永遠に、幸せになりたい。    by gorosuke

真夜中、いいおっさんが独り海に向かって延々と竿を振る。
アホだな。でもこのアホ、幸せなんだよなあ。

柳の下の二匹目のドジョウ。

2012-10-07 | アオリイカ
前回の入れ食いの感覚が甘く疼くように身体に残っていた。

その感覚に引っぱられるように出かけた。

爆釣の明くる日行ってみるとボウズ、ということはよくあること。
普通、柳の下に二匹目のドジョウはいない。

土曜日の早朝ということもあって、前回より少し早く現場に行ったが、やはり先客がいた。
車は一台、ひとりならなんとか入れるだろうとポイントに向かった。

月は半月、薄曇りの空にボンヤリと顔を出し、ゆるく辺りを照らしていた。
その薄明かりの中、ポイントに一人の先客が見えた。よし、何とか入れる。

「隣でやってもいいか?」と声をかけると、
「はい、どうぞ!」と若者らしきハキハキとした声だった。
こんな先客はありがたい。
彼の足元には既に数匹のイカが横たわっていた。
墨や水を十分吐かせるためにこうして暫く置いておくのだ。
なんだか調子良さそう。

彼の左手に立ち、私もキャストを開始。
前回とは違い、1メートルの波、凪ぎに近い。
イカもメバルも他の魚も基本的には少し荒れて釣りにくいくらいが活性が高く
凪ぎは釣りにくいものだが今日はどうだろう?

前回と同じく、一投目から掛かった。
こいつがいきなりでかかった。
胴長20センチ。



そして、二投目も三投目もヒットする。
それは前回の感覚と同じであり
時間はさかのぼり、前回の釣りがそのまま続いているようだった。
柳の下、二匹目のドジョウはいたのである。





先客は金沢からやって来たという。
「一人より二人の方が危なくないですしね」と言う。
凪のように静かな海で?
そう言ったのは彼の優しさであろう。

そこではたと考えた。
まあ、一人の夜釣りなんて何が起きるか分からないし、危険と言えば危険なのだ。
普通家族を持つ大人であれば、そう考えるのが当たり前だろうし、それが責任でもあるのだろう。
しかし、私はそんなこと考えたこともない。
釣りは基本独りでするものと思っている。
なんかガキだなあ・・・・

イカは釣れ続けた。
ワンキャスト、ワンヒットの時間帯があれば
ぼつぼつの時間帯、
そしてまた入れ食い、
またぼつぼつ。
全体的には間断なく釣れ続けた。









釣れ続けることは楽しい。
何度も、何度もイカの反応、引き、生体反応を体感出来るのである。
嗚呼、なんと幸せなことか。

先客の彼も間断なく釣り上げているようだった。
シャクリや竿さばきは相当慣れた人のものである。
暗くて顔はよく見えないが、立ち振る舞いに楽しさが溢れている。

奥能登日本海の磯である。
イカのシーズン、エギングブームで町に近い釣り場はどこも人で一杯であろう。
越前海岸でも他府県ナンバーの車が列をなし、ポイントに入ることさえ一苦労である。
それに比べれば、ここは釣り人は極めて少ない。

たゆたゆと海は広がり、空には月、まだ薄暗い早朝は爽快だった。
懐の深い海である。どれほどのイカたちがいることか。
この磯で釣りが出来るシアワセを実感する。


(こいつは胴長22センチ。流石に引きは強かった。今年の最大だ。)






しかし、こんな状況は極めてブログに書きにくいんである。
底を取り、適当にしゃくっていれば乗って来る。
考えることもなく釣れるんである。
なんかなあ、全く釣れないのと同じくドラマに欠けるんである。


周囲が明るくなって先客さんがさほど若い人ではないことが判明。
52才だという。驚いた。
何と若々しい声、振る舞い。
釣りは人を若くするのだ。
ここで初めて名乗り合った。
金沢の公務員さんなのだそうだ。
彼も明るくなって私がゴロスケだと言うことに気が付いたらしい。
このブログを読んでくれているのだとか。

明るくなってアタリの方は突然パタリと遠のいた。
あれだけのアタリがである。
イカたちが突然姿を消したようであった。

前回は明るくなってもなんとか釣れた。
考えられるのは海の荒れである。
前回は荒れていた。今回は凪である。
潮も悪くないし、そのくらいしか考えられなかった。

贅沢ではあるが、釣れない状況も新鮮ではあった。
釣れないところを釣るのが腕であろう。
エギの色やサイズを替えてみたり、レンジを変えてみたり、方向を変えてみたり、シャクリを変えてみたり、いろいろやってみるが
やはり釣れないのである。
腕がないんである。

先客さんも粘っていた。帰るきっかけが見つからないという感じ。

一時間半粘って、小さいの数匹。みんなリリース。


諦めた。時間は8時過ぎ。

先客さんが釣果を見せてくれる。
50杯は釣っただろう。
こんな釣果は初めてだと嬉しそう。



私のクーラーも前回につづき満杯。




また重いクーラーを背負ってヒーフーハーフー崖を登った。

そのうちまたどこかで会いましょう、よろしく。
と挨拶交わし先客さんと別れた。
なんだか清々しい人であった。

帰り道、村々世話になっている友人のところに立ち寄り、イカを配りながら帰った。

キープしたやつを数えてみると52杯だった。
15杯はリリースしたから、70杯近く釣り上げたことになる。
前回よりさらに多く釣ったことになるが、前回より時間が長かった。


ともあれ私のイカ釣りの数の記録である。





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2 コメント

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楽しい一時 (山内 満弘)
2012-10-09 20:16:48
この間は、有難うございました。
イカの反応が凄くて、忙しかったです。
また、どこかでお会いしましたら、よろしくお願いします。
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山内さん (ゴロスケ)
2012-10-11 09:03:31
こちらこそ、隣でやらせてもらいありがとうでした。
いや、沢山釣れましたね。
なんか釣りというより、漁師のようでもありました。
小生にとって数釣りの記録です。

ところが、昨夕行ってみましたが、うってかわって釣れません。
暗くなって少し釣れましたが、明るいうちは全くです。イカがいなくなったような感じさえ。
爆釣の翌日はボウズというのはよくありますが、自然というのは不思議なもんです。だから面白いんでしょうね。

またいつかどこかの海で会いましょう。
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