドである。
現場に行ってみると状況は極めて悪いと言う。
1メートルの波があり濁っているらしい。普通スズキは荒れていないと釣れないが、ここは違うらしい。澄んだ凪がいいという。この時期ここのスズキは磯の小さなバチやエビなどを食っているらしい。濁っているとそれらは見えなくなりスズキが岸に寄って来ないのだ。
ともあれやろうとやってみたが、私は50センチクラスが3匹釣れたのみ。
一度でかいのが掛かったが、玉網入れの段階でバラしてしまった。
そんな状況でもO君は60センチクラスを5匹、流石である。
私にとっては久しぶりの釣りだったし、遠ざかっていた釣りの感覚を呼び戻すためのリハビリのような釣りでもあり、結構楽しかったが、冴えない釣りだったとO君はいう。
数日前に80センチアップが出たらしく、私にでかいのを釣らせたかったのだ。
で、次回、でかいのを狙おうと別れた。
そして次回は14日となった。
夜の8時に待ち合わせ、磯へと向かった。
その夜は状況は良かった。凪で追い風だった。
よし!今夜は70アップを釣ってやるぞ。
むくむくと闘志が湧いて来る。
ポイントはゴロタが帯のように点在する浅い磯である。水の中を腰まで浸かり歩いてゴロタ群の一番前のキャストしやすそうな岩に上がり前面の海にキャストするのである。
海側にちょっと離れたいい岩があり、その上に乗った。
この岩はこの辺では一級の釣り座だという。広角度でキャスト出来るし魚も多いらしい。
早速正面にフルキャストしてみる。ヒュイーンというデジタルブレーキの音とともにルアーが闇に消えていく。いい感じだ。
浅い磯なので早めにサミングし、着水とともに巻き始める。
が、根がかりである。藻であれば28ポンドのラインは藻をぶち切って回収も出来るのだがどうもそうではないらしい。うんともすんともである。
しかたなくラインは切れてルアーはロストである。その時は干潮の底、浅い磯がさらに浅くなっていたのだ。
初っぱなからこれである。このところロストはなかったので警戒心が足らなかった。
ラインを組み直し、新品のデュエル・ハードコアをつけて気を新たにキャストする。
と、今度はバチッと嫌な音がしてルアーは虚しく闇に消えてしまった。
ラインがトップガイドに絡んだままキャストしたのだ。
ああ・・・またラインの組み直し。
トラブルは往々にして重なるものだ。どこか間が抜けている。
リールもロッドもPEライン用ではなく、特にロッドのガイドにはラインが絡みやすいことを肝に銘じておかねばならぬ。
ラインを組み直している間にO君は既に魚を引き寄せている。
なんかなあ、気持ちは焦るがしかたない。
さあ、キャスト再開。
早巻きで根がかりを回避しながらの釣りである。
着水とともにグングン巻く。
数投目、掛かった。元気のいいやつ。でも引き寄せると小さかった。50センチクラス。
前回と同じようなサイズだ。
リリース。
数投後、またヒット。今度は幾分重かった。
足元まで引き寄せてライトを付けると魚体がギラリと反転する。 60センチくらいか。
玉網をとろうと背中に手を回すがうまく柄が掴めない。もたついている間にクンとフックアウト。あららら。
そのうちまたヒット。今夜は調子が良さそうだ。しかし、また小さい。
リリースしようと思ったが、フックが目の玉をえぐっていた。こいつはリリースしても死んじまうだろうとキープ。
その時、O君と誰かの話し声。
釣具屋の若大将かっちゃんがやってきたのだ。
ここから三人での釣りとなった。
その後、暫く間を置いてゴンと来た。まあまあのサイズ。今度こそと慎重に寄せるが、いざ玉網入れの寸前にバチンとまた外れてしまった。玉網の中にはルアーだけが残った。
なんかなあ、前回もデカイの足元でバラしたしなあ、バラシ病というのがあると聞いたが・・・・やな感じ。
ヒットするものの結局小さいの一匹だけである。
その後、アタリは遠のいたようだったが、粘っているうちに遠くでガツン。
こいつは今日一番の引きだった。
強引に寄せてなんとか玉網入れ成功。今度はうまくいった。
65センチ弱。体高もあってなかなかいいかたち。
先ずは今日の一本である。
しかし、その後はサッパリで移動することに。
夜の磯を水に浸かりながら移動するのはちょっくら骨である。
よく見えない底は凸凹だらけ。下手するとつまづいて転び、ウエダーといえ胸から水が入るし、手にしたリールも水没しかねない。
慌てない。ゆっくりと泳ぐように歩く。
歩きながらO君。
「始めは調子良かったんですがね。でも小さいですね。リリースばっかです。」
すでに10回ちかく掛けたらしいが、彼のストリンガーにぶら下がっているのは3本だ。
カッチャンのストリンガーには2本、私も2本。
「バラシが多いんだよな、背中の玉網を取るのにもたついてなあ」と私。
「ぼくは寄せている途中で玉網を取り、股に挟んで用意しときます。」と彼。
なるほど、と思う。
ある程度の距離があれば片手でロッドを保持していてもテンションは抜けにくい。それに比べて近くはテンションが抜けやすいのだ。
足元まで寄せたらさっと玉網に入れる。これに限る。
時計を見ると12時だった。
でもみんな帰る気は毛頭ない。
デカイのに出会いたかった。
次のポイントは同じゴロタ磯だが、浅い曲線を描いて切れ込んでいる湾である。
なんでもここはエザキワンドという名前がついているらしい。
昨年私が気に入って固執したポイントだからだ。
ちなみにカッチャン岩というのもあるのだとか。
昨年と同じ岩、湾の左先端の岩に乗った。なんだか懐かしい。
正面50メートルに大きい浮き根、その右手30メートルに小さい浮き根がある。なんだか魚たちがいそうな気配。
うむ、必ずいる。
湾の右先端にカッチャンが陣取り、その15メートル向こうにO君である。
ボンヤリとした満月が水平線の上にあり、ライトがなくても薄ボンヤリと景色が見える。凪だがまったりとした大きい波が時々やって来る。
正面の浮き根と右手の浮き根の間を方向を変えながらキャストする。
アタリはなかった。
しかしそのうち来るという強い予感があった。
ロッドを思い切り振り抜く。ヒュイーン!とリールが唸る。薄暗闇を飛んでいくルアー。着水と同時に早巻きで引いて来る。その繰り返し。延々と。黙々と。まったりと。
濃密な時間であった。
突然のように右浮き根近く、遠いところでガツンと来た。
まあまあのサイズか、強引に寄せる。が、半分まで来たところでクンと抜けちまった。
15分後、またヒット。今度は正面の浮き根の左手である。近くまで寄せたところでまたバレた。
ふふ、バラシ病。
さらに15分後、今度は正面で来た。
今度こそと半分くらい寄せたところで玉網を取り股に挟んだ。で、足元まで寄せその勢いで玉網に入れた。O君方式、確かにうまくいく。
でもサイズは大したことはない。60弱。
その後、魚信は遠のいた。
O君が叫ぶようにカッチャンに釣果を聞いていた。
「4匹です!!」とカッチャンの声が聞こえる。
小生はまだ一匹。うはは。ちと焦るじゃないか。
でもアタリはなかった。
静かな海である。
ボンヤリ満月が水平線に落ちてきた。
2時を過ぎた。そろそろ終わりの時間か。
と、ゴッツン!!
強い衝撃だった。
正面浮き根の右脇だ。
ロッドを立てて合わせる。うっっ!!重かった。
リールを巻けなかった。
ロッドを起こし、倒しながら巻き、またロッドを起こす。
ドラグがググッ!!グググッ!!と出て行く。スプールがいやいや逆転するのだ。ドラグを締める。
ラパラ、チタニウムブレイド1.5号は28ポンド、一杯に締めても問題はない。
全身の力で引き寄せる。俄に心臓が高鳴った。
しかし、途中でガンと動かなくなった。根に潜られたか・・・ここで慌ててはいけない。
ラインのテンションを緩め、暫くそのままにして、再度ゆっくり引いてみた。
するとやつはゆらりと動いた。また走り始める。
力の強いやつだった。全身で引き寄せる。
再びドラグが唸った。ドラグが止まるとまた寄せる。またドラグ。また寄せる。
右腕の筋肉が痛くなって来た。玉網を背中から引き抜き、用意する。
ライトを付ける。ライトの範囲に魚体が入って来た。
右手でロッドを持ち、魚を足元に誘導するがやつも最後の力を振り絞って右に左にと抵抗する。
しかし、私の勝ちだった。
玉網に入った魚体は堂々としてまさにスズキなのであった。70センチくらいか。
そして10分後、また来た。
そいつも重かった。でも案外素直に寄って来た。
近くになって走ったが、先程のような格闘ではなかった。
素直に玉網に入ったそいつは意外にも先程のやつよりでかかった。
いい感じである。
もっと釣れそうだったが、二人から「そろそろ止めにしませんかあ!!」と声がかかった。
この二匹で気持ちは収まった。
今夜の目標は70アップだったのだし、一応それは最後の最後で達成出来たわけである。
終えたのは3時前だった。
いや、楽しい夜だった。
O君、ありがとう。カッチャンもご苦労さんでした。
またやろな。
O君。
かっちゃん。
三人の釣果。小さいやつは深く傷ついたやつ。最大は75センチ。
ロッド; Gクラフト、セブンセンスMWB 972MLRF
リール; シマノ、アンタレスDC
ライン; ラパラ、チタニウムブレイド1.5号28lb
リーダー; フロロカーボン20lb
ルアー: デュエル、ハードコア100シンキングペンシル、ジップベイツ、スライドスイムミノー85、邪道ヨレヨレミニ68など。
あたりは多いけどのらず、バラシも多く難しい釣りでした。
ごろすけさんに言うのも恥ずかしい所ですが、あの時間までやっていると、足腰が痛くなってきて、次の日も店を開けねばとの思いに、あの時間で撤収となってしまいました。
けど、時間の過ぎるのが早く感じる位、楽しい釣りでした。
又、機会があれば、一緒に釣り行きましょう!
最後にせっかくの写真がピンボケで本当すいません・・・。
ありがとうでした。
浅い磯での釣りは確かに難しいところあるけど、だからこそ面白い。
気を抜けないしね。
時間などあっという間だね。
またやろう。
ピンボケはそれで丁度いい感じだな。
うっはっは。
早速帰って、良い釣りしてますね~
いやこの時期ですので、なんとなくDM出しそびれちまいました。
夢雲にいて前回はT中艦長と村上さん来てくれたなあと思い出しておりました。
久しぶりの釣りということもあり、なんかスズキ釣りが新鮮で楽しいのです。
釣りをやり始めた頃はスズキばかりでしたので懐かしい感じでもあります。
メバルも6月いっぱいでしょうからビシッと決めたいのですが、凪が続きなかなかタイミングがとれませんのです。
いつかまた会いましょう。
村上さんにもよろしくです。