先日、池上彰さんの番組でも解説がありました。
日本人いや世界中で関心が高まっている福島の原発事故。
そして放射能汚染の恐怖。
愛読するメルマガ『経済ニュースゼミ』さまが
以下のサイトからの抜粋を紹介しておりました。
子ども向けの解説サイトだそうで
とってもわかりやすかったので
転載させていただきます。↓↓↓
「放射線ってどんなもの?」
http://www.nuketext.org/kids/radioactivity/01radioactivity1.html
「よくわかる原子力 キッズページ」
http://www.nuketext.org/indexkids.html
■放射線ってどんなもの?
放射線とはとても大きなエネルギーをもった、ちいさなちいさなつぶ
の流れで、生き物の身体をかんたんにつきぬけてしまうので、これを感
じることができないのです。
■放射線にはどんな種類があるの?
・エックス線
ウイルヘルム・コンラート・レントゲン博士は実験しているときに、
自分の手の骨の影が紙の上にうつっていることに気づきました。これが
エックス線の発見です。博士は「身体をとおりぬけるふしぎな線」とい
う意味でエックス線と名付けました。
日本は世界で一番エックス線検査の回数が多いそうです。このため
がんなどがふえるといわれています。 これを医療被ばくといいます。
・ガンマ線
ガンマ線の性質はエックス線とほとんど同じです。これは光の速さで
とぶ光のつぶで、原子核がこわれるときにとびだしてきます。目に見える光とちがうところは、エックス線と同じように身体や木や紙などをとおりぬけることです。身体をとおりぬける性質を利用して医療の検査に
使ったり、細胞を殺す性質を利用してがんの治療 ちりょう にも使われ
ます。
ガンマ線はあついコンクリートや鉛などはとおりぬけることができないので、これらはガンマ線を防ぐふせぐために使われます。
・ベーター線
これはとてもはやい速度でとぶ電子で、やはり原子核がこわれるとき
にとび出してきます。マイナスの電気をおびていますが、アルファ線よ
りもずっと小さいのでこれよりは長くとべます。体の中では数ミリメー
トルから数十ミリメートルとぶだけですが、そのとおり道にある細胞を
きずつけるのはエックス線やガンマ線と同じです。
・アルファ線
アルファ線ははだかのヘリウムの原子核そのものです。これもプルト
ニウムのように大きな原子核がこわれるときにものすごいいきおいでと
び出します。図のように二つの中性子と陽子からできています。つぶが
大きく、プラスの電気をおびているため遠くにとぶことができないので、
ふだんはあまり心配はありません。
でも、プルトニウムのようにアルファ線を出す物質がいちど体の中に
入ると近くにある細胞をきずつけます。このように体の中から放射線を
あびることを内部被ばくといいます。細胞がきずつくとガンなどの原因
になります。
・中性子線
中性子のつぶがはやいスピードでとぶ線です。原子力発電所の原子炉
や原爆のような核兵器に使われる原子の原子核がこわれるときにとび出
してきます。
1999年9月30日、原子力発電に使う核燃料を作っていた会社で起きた
JCO事故のとき、工場ではたらいていた二人はこの中性子線をたくさ
んあびてなくなりました。
名前があらわすように中性で電気をおびていませんから体の中をたや
すくとおりぬけ、細胞をきずつけます。その害はエックス線やガンマ線
よりも5倍から20倍高くなります。
アルファ線が細胞をきずつける力は、同じ量のエックス線やガンマ線
の20倍くらいあります。
■放射線と放射性物質とはどう違うの?
放射能は放射線を出す能力という意味です。放射性物質は自然に壊れ
ながら放射線を出す物質で、放射能ともいわれます。
■半減期って何のこと?
放射性物質は自然に放射線を出しながらこわれ、ほかの物質に変わっ
てゆきます。もとの物質の量が半分になるまでの時間を半減期といいま
す。半減期は放射性物質の種類によって違います。
例えば原子力発電の燃料になる燃えるウランの半減期は約7億年、原
爆の原料になる
プルトニウムの半減期は24,000年、
1986年に起きたチェルノブイリ原子力発電所事故の時に世界中にばら
まかれたセシウムの半減期は30年などです。ということはチェルノブイ
リ事故が原因でがんになる人がまだまだたくさんでてくるということで
す。
■外部被ばくと内部被ばく
放射線を身体の外からあびることを外部被ばく といい、放射性物質を
身体の中に取り込んでしまい内側から放射線を浴びることを内部被ばく
といいます。
外部被ばくで危険な放射線は、図に示すように、エックス線、ガンマ線、
中性子線、です。
(a)
ベーター線は服を着ていればそれ程心配はないでしょう。
アルファ線のように遠くに飛べない放射線でも、アルファ線を出す放
射性物質が身体の中に入ってしまうと、すぐまわりには細胞がたくさん
ありますから、細胞は傷つけられます(内部被ばく)。その程度はエック
ス線やガンマ線の20倍にもなります。
■放射線を浴びるとどうなるの?
放射線を浴びることを被ばくするといいます。放射線は人間だけでな
く植物、動物、生きているもの全てに害を与えます。その害の程度は放
射線の量によって全くちがいます。
せっかく放射線の量をはかる単位をおぼえたのですから、どの位の量
の放射線で何がおきるのかみてみましょう。
ここでミリシーベルト( mSv ) という単位がでてきますが、これは
1000分の1シーベルト( Sv )のことです。
(b)
6000から7000ミリシーベルトを100人が一度にあびると、その中で生き
残る人は1人か、または0人です。半分の人が死ぬ量は3000から4000シ
ーベルトといわれています。血をはいたり、髪の毛がぬけたり、血便け
つべんが出たりの症状やそのていどは、あびた線量が多くなればそれに
したがってひどくなります。
■急性障害
広島と長崎に落とされた原子爆弾でたくさんの人が亡くなったのを知
っていますね? また、現在のウクライナで1986年に起きたチェルノブ
イリ原子力発電所事故でおおくの人が死にましたし、1999年日本の東海
村で起きたJCO事故でも一度にたくさんの放射線をあびた二人が亡く
なりました。
JCO事故で亡くなった方は、も被ばくしてすぐには何も変わった様
子はみられませんでした。しかし、しばらくたつと髪の毛が抜け、皮膚
がむけ落ち、はぐきや胃や腸から出血して血の便がでて、皮下に出血が
おきて紫色の斑点はんてん(紫斑という)ができ、細菌が感染すると、
なおりませんでした。このような症状をしめしておおくの人は1ヵ月か
ら3ヵ月以内に死亡します。これを急性障害と言います。
死亡するほどに多くの放射線を浴びなかった場合にも、あびた線量に
おうじて吐いたり、熱がでたり、下痢をしたりなどさまざまな症状があ
らわれます。これらの症状は時間がたつと治る人もいます。
また、被ばくの影響が子供や孫に伝わることがあり、これを遺伝的影
響といいます。このことも被ばく者にとっては大きな悩みになります。
■晩発障害
少しの放射線とはどの位の量をさすのでしょうか?これは専門家の間
でも長い間意見は一致しませんでしたし、今でもそれほどキッチリと決
められているわけではありません。2006年にアメリカの科学アカデミー
から出された報告書では「100ミリシーベルト以下を低線量という」と提
案され多くはこれにしたがっています。
■放射線と細胞・DNA
人が全身にエックス線やガンマ線を1ミリシーベルト被ばくするという
ことはどういうことなのでしょうか?
全身に 1ミリシーベルト被ばくするということは、身体の全ての細胞
の核に放射線が平均して1本通ったことになります。
(c)
b図にあるように6,000から7,000ミリシーベルト以上を一度
にあびるとその中で生き残る人はほとんどいません。これはその人の全身
の細胞の核に放射線が6,000本から7,000本以上通った事になり、この後で
説明するように身体の設計図であるDNAがずたずたに切れてしまい、細胞
が増えることができないからです。半分の人が死ぬ量は3,000から4,000ミ
リシーベルトといわれ、細胞の核に放射線が3,000本から4,000本通ったこ
とになります。
放射線による傷害は他の病気とちがい治療して治るというものではあ
りません。なぜでしょう? それは身体の設計図=DNAがこわれてしま
い、新しく細胞が生まれないからです。人の皮膚を例にして考えてみまし
ょう。
皮膚からは毎日古くなった細胞がアカとなってはげ落ちています。それ
でも皮がむけてしまわないのは、その下から新しい細胞が増えてきて死ん
だものをおぎなうからです。皮膚にかぎらず身体を作っている細胞には寿
命があって、古くなると死に、死んだ細胞が新しく増えた細胞に交代しま
す。細胞が新しくふえるためには、細胞のなかの生物の設計図にあたる
DNAが、右上の図のようにそっくりにコピーされるしくみが必要です。
これは胃や腸や血液などいろいろな臓器で行われていて身体はいつも同じ
ような状態にたもたれています。
(d)
放射線は上図のようにDNAを切断してしまいます。少しの放射線な
らば、DNAの傷はあるていど自動的に修理されて、細胞は正常にもど
ることもできます。
しかし、たくさんの放射線を浴びるとDNAがずたずたにこわれてし
まい、DNAを正常に修理することができません。細胞が増えるために
必要な情報が失われたり、修理ミスが起こったりして、細胞は増えるこ
とができません。そのため死んだ細胞を新しい細胞がおぎなう事ができ
なくなります。
そうなるとどうでしょう? 皮膚や腸の表面はあかむけになり、そこか
ら大量の血液が流れだしてとまりません。
血液の細胞を作る骨髄でも細胞が増えませんから、細菌と闘う白血球
や血を止める働きをする血小板もできなくなり、細菌による感染が起き
たり、大量に出血したりして死亡します。
このような変化が、放射線を浴びてから短い時間の内に起こる急性障
害の正体です。