どういう状態なら健康といえるのかについて、ルネ・デュボンというフランス人でアメリカに帰化した細菌学者・免疫学者が素晴らしい定義をしています。
それは「外からのストレスにうまく適応できるなら、健康である」です。外からのストレスは無限にあります。細菌の感染を受ける、寒さにあう、暑さにあうといった生理的なもの。いろいろな苦しみや悲しみ、事業の失敗、倒産、人にだまされる、友人に裏切られるといった精神的なもの。とにかく、生きているかぎりストレスの原因はいくらでもあります。問題は、それはうまく対応できるかどうかです。
過度にストレスを受けると、交感神経と副交感神経のバランスがくずれ、体の調子が乱れます。「食欲がない」「疲れやすい」などの症状が出てきます。これを放っておくと、胃潰瘍や狭心症、うつ病などといった、さまざまの病気につながります。
長い人生では、病気、けが、失敗などつぎつぎとストレスの原因が発生し避けることができません。あらわれてくるストレスにどのように適用できるのか。それが、人間が健やかに暮らせるかどうかの大きな鍵の一つです。
