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永遠に、幸せになりたい。    by gorosuke

真夜中、いいおっさんが独り海に向かって延々と竿を振る。
アホだな。でもこのアホ、幸せなんだよなあ。

2010年初アオリ釣り            9月15日

2010-09-17 | アオリイカ
今年は晩春から初夏にかけて、大阪、伊丹、神戸、京都と関西方面の展覧会が続き、まともな釣りが出来なかった。
9月はじめにも甲府で展覧会があり、今やっとそれも終わり一息ついたところ。

さて、アオリイカの季節である。
昨年のイカは全般的に不調であったが今年はどうだろう。
いても立ってもいられず、竿を担いで朝早くから出かけた。
とにかく海を見たかった。海の様子を知りたかった。
もう胸はハゲシクときめくのであった。

先ずは、昨年出会ったポイント。
しかし、ここは北からの向かい風強く、波も荒れて釣りにならない。
波しぶきが降りかかり、長靴の中もすぐに水浸しである。
すぐに諦め、磯の反対側、波裏のポイントへ移動。

波は静かになったとはいえ、時々足元をさらう。
しかし、釣りが出来る状況はここしかなかった。

ともかく、前方オープンな海に向かい、強い追い風に乗せてフルキャスト。
3号エギが遥か遠くまで飛んでいく。
エギを沈ませ、二段シャクリ。
嗚呼、この感じ、イカ釣りなのである。

始めは寄って来るイカもなく釣れる気配はなかったが
暫くすると、突然何かが引っ掛かった。
水の入ったナイロン袋が引っ掛かったような、いや違う、グーン、グーンと引っ張る生体反応、ジェット噴射の引きである。
これは紛れもなくアオリイカなんである。

胴長13センチ、小さいがこの時期にしてはまあままサイズか。
ともあれ、今年の初アオリなのであった。



その後、暫くしてまた掛かった。
新子のくせに深いところ。



表層や中層を狙ってみるがまずかからない。どうやら活性は高くないようだった。
でも底を狙ってやっているとそのうち、また掛かる。
どうやら今日のキーワードは「ボトム」であるらしい。



サイズは12~3センチ。



そのようにぽつり、ぽつりと7~8杯釣れたところで、全くあたりは消えてしまった。
時計を見ると10時を過ぎたところ。

暫し休憩、磯に座って煙草に火をつける。
空は晴れ上がり、水平線の上にたなびく雲が綺麗であった。
低いところに夏の綿雲が並んでぽっかり浮かび、高いところに秋の絹雲である。






さて、どうするか。
当然、まだ帰る気にはなれなかった。

初イカは釣れたが、なんかしっくりとこないものがあった。
なにか偶然掛かったようで、釣ったという感じがしないのである。

イカのアタリ、合わせ、掛けるということ、その時の感触、
これまで幾度も経験したはずなのに・・・・忘れている。
いや、イカ釣りがまだしっくりと来ていないだけなのかもしれない。
イカ釣りをわが身体に蘇らせたかった。

場所を移動、最初のポイントに行ってみた。
予報では午後には波は収まるといっていたが、依然波は荒れ、向かい風も強かった。
まるで釣れる気配なし。

で、再び、元の場所へ戻る。
全く違う場所へ移動しようかとも考えたが、どこも状況は同じだろうし、
ここよりいい場所を思いつかなかった。
それに、根拠はないが午後に時合いがきっと来るだろうという強い予感があった。
ここで一日粘ってみようと腹を決めた。

しかし、当分釣れそうな気配はない。
時刻は昼前、腹が減ってきたし、のども乾いた。

道具をそこに置いて、近くの集落まで行ってみるが、やはり食堂なんてものはなく
かろうじて小さな食料品店を見つけ、頭脳パンと1リットルのジュースを買い込んだ。

釣り場に戻り、頭脳パンをかじり、ジュースで喉に流し込んだ。
腹が膨れると眠くなる。
磯の平らなところを探し大の字になった。
海の風と秋の日差しが心地よかった。

何かの気配に驚き目が覚めた。
夢を見ていたのだろう、周囲には誰も何にもいなかった。
日に焼け真っ赤になった腕がヒリヒリする。
空はいつしか薄曇りになり、風も少し冷たくなったようだった。
時計を見ると2時前だった。

さて、釣り再開である。
幾分か波も収まったようであった。
前方斜め右に突き出した磯があり、その左側近くで潮の流れが変化していた。
そこを狙って、その向こうへフルキャストする。
エギが底まで沈むのをじっと待つ。カウント20~25くらい。
アオリーQは1メートル沈下するのにおよそ3秒だから、7~8メートルの深さか。

沈む間、アオリイカを釣るというのはどんな感じだったか思い出す。
基本の二段シャクリ、或は連続ジャークによるジグザグスライド、たるみを利用したスラックジャーク、
シャクルとエギがどんな動きをするのか、その時、イカはどんな反応をするのか、それをイメージしてみる。

エギが底に着いたのを確認し、先ずは2段シャクリ、そして数回連続ジャークでエギを左右にスライドさせ再びフォール。
そのやり方でやってみることに。エギの動きとイカの姿、反応をリアルに想像しながらである。
時々、藻に掛かるが、気にしない。
何度目かのフォールで、そっとラインが張り、竿先が少し引っ張られているような微妙な感触、すかさず合わせる。
乗った。グーン、グーンの引きに、竿先がグン、グンとしなる。



同じ方向、同じ距離にキャスト。
やはり底付近でヒット。妙に重くて変な手応え。
上げてみると胴に掛かっていた。こんなこと初めてだ。



次のキャストでまた掛かる。
こいつはフォール中にあからさまにエギに抱きつき、ハゲシク持って逃げた。
こんなに元気のいいアタリは今日初めてであった。
サイズも少し大きくなって来た。15センチ弱。
やはり、遠くの底で掛かるやつはサイズも大きめだし、これこそイカ釣りの醍醐味なんである。



次のキャスト、またまた掛かる。
こいつは触腕一本、あぶねえ、あぶねえ。




その後も









と続き、入れ食い状態は4時過ぎまで続いたのだった。
アオリイカのこんなバクハツは久しぶりである。
なんだか、楽しさと嬉しさが手を取り合ってダンスを踊っているようであった。

4時半を過ぎるとアタリは静かに収まっていった。

暫し休憩。残っていた頭脳パンをかじり、またジュースを流し込む。
日は傾き、辺は夕方の空気が立ちこめている。
場所を15メートルほど移動し、方向を変えてキャストする。
風も波も穏やかになった海面をよく見ると、筋になって光る潮目が出来ている。
そこを狙う。
やはり底である。遠くの底。
でかいやつはそこにいる。

底まで落とし、しゃくる。落とす。またしゃくる。
ラインが何かを感知する。
少し待つ。そして軽くしゃくるように合わせると乗った。
そいつは重かった。10月に釣れるような手応え。遠くの底から徐々に上がって来る。
バラさないように慎重に巻き上げる。竿先がグーン、グンとしなる。
これだよな。やっぱ。
胴長16センチ。今日最大である。



次のキャスト、やはり潮目の下辺り。
ゴッと乗った。
こいつも16センチ。



また入れ食いかと思うが違った。アタリは止まった。

で、元の釣り座へ。
光量が落ちて来たのでエギをオレンジに替え
その釣り座から先程の潮目へフルキャスト。先程とは角度が違うのだ。

二段シャクリと連続ショートジャークを織り交ぜながらのしゃくりであるが、
ちょっと右腕の筋肉に違和感を感じる。
いきなり一日中のしゃくりで右腕が悲鳴を上げているのだ。
もうそろそろだなと頭は思うが、身体がいうことをきかない。止まらない。困ったもんだ。

エギがフォールするのを待っていると、激しく引ったくった。すかさず合わせる。二度目の激しいアタリである。
こいつも15センチオーバー。



その直後、着水後のフォールで。



それからアタリも止まり、オレンジのエギを根掛かりでロストしたのを機に帰ることに。
5時半だった。
あたりはまだ明るかったが身体がもう十分だと言っていた。

なんだか、朝から夕方まで、全身丸ごとイカ釣りであった。
この一日で随分と日に焼けちまったぜ。

午後まで粘ったのは正解だったな。
お陰でイカ釣りというのが確かに身体に蘇って来た。
それが楽しく嬉しかった。


釣果は40杯。その殆どは午後2時から4時の間の釣果だった。
今年はひょっとしてイカの当たり年かも知れない。
楽しみはこれからだ。うっは。


待っていたぞ、18センチ       10月16日

2009-10-17 | アオリイカ
11日ぶりのイカ釣りである。

イカが大きくなるのを待っていたということもあるが。
仕事がうまく進まず悶々として釣りに出る気にならなかった。
やはり仕事の切りをつけて行く釣りがスッキリとして気分がいい。

ポイントは前回と同じ磯。今回は独りの釣りである。
現場に付いたのは朝の8時半過ぎ。波は1メートル弱、丁度いい。
風も緩い斜め後ろからの追い風、状況は申し分なかった。

エギは始めから3.5号。もう小さいのはいい、でかいのを狙おうと。

3.5号で遠くの底、20センチを狙うという釣りが一番好きである。
もうそろそろそんな釣りが出来るのではないかと。
エギをフルキャスト、前方の浮き根の際あたり、深いところを狙ってみる。
前回はこのあたりが一番アタリが良かった。
しかし30分、アタリはとんとなかった。

前回と違い、足元でエギに寄ってくる小さいやつはいなかった。
ひょっとしてイカはいないのか、と少し不安になる。

で、前回アタリのなかった左手の浮き根の際を狙ってみる。やはり深いところ。
するとグッと重さが乗った。
前回の最大サイズ15センチだった。



そして、数投後また掛かる。
やはり15センチ。
ふむ、いない訳でもないらしい。



入れ食いじゃないが、ぼちぼちかかる。



3.5号が利いたのか、みんな15センチクラスだ。



暫くアタリは途絶え、こんなものかと思っていると、また掛かる。
アタリが途絶えるとエギを替える。するとまた掛かる。
色のことがよく分からない。
この状況ではこの色というのがあるらしいが、そんなことより、替えることに意味がありそうだ。



今日のパターンは左手だが、右手の磯際も



こいつは少しサイズアップ。



今期はいきなり強くしゃくるのをやめたせいか、ゲソを釣ることがなくなったし、
フォールもゆっくり待つ感じなので、触手一本で掛かるということも少なくなった。と思っていると
あんらら~~



昼に満潮で潮は止まりアタリもなくなった。
暫し休憩。磯に座り、握り飯を頬張った。
いい天気だった。
ウミウのつがいが海面低く飛んでいく。
空も海も青々として水平線の上に夏の綿雲がぽっかりと浮かんでいる。
嗚呼、能登の海はなんて豊かで美しいのだ。
と改めて思う。

さて、午後の部。
潮が下がり始めた2時頃からまたぼつぼつ掛かり始めた。
サイズは同じ15センチ前後。
しかし、エギを茶色系に替えて一投目、遠目の底で根がかった、と思ったがそうではない。
引くと鈍く動いた。一際重い。生命反応、藻の塊ではない。グウングウンと竿先がしなる。バレるなよ。
慎重に抜き上げる。
そして計ってみた。
おお!!18センチ。今季初のこのサイズである。



その数投後、風に膨らんだラインがスッと張った。すかさず合わせる。乗った。また重いやつ。



このサイズの群れが来ているのだと俄にコーフンするが、そのサイズはそれで終わりだった。

ここで先日猫のアーサーに穂先を折られ、トップガイドを取り寄せてもらい、自分で修理したロッドを使ってみることに。
4センチ短くなったロッドはさぞ堅いガチンコになっているだろうと思いきや、案外そうでもなかった。
確かに堅くはなっていたが、3.5号や4号を扱うにはかえっていい張りかもしれない。
問題なく釣れる。



しかし、2匹目を釣り上げ、その後激しい二段シャクリをした拍子に修理した穂先がポッキリ折れちまった。
おおぅ・・・・・・
ロッドは力のかかるバランスを考えてガイドを取り付けてある。
そのバランスが壊れてしまったら弱いところに力が集中し折れることになる。
やはり、メーカーに修理に出さねば駄目らしい。とほほほ。

また、始めのロッドで再開。
しかし、その後はアタリはパタリと止んでしまった。

そう言えば前回も、午後遅くなってアタリは止まったのだ。
なんだか、粘るのも辛い感じになったので
場所を変えてみることに。

同じ磯だが、その先端である。
前回もやってみたかったが、波を被っていて入れなかった。
今回は前回よりもましだが、やはり軽く波を被っていた。
先端の岩はもろに波に洗われ乗れなかったので、手前からキャストしてみた。
ここも波でズボンの裾は濡れ鼠になったが、試しに数投やってみるだけやってみようと。
複雑に入り組んだ磯で、きわめて魅惑的な雰囲気があった。

エギは波に翻弄され、うまく動かせなかったが、それでも3投目、グンンときた。
幾分浅めなのでてっきり根がかりと思ったが、イカだった。
寄せ波に乗せて磯に引きずり上げてみると18センチだった。



やはりここはいるのだ。
と思ったが、油断するとクーラーボックスも流されてしまいそうなので、
次回を期して引き上げた。

こうして写真を羅列していると、さぞ爆釣したように見えるが
実はそうではない。

釣果は午前中15杯、午後15杯の30杯。1日かかっての、ほんとぼつぼつなのである。


10日前に比べれば、全体的にサイズは一回り上がった。
足元に寄ってくる小さいやつの姿はなかったが、
時折、遠くからエギを追いかけてくるやつがいて、そいつはサイズもまあまあで、
追いかけて来た焦りとコーフンでエギを少しステイさせるとすぐに抱きついて来た。


いや、のんびりと楽しい釣りであった。


イカ釣りは遅ればせながら、いよいよ本番になって来た。

がしかし、である。
展覧会も迫り、そうそうは行ってられんだろうなあ~。
がっくし。




18センチ2杯、17センチ1杯、後は15センチ前後。


ロッド オリムピック、カラマレッティ 862MH
リール;ダイワセルテート2506
ライン;ラバラ、チタニウムブレイド0.8号(19LB)
リーダー;フロロ3号
エギ;アオリーQ3.5号、エギ王Q3.5号、色様々。




夕日のイカ釣り         10月 5日

2009-10-07 | アオリイカ
いや、久しぶりの更新である。

最後のメバル釣りに出かけ、釣り場で落下し足を負傷したのは7月18日だった。
その後、歩けるようになるまで一ヶ月かかってしまった。

夏はキジハタを狙おうと企んでいたが、ままならず、歩けるようになって、
さてイカ釣りだと出かけてみれば、アオリクンの成長は遅く驚くほど小さい。
例年より3週間くらいは遅れている。
今年は長梅雨で夏の海水温が上がらなかったらしいが、原因はそれだけではないだろう。
今年は春のスズキもメバルも全般に不調だった。
まあ、そんな年もあるのだろう。
テンションは盛り下がり、暫くは釣りに出かける気もしなかった。

だが、10月に入った日、空は見事に晴れ渡り、この秋晴れにはいかんとも抗し難く、午後遅く釣りに出た。

小さいのしか釣れないと皆が言うが、人のあまり行かないであろう磯ならばどうだろう、可能性はある。
と、これまで行ったことのない磯を考えた。
ボウズ逃れの磯。
昨年出会ったメバルのポイントだが、イカ釣りはやったことはなかった。
メバルとアオリイカは棲息条件が似通っているためポイントも重なることが多い。
釣れないはずはない。

前方に浮き根が点在し、深くもないが、浅くもない。秋の新子には丁度いい深さ。風も追い風、空は青い。
俄にテンションが上がってくる。
それでなくても初めてのポイントはワクワクするんである。

一投目、エギを引き寄せ足元でステイさせてみると早速数匹の小さいイカが寄って来た。
予想通りイカはいる。ますますテンション盛り上がる。
二投目、浮き根の近くにフルキャスト。
エギが沈むのを待って連続ダート、そして再び沈ませる。
と、魚信、合わせると根掛かりのような重さが竿に乗った。
グーン、グーンというアオリイカ特有の引きが伝わる。
うむ、これだよなあ、イカ釣りの楽しさは。
上がって来たのは今年初の胴長15センチだった。



例年ならば、20センチが釣れてもいい頃だが、今年にすればいいサイズだろう。

爆釣ではないが、方向を変えぼちぼち掛かる。
みんな15センチクラス。これが嬉しい。

日が傾き始めて、一際重いやつが。
今日の最大であった。




夕日というやつは何度見ても飽きることはない。




日が落ちた後の空も格別だった。





15センチ前後7杯。大した釣果ではなかったが、イカ釣りの楽しさを思い出させてくれた日であったし、
なにより今後のイカ釣りへの期待をつなぐことが出来た。
いい日であった。



その四日後、10月5日。
羽咋の釣り友O君から連絡が入った。
羽咋はイカが本当に不調らしく、こちらで釣りたいと言う。
なんでも2歳の息子がイカの刺身が大好きらしく、食わせてやりたいのだと。

釣れるかどうか自信はなかったが、前回の釣りで少しは釣れたこともあって、なんとかなるだろう息子に食わせるくらいは、と、朝から二人して出かけた。

まずは前回のボウズ逃れの磯へ。
行ってみると予想外に海は荒れていた。1.5メートル、磯の先端に立ってキャストをしていると背中から波を被ってしまった。
荒れているせいとは思わないが(荒れても釣れるときは釣れるのだ)
何故かアタリは全くなく、4日前とは世界が違っていた。
早々に移動することに。

さて、何処へ。

メバルの本命ポイントへ行ってみることに。
ここでもイカ釣りはしたことはないが、
そういえば昨秋の窯焚きの折り、師匠つーさんがちかおさんともちゃんを引き連れ、ここで釣って来たことがある。
期待は出来る。


その途中、O君が以前イカを釣ったことがあるというポイントに立ち寄りやってみる。
が、ここも全くアタリはない。O君が2杯釣り上げたものの、それっきり。

10時から始めた釣りがもう昼になる。
今日はこんな調子なのか。
O君、折角羽咋から来たというのに・・・
なんだか気分が重くなって来た。

メバル本命ポイントの駐車場の草の上に座り、二人して昼飯の握り飯を頬張った。
いつものメバルの釣り座で先客が三人竿を振っているのが見える。あんらら。
やはりイカも釣れるのだ。

割り込む気は毛頭なく、近くの磯でやることに。
この磯でもデカメバルは釣れたし、複雑に入り組んでいるので、
かえって、波裏の静かなポイントがあるかもしれない。

気を取り直して午後の部である。
磯に行ってみると、案の定、波裏の比較的静かなポイントが1つだけあった。
他は波を被って入れそうもない。

早速我々は並んでキャストを始める。
引いてきたエギをステイさせると、イカが数匹寄って来た。
「いるいる!!期待できそうだな」と声をかけた。
O君も笑って頷く。

数投目、フルキャストしてボトムまで沈め、2段シャクリで大きくエギを跳ね上げ、小さく連続ダート、そして再び沈める。と、ゴッと乗った。
竿先が曲がる。グーン、グーンの手応え。よし!!案外の重さ。
14センチだった。




今年は新しいしゃくりを模索中である。
昨年までは基本2段シャクリでやっていたが、今年はちょっと新しいシャクリに挑戦してみようと。
所謂HPSJである。これはハイピッチ、ショートジャークとも読めるし、ハイピッチ、スラックジャークとも読めるが、ともあれこいつである。

細かい連続のシャクリでエギを左右に、ジグザグにダートさせるのである。
ハイピッチと言っても、あまり速くしゃくり過ぎると、エギは前にダートするばかりで左右にスライドしてくれない。
パン、パン、パンのリズム、一秒に2回、或はもう少し遅いくらいか。
加えて、ラインのたるみを利用してカウンター気味にエギをキビキビと動かす。
大きい2段シャクリと小さい連続ダートを組み合わせてどんなシャクリがいいのか。
エギに近寄るイカたちの姿、動きをイメージしながらいろんなパターンをやってみる。

シャクリは同じやり方をやっても人によって違ってくる。
人それぞれ感覚も肉体も違うからだ。
是非、小生独自の、イカたちを魅了し狂わせるシャクリを発見したいものである。


次のキャスト、着水後のフォールで抱いて来た。
うっは、調子いいぞ。



その次も深いところで抱いて来た。
みんなまあまあのサイズ、なんとかイカの重さと引きは味わえる。



見るとO君の竿からもイカがぶら下がっている。
「入れ食いですね。」とO君が笑う。
どうやらこのポイントは正解だったようだ。



しかし、入れ食いは続かない。
小さい群れがところどころにいるのだろう。
続けて釣れたかと思うとアタリが途絶え、粘っているうちにまた当たるという具合だったが、
午前中の釣りに比べれば、もう天国であり、楽しい釣りであった。


遠くにキャストし、引いてくると足元の小さいやつがエギに寄ってくるが、それとは違う大きめのやつが少し離れた位置、或は少し深いところにステイして、じっとエギを狙っていることが度々ある。エギを追っかけて来たやつだ。
そんな時はサイトフィッシュングを試みる。
小さいやつはエギに寄ったり離れたりで忙しく、相手をするのも面倒なのだが、離れた位置から狙っているやつはエギを一段深いところに落としたりして誘ってみると、すーっと寄って来て案外すんなりと抱きついてくれるのである。



でも、基本的にサイトでの釣りは好きではない。
出来るだけでかいやつを狙って、ひたすら遠くへフルキャストし、底をとる釣りである。
時には表層や中層を狙ってみたが、やはり底でのヒットが多かった。
エギは3.5号でも釣れないことはなかったが、
まだ今のサイズでは3号がベストのようだ。

時々O君の様子を見やると、流石O君、コンスタントに釣り上げている。
息子さんに食わせるくらいのイカは十分確保できただろう。
ああ、よかった。

夕暮れ近くになって全くアタリは途絶えてしまったが、海も夕日も美しく、いつまでも釣りを続けたい気分であった。



しかし、今日の予報は曇り空、こんな夕日を拝めるとは幸運であった。



「人生の得」というのはまさにこれである。



O君、とても楽しかったと満面の笑顔で帰って行った。
彼はスズキ釣りの猛者であるが、27歳とまだ若くその童顔は少年のままである。


釣果は20杯をキープ。
最大は15センチ。前回と同じようなサイズだが、ここの方が数は多い。
エギ3.5号で胴長20センチを狙う釣りが一番好きだが、まだ先のようである。



明くる日、O君から連絡あり。
彼の釣果は38杯だったとか。
うーむ、完敗、流石である。
しかしだ、サイズは勝ったかも。と負け惜しみを言っておく。
どのみち、大したサイズじゃないが。
むっはっは。