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えすみの日記

ふつーの主婦ですが、日本の未来を真剣に考えたい!

民主党の大罪について4

2010-12-22 00:07:35 | 政治について
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ダメージは10年後に出る
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それがどれくらい日本の損失になるか、がんワクチン研究について考えればよくわかる。
内閣府に首相直轄の総合科学技術会議という組織がある。'01年の省庁再編の際に作られたもので、その年にどういう科学政策に重点を置くかを決める重要な会議だ。
会議のメンバーには議長を務める
菅総理の母校・宇部高校の先輩にあたる京都大学客員教授の 本庶佑氏 や、これまた
菅氏の母校・東京工業大学の 相澤益男元学長 が入っており、
菅氏は「お仲間」に任せきりという批判もある。
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その「お仲間」たちが行った「平成23年度概算要求における科学・技術関係施策の優先度判定」で、
がんワクチン 研究 は 4段階評価で 最低の評価 だった。
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今年4月にアメリカで初めて承認された『プロべンジ』というがんワクチンは、アメリカ国内だけで年間1500億円の売り上げが見込まれます。特許は最低10年は有効ですから、やがて世界で承認されれば、この新薬だけで5兆円程度の売り上げになる計算です。だから各国とも 新薬の特許 を取るのに必死。
日本でがんワクチンの治験を行っているのは一社だけですが、
この会社には フランスやカナダ、シンガポール政府 が補助金を出して、
自国で特許を持とうとしている。
それに比べて、日本では 
総理のお膝元の 総合科学技術会議 が、
総理のお膝元の 総合科学技術会議 が、
総理のお膝元の 総合科学技術会議 が、
こういう最先端治療を評価せず、
自分たちの研究分野を優先課題にしているのです。
自分たちの研究分野を優先課題にしているのです。
自分たちの研究分野を優先課題にしているのです。
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言うまでもないが、日々の研究を繰り返すことでしか科学技術の進歩は得られない。
民主党政権
民主党政権
民主党政権
が誕生して1年3ヵ月余り、
この間の科学技術分野の停滞は、 後々まで 大きな禍根を残すだろう。
この間の科学技術分野の停滞は、 後々まで 大きな禍根を残すだろう。
この間の科学技術分野の停滞は、 後々まで 大きな禍根を残すだろう。
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スーパーコンピュータでがんの新薬を開発している東京大学先端科学技術研究センターの児玉龍彦教授はこう危惧する。
我々がスパコンを使って開発に取り組んでいる、副作用の小さい第3世代の抗体医薬品は、10年後くらいに医薬品として完成するでしょう。
だから、スパコンの予算を削っても、日本が世界のトップグループにあるこの分野に、すぐには影響は出ません。
本当に大きなダメージが見えてくるのは10年後くらいからです。
本当に大きなダメージが見えてくるのは10年後くらいからです。
本当に大きなダメージが見えてくるのは10年後くらいからです。
10年後、民主党という政党は消滅しているかもしれない。
しかし、「日本の理系」を殺そうとした罪が消え
しかし、「日本の理系」を殺そうとした罪が消えることはない。
しかし、「日本の理系」を殺そうとした罪が消えることはない。
しかし、「日本の理系」を殺そうとした罪が消えることはない。
by PYON

民主党の大罪について3

2010-12-22 00:06:50 | 政治について
民主党が考えるのはあくまで 目先の政権維持 のための 人気取り だけ。
それが象徴的に表れたのが、小惑星探査機「はやぶさ」を巡るエピソードだ。
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はやぶさの偉業発表から2日後の11月18日、第3弾の事業仕分けで、JAXA予算の再仕分けが行われた。

世論の「はやぶさ」支持を前に、
枝野氏らはこれまでの舌鋒の鋭さはどこへやら、「宇宙開発の重要性は理解している」などと繰り返すばかりだった。
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ちなみに「はやぶさ」が持ち帰ったイトカワの微粒子は今後、大型放射光施設「スプリング8」を使って更なる解析作業が行われるが、こちらも
予算削減対象。
世界的に有名な施設にもかかわらず、この夏などは
電気代の節約のため、
稼働を停止せざるを得なかったほど、運営費は逼迫している。
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iPS細胞より地デジ優先…=洗脳装置
iPS細胞より地デジ優先…=洗脳装置
iPS細胞より地デジ優先…=洗脳装置
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菅総理の肝煎りで「元気な日本復活特別枠」という形で政策コンテストを行うことになった。
要するに、 iPS細胞研究 や がんワクチン研究 も、 コンテストで認められないと 予算が削減されてしまうのだ。
常識的に考えて、 日本のキラーコンテンツであるiPS細胞 の研究予算が削られるとは想像しにくいが、この仕組みではそれもあり得るというから驚く。
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民主党の厚労部門会議が政策コンテストに推薦したのは、最低賃金補償、地域の医師確保など バラ撒き型のものばかりです。iPS細胞 や がんワクチン のような、これからの日本の成長戦略に必要なものをまったく理解していません。だから、厚労省の最優先課題にも入りませんでした。
iPS細胞 も がんワクチン も 政策コンテストでは 下から2番目 の評価しか得られなかったのです。

iPS細胞の山中氏、 がんワクチン・ゲノム研究の東大ヒトゲノム解析センター・中村祐輔教授 は、ともにノーベル賞候補。世界の研究者たちは、『あのヤマナカやナカムラがやって
このコンテストでは、先の「はやぶさ2」の開発費約30億円も対象になり、上から2番目のB判定に
地デジ普及のためのチューナー支援はA判定だった。
この結果は来年度予算に反映されるが、世界のトップを競っている研究者たちが、国内のコンテストで敗れるなど、シャレにもならない。

民主党の大罪について2

2010-12-21 23:57:29 | 政治について
★ 『ポスドク』は博士になった『後』、 ドクターは取ったけど、常勤ポストに恵まれていないポストドクター。
仕分けで『縮減』という判定を受けた 『特別研究員事業』 という制度があります。
 ポスドクは、大学の正規研究職や教授職というポストが空くまで、
 研究室で教授たちとともに研究を担う若き研究者たちだ。
 しかし、大学との正規雇用契約がなく、給与の保証すらない。
日本の将来のため、 ポスドクの若者には 月額約36万円 を補助する。
これが「特別研究員事業」の趣旨である。

この制度の縮減に際し、ある 民間の 仕分け人 は、仕分け会場でこう断じた。
普通に大学を出て、なかなか就職が見つからない人間に生活保護を与えるか、というのと同じ
普通に大学を出て、なかなか就職が見つからない人間に生活保護を与えるか、というのと同じ
普通に大学を出て、なかなか就職が見つからない人間に生活保護を与えるか、というのと同じ
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東大の物理を学んでいる学生が、自分たちで若手研究者数百人にアンケートを行っています。
その結果、
『今の状況が続けば、日本には先の見通しがないので、海外へ行く』
と答えた人が圧倒的でしたね。
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その主な流出先は 韓国と 中国でしょう。
スーパーコンピュータの予算が事業仕分けで縮減される話が出た途端、
韓国の研究所などから研究者に『高給を保証するから、ウチに来ないか』という誘いがあったという話も聞きました。

現に韓国は'12年までに政府の研究開発投資額を1.5倍('08年比)にする計画を立てているし、中国でも'06年から'20年までの「国家中長期科学技術発展計画」を立て、国家単位で科学技術振興を行っている。
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民主党の大罪について1

2010-12-21 23:55:43 | 政治について
目をそむけてはいけない。日本の崩壊が始まっています。




月夜のぴよこ と 空耳うさぎさんたち
【拡散依頼】民主党は日本の技術力、理系を消滅させようとしている。
『民主党は「日本の理系」を殺す気か
このままじゃ、日本は2番どころか20番になる』
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/1720
以下抜粋。
スクラップ&ビルドという言葉がありますが、民主党がやっているのはスクラップだけです。
事業仕分けで
科学技術関連予算 をどんどん削って、
浮かせたカネは 子ども手当でバラ撒く。
子ども手当の今年度予算 2兆2500億円 に対して、
『はやぶさ』の製造費は 127億円。
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仕分けを担当した 蓮舫行政刷新担当大臣 や 枝野幸男幹事長代理 は
勉強もしていないし、
勉強もしていないし、
勉強もしていないし、
民主党自体にも
『これからの日本をこうしていく』というビジョンがない。
非常に絶望的な思いです。
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民主党が政権にいるかぎり、
日本の 科学技術 はどんどん世界から取り残されていく。
今この瞬間にも、
新技術開発 と その特許 を巡る
国家間の競争 が行われているのである。
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『科学技術・学術政策について』国立大学法人研究担当理事・副学長協議会(第5回)
文部科学省科学技術・学術政策局  平成22年4月20日
http://ds22.cc.yamaguchi-u.ac.jp/~ken-san/senryaku/kaigi/05.pdf
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民主党政権になって、今年度の科学技術振興費は 27年ぶりに 前年割れ。
科学技術関係予算 も 5兆463億円 から 4兆1770億円 に減った。
また、政府が 全省庁に 一律10%の予算カット を命じたことにより、
来年度の概算要求ではこれが 3兆6360億円 にまで減少(地方分を除く)。
他国が科学技術関係予算を増やすなかにあって、
このままでは科学技術立国・日本は2番どころか20番になってしまう可能性が高い。

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民主党政権には理系の人が多いので、おカネを切り詰めるだけでなく、複雑な補助金制度を見直してくれるんじゃないかという期待もありました。しかし、実際には予算を切ることばかりで残念です。
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はやぶさの感動をいまあらためて振り返る

2010-12-21 23:51:21 | 政治について
いまいちど、はやぶさの偉業を振り返ろう!
以下転載↓


■■ Japan On the Globe(679) ■■ 国際派日本人養成講座 ■■

The Globe Now: 小惑星探索機「はやぶさ」の挑戦

「日本人はもっと自信や希望を持てるんだという力を得る一助になってくれれば、、、」

■転送歓迎■ H22.12.19 ■ 39,010 Copies ■ 3,367,009Views■
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■1.人類初の快挙

「来たーっ」と、カメラを構えていた山口カメラマンが叫んだ。平成22(2010)年6月13日午後11時21分(現地時間)、場所はオーストラリア南東のウーメラ砂漠、日本の3分の1ほどもの面積を持つ航空・宇宙実験場である。360度の真っ平らな大地を覆う夜空は星で埋めつくされている。その北西に現れた小さな光の点が、南東に進み、夜空で大爆発を起こしたように見えた。

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 花火を打ち上げたようなまばゆいばかりの輝きが、砂漠をこうこうと照らした。「おーっ」というどよめきの声があがる。その光はばらばらに散りながら南東へまっすぐに昇り、すーっと天の川の少し手前で消えた。・・・

 バラバラになりながら光跡を残して進んだ「はやぶさ」の先端から、小さな赤い光がひとつだけ、消えずにしっかりと、さらに昇り、南十字星の少し上で消えるのがわかった。「はやぶさ」から分離した「カプセル」だ。
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 平成15(2003)年5月9日に打ち上げられ、7年の歳月をかけて、3億キロ離れた小惑星「イトカワ」に着地し、岩石の微粒子を持ち帰った「はやぶさ」が地球に戻ってきた瞬間だった。

 月以外の天体から物質を持ち帰ったのは、人類初の快挙であった。そしてこれを達成するために、「はやぶさ」はいくつもの人類初の技術的挑戦を乗り越えてきた。


■2.「それ、やってみよう、簡単な方法で安く」

 小惑星から岩石の破片を持ち帰る目的は、約46億年前にできたといわれる太陽系の起源を探ることだった。太陽系ができた当時の岩石は、地球などの大きな惑星の内部では高温により、変成してしまっているが、小さな小惑星なら当時の岩石が変成しないで、そのまま残っている可能性が高い。

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 宇宙研(現:宇宙航空研究開発機構[JAXA]宇宙科学研究所)のいいところは、理学の人もいれば工学の人もいることです。みんなで酒をのんでいるときに、理学の研究者が「小惑星から岩石を採って帰れればものすごく価値があるんだけどなぁ」というと、工学の研究者が「それ、やってみよう、簡単な方法で安く」と考え始める。「はやぶさ」は、そういう空気から生まれたプロジェクトなんです。(的川泰宣・JAXA技術参与・名誉教授)[1,p33]
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 小惑星探索機が「はやぶさ」と名付けられたのは、日本のロケットの父であり、宇宙研の生みの親でもある糸川英夫博士が、戦時中に6千機近くも生産された名戦闘機「隼」の開発にたずさわっていたこと、そして小惑星に舞い降りて岩石のサンプルをサッと掴んで持ち帰る姿が猛禽類のハヤブサのイメージにぴったりだったことからである。

 「はやぶさ」が目指す小惑星は、アメリカのマサチューセッツ工科大学の探査チームが発見したものだったが、「はやぶさ」チームが「イトカワ」と命名して欲しいと依頼したところ、快諾してくれた。

 こうして「はやぶさ」が小惑星「イトカワ」を目指す、という舞台が出来上がった。


■3.東京からサンパウロの体長5ミリの虫を撃つ

 しかし、「イトカワ」までの距離は遠い。3億キロ彼方の500mほどの小惑星をとらえるのは、東京から2万キロ離れたブラジル・サンパウロの体長5ミリの虫に弾丸を命中させるようなものだという。

 さらに「イトカワ」自体が、秒速30キロというスピードで太陽の周りを回っている。これに着地するには、「はやぶさ」自体が同じスピードで近づかなければならない。接近速度が秒速0.1キロ狂ったら、「はやぶさ」は1秒間に100mの猛スピードで「イトカワ」に激突しかねない。

「はやぶさ」は2年もかけて、少しずつ加速して秒速30キロまで加速していく。その推進力となるのがイオン・エンジンである。従来、イオン・エンジンは人工衛星の位置やコースの修正などで、ちょっとだけイオンを噴く形で使われていたが、それを長期間の推進に使うというのは、あまり例がない。

 アメリカのNASA(航空宇宙局)も、1998(平成10)年にイオン・エンジンを搭載した探査機を打ち上げたが、そのイオン・エンジンが不調で目標の速度が得られず、小惑星「ブライユ」に29キロまで接近したが、猛スピードですれ違って1、2枚の写真を撮れただけに終わった。

「はやぶさ」には、宇宙研で15年かけて開発された独自のイオン・エンジンが搭載されている。実験室では4万時間近くの連続運転という世界記録を達成している。


■4.「やった!」

 平成17(2005)年9月、2年半の飛行の後、「はやぶさ」は「イトカワ」に近づき、20キロの位置に静止した。「静止した」と言っても、「イトカワ」から見ればの話で、両者は秒速30キロのスピードで太陽の周りを回っている。

「静止」する直前の「はやぶさ」の速度は、「イトカワ」から見て時速90センチ。このような微速のランデブーに成功したのは、史上初めてのことである。

 その後、何度か、「イトカワ」への降下試験が行われた。「はやぶさ」は、4本のレーザーを「イトカワ」に照射しながら、自分の距離と姿勢を精密に測定する。電波が地球に届くまでに16分もかかるので、管制室の方にいちいちデータを送らせて、細かく指示するわけにはいかない。探査機自身で判断しながら小惑星に降下するのも、世界初の挑戦である。

 この間、「はやぶさ」は1500枚もの写真と、140万点にものぼる観測データを送り続けた。これらも人類初、科学史に残る大成果である。

 1回目の着陸失敗の後、2回目のタッチダウンが11月26日に試みられた。宇宙研のプレスルームには、大勢の報道陣が詰めかけ、歴史的な瞬間を待った。

「32メートル! 31メートル! 30メートル!」「イトカワ」との距離を読み上げる声が響く。7メートルの地点から、「はやぶさ」は秒速4センチの速度でじりじりと近づいていく。

 「はやぶさ」のラッパ状の突出部が地表に触れ、サンプル採集モードに入ったことを知らせてきた。「やった!」 管制室のずらりと並ぶモニターの前で、じっと画面を見つめていた30人の体が揺れるように動いた。誰もが笑顔に包まれている。

「はやぶさ」が「イトカワ」に着陸し、サンプル回収に成功したという人類初の快挙を、世界中のメディアが報道した。トルコ語やアラビア語などの報道機関も、「Hayabusa」の成功を伝えた。宇宙研には世界中から賞賛と感謝のメッセージが殺到した。


■5.「はやぶさ」の危機

「はやぶさ」はすべての仕事を成し遂げて、数キロメートル上空に舞い上がった。そこで問題が起こった。「はやぶさ」には姿勢制御のための12基の化学推進エンジンがついているが、その燃料配管から燃料が漏れ始めたのである。

 管制室のチームは、人類初の快挙を成し遂げた喜びをたった4時間しか味わうことができなかった。「はやぶさ」の姿勢が崩れたために、通信も途切れ途切れとなった。チームは徹夜で、どこがどう故障しているのかを調べるために、「はやぶさ」から各部の情報を送らせた。と言っても、YESかNOかを答えさせる質問を送ると、32分後に返事が来る、というやり方だ。

 11月29日の記者会見では、「燃料漏れや不安定な姿勢の立て直しに時間がかかると、地球への帰還が難しくなる可能性がある」と深刻な事態にあることが明かされた。

「はやぶさ」の姿勢が崩れたために、ソーラーパネルが太陽の方向からずれて電力が低下していった。さらに高感度アンテナが地球の方向からずれて、通信も途絶えた。

「はやぶさ」は無言のまま、宇宙をさまよっていった。


■6.「『はやぶさ』だ! 本モノだ!」

 しかし、それでもチームは希望を捨てなかった。「はやぶさ」は燃料漏れのために不安定な回転を続けていたが、少しずつ安定した回転になるように、重心位置などの設計がしてあった。

 回転が安定すれば、ソーラーパネルが太陽の方向に向いて、充電を始める可能性がある。そしてアンテナが地球を向けば、呼びかけに応じてくれるかもしれない。

 それが何ヶ月後になるのかは分からなかったが、チームは「はやぶさ」への呼びかけを続けた。長野県臼田にある64メートルのパラボラアンテナが3億キロかなたの「はやぶさ」を捉えることができるのは1日に6時間。その間、ずっと「はやぶさ」に呼びかけ続けるコンピュータのプログラムを作って、送信を続けた。

 1日の送信が終わると、チームが交代で、宇宙からの雑音に紛れて「はやぶさ」から電波が届いていないか、コンピュータ・モニターの波形を調べる作業が続いた。

 年が明けて、1月23日、雑音の波の中に、1本だけピッと立った信号が見つかった。「『はやぶさ』だ! 本モノだ!」 行方不明になってから46日目にして、「はやぶさ」は息を吹き返し、目覚めたことを伝えてきたのだ。

 またYESかNOかで、各部の状態を往復30分かけて聞き出す作業が始まった。


■7.執念の帰還

 まず「はやぶさ」があらぬ姿勢で回っていたので、イオン・エンジンの推進剤であるキセノン・ガスを直接噴射させるという想定外の方法を考えついて、姿勢を正す作業にとりかかった。「はやぶさ」自身が判断しながら、噴射の時間やタイミングを操作できるプログラムを作り、送信した。そして、2ヶ月かかって、ようやく姿勢を正すことができた。

 続いて、リチウムイオン電池に充電する作業が始められた。11個中4個の電池が故障していたが、これらが原因で電池全体にトラブルが起こる恐れがある。地上で同じ状態を再現し、どう充電すればよいか、検討する作業が続けられた。

 このような課題解決の作業が1年以上も続いた後、平成19(2007)年4月中旬、ついにイオン・エンジンを点火すること
に成功し、「はやぶさ」は地球への帰還の途についた。しかし、使えるイオン ・エンジンは4基中1基のみ。

 しかし、残るその1基も11月4日、帰還まであと7ヶ月という所で遂に故障して、停まってしまった。ここで、イオン・エンジンの開発者が仕掛けていた裏技を使うことにした。4基のイオン・エンジンは、それぞれ噴射器と中和器のペアからなっているが、別々のエンジンの使えそうな噴射器と中和器を結んで、運転させるのである。起死回生のクロス運転は見事に成功して、「はやぶさ」は再び、地球への帰還の途についた。


■8.「努力」と「根性」

 平成22(2010)年6月13日、「はやぶさ」は地球の大気圏に突入した。空気抵抗による1万度以上の高熱で「はやぶさ」本体は燃え尽きてしまう。

 燃え尽きる寸前に直径40センチ、高さ20センチほどの中華鍋のような形をしたカプセルが押し出される。その中に「イトカワ」から採取したホコリを収めたコーヒーカップほどの容器が収められている。カプセルは高度10キロの位置で、パラシュートを開く。この日のために、チームはカプセルを気球で上げ、上空から着地させる実験を何度もしてきていた。

 カプセルは、着地を予想していた楕円のど真ん中で、ひっくり返った状態で、パラシュートとつながったまま横たわっていた。回収されたカプセルは、相模原市の宇宙科学研究所の中に新設された分析施設に運ばれる。ここでは1ミリの100分の1の大きさの微粒子を拾い上げ、かつ1兆分の1パーセントという微量のガスも分析できるようになっている。

 そのカプセル内に、「イトカワ」由来の物質が1粒でも入っていて欲しい、とチームは願っていた。そして、その中には1500粒もの微粒子が確認され、その組成が地球外の岩石質であることから、「イトカワ」由来のものと断定された。

「はやぶさ」が帰ってきたことを「奇跡だ」という人もいたが、イオン・エンジンの開発を担当した國中均・宇宙研准教授(当時)は、こう語る。

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 うーん、奇跡だとはいいたくないですよね。やっぱり努力でしょうね。努力です。とても「おもしろかった」ので、みんな一生懸命努力したんです。[1,p264]
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「はやぶさ」打ち上げの数年前、イオン・エンジンの開発や試験に取り組んでいた当時は、子どもの保育園の送り迎えをしながらの日々だった。その子どもたちもやがて成人式を迎える。そんな長い間、一生懸命努力したからこそ、とても「おもしろかった」とも言えるのではないか。

 プロジェクト・マネジャーを務めた川口純一郎・宇宙研教授はこう語っている。

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「カプセル」の帰還を迎えた今、このプロジェクトを通じて国民のみなさんが、日本人はもっと自信や希望を持てるんだという力を得る一助になってくれればと願っています。成功は幸運でした。あるところまでは科学や技術の努力でできますが、それより先はどうしようもない領域です。それを乗り切ったのは「根性」だと思っています。[1,283]