日本一周川下り

カヌーで全国一級河川を中心に川下りをした旅日記。
日本一周の楽しいやり方等、カヌーとは無関係に楽しめるでしょう。

 同 【2003年10月 1日】

2006-12-26 07:10:39 | Weblog
《移動》

 さすが運動公園のそば、早朝から、ジョギングなど運動している人が多い。中に、お声掛けしてこられた方がいて、暫く話す。
 彼はマラソンで、あちらこちらの大会に参加していて、15年もやっておられるそうだ、毎日練習やらないと気が落ち着かないので、雨でも風でもやっているとのこと。今までお見かけした中では、91歳のマラソンランナーにお会いしたそうだ。やはり、世の中にはすごい人がいるものだ。尤も、三浦敬三・雄一郎さん家族のような超猛烈な人もいらっしゃる。人間と言うものは、やれば出来るのだ、「見習わなくっちゃー」の感を強くした。また、今日も一つ勉強になった。この年になってもまだまだ勉強になることが多いものだ。『ありがとうございます。』
 さあ、「北川」へ急ごう。

《北川》

番号 河川名 全長(km) 備考
68 北川 30 不可

 8号線から、27号線へ入り、南下。ちょうど、「北川」にぶっつかる。まだ、小さな川、下流へ下見しながら進む。まだ小さい。小さくポーテージできるけれど、堰が次々とある。水も非常に少ない。ずっと下まで行き、海まで後、4kmほどまで行ってもまだ小さく、水も少ない。これでは話にならない。止めだ。 止めたと決まれば、一段落。朝ご飯でも食べようかと草がぼうぼうの土手へ、車を止め、車内で朝食。その時、雀より少し大きい、尾が長く、色もおおむね茶色一色で、見たことも無い、名前を知らない鳥がすぐ近くへ来て、遊んでいた。そ~っと見ていた、が、暫くしたら遠くへ飛んで行った。何と言う名の鳥だろうか?

 それではと、琵琶湖へ向おうと進む、ここには、名水100選 「瓜割の滝」と「鵜の瀬」が割と近くに、2箇所もあり、27号線から近い「瓜割の瀬」の名水を汲もうと行きはしたが、売店でカードを買わなければならないが、売店はまだ閉まっている。黙って汲んで帰ることはたやすいのだが。富山の名水がまだ十分にあるので、面倒だから、汲むのをのを止めた。
  でも、トイレだけはお借りし、すっきり、落ち着いた。
 昔の「鯖街道」を通って、滋賀県へ入る。この街道、若狭の鯖を京都へ運び、相当ににぎわったらしく、今も、その風情があちこちに残っている。

《安曇川》

 琵琶湖の南東にある「野洲川」を目指していたのだけれど、琵琶湖が見え、西岸を南下していると、一級河川「安曇(あど)川」の看板。
 一つ、下見してみよう。先ずは上流へシフト。161号線に掛かる「新安曇川大橋」の下へ降りた。何と、対岸に鵜の集団、200羽になんなんとする大集団、すごい!
鵜のコロニー
 これほど多い鵜は見たことことが無い。写真にと思い、少しでも近くへと動くと、次々と飛び去り、遠くへ行ってしまった。
川下の鵜のコロニー
 それと、足元には魚の死骸があちこちに、そこら中に、たくさん死んでいる、型は鮎らしくない、すごく、細い・小さい。10cmにも満たない程。おかしいな~?なんでこんなに死骸があるんだろう?毒でも流れたのかなぁ?それなら大ごとだぞ!少し先に、釣り人らしい人がいる、聞いてみよう『どうしたんですか?この魚の死骸は?』 『産卵した鮎の死骸ですよ。』 『でも、細いし、小さいじゃないですか?普通、鮎はこれ位あるでしょう?』と、20cm程の長さを両手指で示す。『ここの鮎は小さいんですよ、これで立派な大人なんですよ!鮭と同じで、鮎も産卵後、死ぬんですよ!』 『え~、驚き、親ですか?これが落ち鮎の姿なんですね。話には聞くけれど、実際に見たのは初めてです。ありがとうございます。』また、今日も二つ賢くなった。『それと、この川、ここから下に堰などカヌーが通りにくい所がありますか?』 『一箇所ヤナがあるけど、もう撤去してるかな?どうか分らないけど、とにかく、ヤナがあるよ!水が少ないから、カヌーには無理じゃないですか?』

 その川原の小さな浅い瀬の所に、水が動いている、見ると鮎がピチピチしている。よ~し、百円の魚網がある、あれですくってやろう。だが、さすが「渓流の女王」、死ぬ前でも元気なやつは、すいすいと逃げる。狭い水路に網を入れ、上から追うと、4匹も入った。こんなことしながら、何とか10匹ほど確保した。漁師に見つかればキットうるさく言うだろから、長居は無用と引き上げた、へっへっへっへだ、今夜は鮎の塩焼きだぞ!
 でも、こんなに死を目前にした鮎、これでも取れば「密漁だ!」と騒ぐのだろうか?この密漁と言う言葉も何だか変な感じがするのだけれど…。こんな確実に死を目前にした鮎、近所の子供たちに取らせて上げたり、一般に開放したり、しても良いのじゃないのだろうか?川の漁業組合もそんなこと考えても良いのじゃないのかなぁ。

 右岸道を下流へ向かって走り、木々の間から、時々、川を見る。音も聞いてみる、大きな瀬の音は聞こえない。ゆっくり流れているだけのようだ。 下流の304号線に掛かる「ふなきおおはし」へ到着。右側が「湖岸緑地 安曇川浜公園地」。環境はグー、よ~し、今夜はここだ。

 川原へ下りると、臭う。くさい!よく見ると、鮎の死骸、累々と、累々と、累々と。何百匹いや何千匹もが固まりになって、転がっている。あそこにも、ここにも。臭い筈だ。うわぁ、ここはすごい、落ち葉のようにあたり一面に鮎の死骸。渓流の女王と言えども、やはり生きていなければ美しいものではない。生き物に限らず、川でも海でも湖でも、野山も生き生きとしていないと美しくは無いのだから。全国ワースト7,8位をキープしている福山の芦田川、やはり死んでるから、いや殺されているから汚くなったのだ。
 環境は今一だが、ここをゴールにしよう、と、公園に自転車を下ろすことにし、晴天だし、時間もあるので公園の屋根のあるベンチで、PCへ打ち込みをしていた。
 そこへ、先ほど川原で、探し物している風情の親子さんが来られて、話になった。50歳代の男性とその父親。珍しい石を探していたのだそうだ。日本一周の旅の話から、彼らは「四国88ヶ所」を7日で周り、今度は歩いて回りたい、そして、『「遍路」ではなくて「ヘンド」で回りたい』と、言われた。『「ヘンド」ってどんな字書くんですか?』 『遍路は自分で金を払って回る。ヘンドは施しだけで回ることです。金を使わない歩き、この前、そんな人と出会いましてね~。』と、言われた。私も今まで、一番から松山の53番までお参りしているけれど、残りを早く、回りたいものだ。

 昼が過ぎたので、草原へ座り込んで昼食。いつもの、きゅうりにマヨネーズと塩をつけ丸かじり、いわしの缶詰、高野豆腐、土鍋のままのご飯、結構豪華?な昼食だぞ!必要十分な栄養と量は十分に満たしている筈だ。ご馳走を沢山食べれば体を壊す元だから・・・。

 さてと、出発準備していると、襟首保護のために、タオルを帽子の下に広げた、私より一寸先輩の男性が、寄って来られ、『好いことしておられますね~。私は歩くことが好きで、歩いています。』 『さきほども四国の歩き遍路の話をそこでしていたんですけど、歩くことは良いことですから、素敵なことしておられますね~!』 『私は5年生の時、怪我をして、片方の目が見えないんで、自動車の免許が取れないんです。これが残念でね~。』 『5年のとき?それは大変でしたね~?』   『距離感がつかめないから、困るんです。地上にあるのは見当がつくのですけど、空中にあるもの、例えば、蝶々がいて掴もうとしても、手の向こうなのか、こちらかが分からない。空中のものは、距離感が全く掴めないんですから。』 『そうですよね、。片方だけでは、どうしても無理ですよね。』所がこの上久保さん、デジカメを上手に使われていて、私がいまだにデジカメうまく使えていないので、色々沢山教えて戴いた。曰く、手ぶれの防ぎ方、ディスプレーの暗さの解消方法、写した後の確認や処理の仕方等など、覚え切れない。かの紳士は奈良から来ておられ、湖岸道路を一周しようと頑張っておられるとのこと。立派なものだ。
上久保さんに写して戴いた
上久保さんの作られた絵葉書
 さて、負けずに頑張るとしようか?と、腰を挙げ、自転車を降ろす。見ると前輪がぺしゃんこ、『あた~、パンクじゃ~。こりゃーいけな~、直さんにゃ~。』また、積み込んで、さてさて、自転車屋さんはと暫く走り、民家に入り、『この辺り、自転車屋さんは無いでしょうかね?』 『この辺には無いな~、青柳まで行かんとないな!』 『ありがとうございました。』青柳まで走る。青柳と言えば山形の私のルーツ地区と同じ名前だ、酒屋さんに入り、お聞きし、やっと、自転車屋さんに到着。前輪の空気は完全に抜けている、見てもらうと、パンクかと思いきや、空気が抜けていただけだった。が、1000円だった。タイヤ外したり、嵌(は)めたりしたんだから、無理も無いか?

 近くに、COOPがあったので、ついでに買い物もしておいて、自転車をゴール地へ置きに帰り、再度上流へ向う。
 が、どうも今日は気分が乗らない。あの、臭いの性かな?あの臭いの酷い所へ到着すること考えると、どうも気が乗らない。一級河川といっても、ここは支流、無理しなくても良いのじゃないかな。小さいし、浅いし、距離は短いし、予定には元々入っていないし、等など、マイナスムードがどんどん漂い、遂に『止めた!ここは止めじゃ。次へ行こう。』と、相成りまして、途中から引き返し、自転車を積みに、公園へ向った。

 一級河川とは、例えば、一級河川の利根川にそそぐ支流全てが、一級河川だから、ここもそのたぐい、琵琶湖へそそぐ川は、一級の瀬田川から名を変ええて淀川になるので、琵琶湖へそそぐ川、全てが一級河川なのだ。
 となると、「野洲川」はどんなんだろうか?地図からでは何とか、やれそうではある。

 今夜の泊地探しに「野洲川」の近くの琵琶湖々畔のマイアミ浜水泳場へ行ったが、もう、今年は閉鎖され、入ることさえ出来ない。これは困った。引き帰していると駐車場があった。ここなら24時間大丈夫だ。『良し、今夜はここだ!』 西に琵琶湖が広がっているので、丁度夕日が沈む。この日は夕日が、雲がすごく綺麗だった。
 若い二人が、近くの松林に、並んで夕日を見ながら、立ち尽くしていた姿、これも綺麗だった。映画の一シーンを見てるようだった。「ごくり!」あれ、生唾が…。
《マイアミ浜水泳場近くの駐車場泊》

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