日本一周川下り

カヌーで全国一級河川を中心に川下りをした旅日記。
日本一周の楽しいやり方等、カヌーとは無関係に楽しめるでしょう。

 同 【2003年 9月21日】

2006-12-16 06:54:07 | Weblog

《くわどり湯ったり村で整理》

 千曲川から、また新潟県へ戻り、「関川」へ行ったが、まだ、打ち込みが大分溜まっている。地図を見ると「くわどり湯ったり村」と、言うのが見えた。これはキットゆったりできるとナビを合わせた。指示通りに走る、何だか山奥へ、それも細い道、ますます山奥へ、道も細く、樹木に覆われ昼なお暗い道を通る。「中ノ俣」と言うところも通り過ぎる。山を越え、谷を渡り、三つくらい越えたようだ。少し下り気味になり、人の気配が感じられる様な所へたどり着き、少し広い道へ出て、家も見え出し、ナビの距離もなくなってきた。『やれやれ、何とか近づいたようだけど、それにしても遠くを回らされたものだし、ナビはえらい道を指示したものだなぁ。アッ、見えた、やっと着いた!』立派な建物、何と大きなバスが来ている。『こんな大きなバスが来れるんだったら、別の大きな、便利な道があったはず、ナビさんよろしくたのんまっせ!』

 「くわどり湯ったり村」だが、ホテルと合体していて、いわばホテルの空き時間を大衆に利用してもらおう、と言う算段。良いアイディアだ。
 入り口には、産直品が並べられている。昨日、野菜は買ったばかりだから、必要なものは余り無いのだが、無農薬だと言われるので、きゅうり5本で¥200と、栗ご飯¥400を注文、後で受け取りに来ますとキープしておいて貰った。
 湯から上がって、休憩室へ、この時はまだ客も少なく、テーブルを独り占めだったが、段々客も増え、二組のご夫婦が、『空いてますか?』 『どうぞ!どうぞ!』彼らは沢山の食べ物を持ち込んで、今日一日を楽しく過ごそうとやってこられたようだ。

 この日は雨と日曜日が重なって、稲刈りが出来ないのでと、ここへの来村者が非常に多く、暫くすると、全ての休憩室は満杯で、廊下にまであふれていた。
 同机の4人さん、先ずきゅうりの漬物を、『どうぞ!』と、出してくださり、『枝豆もどうぞ!今年は日照りが悪く、綺麗でないし、美味しくないけど、食べなさいよ!』と。 『ご馳走様、あっ、美味しい。これすんごく、美味しいよ!』 『いつもはもっと美味しいんだけどね、今年は駄目だよ!もっとお食べ!』と、山盛りにしてくださった。『どちらからおいでですか?』と私、『この裏の山奥、中ノ俣!』 『私もその道通って来ました。「中ノ俣」って書いてありましたよ。』 『その近くだ!』 『で、あんたはどこから来てる?この辺の人じゃないな!』 『分りますか?』 『言葉が違う、関西かな?』 『そう、福山です。』 『福山?そりゃどこだね?』 『広島県』 『えっ、広島?前に行ったことがあるけど、原爆の広島かね?遠くから、ようこそ!』 『はい、今、カヌーで川下りしながら、日本を一周している所なんです。』 『日本一周かね?そりゃ-好い!どれくらいになる?』 『家を出てから、百日余りです。まだ、一ヶ月は帰れません。』 『家族は心配するだろうに…。』 『幸か不幸か、今は一人身です。』 『それで出来るんだ。』 『いくらかそれもあるでしょうけど、やる気さえあれば、誰でもできますよ、日本一周すると言うことはすごく楽しくて、素晴らしいことです。これが終わったら、又、何かテーマを考えて、もう一度、やろうと、考えているんですよ。』 『そうかね、そんなに楽しいかね?』 『えぇ、その地その地であなた方のように、色々な人と話が出来る、これが非常に楽しいのですよ。』 『寂しくないかね?』 『全然!むしろ一人が気楽で、楽しいですよ。』 『そんなもんかね?』そんな話の中、りんごが出る、ナッツ類が出る。すっかりご馳走になりました。

 昼食に、入り口で買った「栗ご飯」。実は、私の誕生日は10月、子供の頃、姉や兄達は普通の赤飯だったが、私の時は必ず栗ご飯、中3の時は、おふくろが入院中で、丁度、手術日と重なり、私はオトンボ(兄弟の一番下)なので、最後になるかも知れないから病院へ行けと言われ、行くと親父が栗の皮を剥いてくれていた。チョッピリ感傷ものでした。大人になってから誕生日は祝いたくなかったので、栗ご飯長く食べたことなかったが、久しぶりに口にすることが出来た。すごく、美味しかった。やっぱり無農薬食品はうまい、安心!食べ物は安全第一なのだから…。
 4人がレストランでの昼食から帰られて、また、暫く話をしてて、『そうだ、名前や住所をお聞きしとこう。』と、言われたので、名刺をお渡しし、彼らのそれもお聞きした、「笠野」さんと「小沢」さん義兄弟だった、帰ったら、お手紙しよう。

 夕刻になり、彼らも帰られ、私も寝所を探さなければと、退村。道々、探しながら、ゆっくり走っていると、前から来た車から、手が高々と上がって、停止を促(うなが)している。止まると、何と入り口売店のおねえちゃま。『あなたの住所など聞いとけば良かった!』と、 『では、名刺を!』と、差出し、『あなたは?』 『山口!』 『じゃぁ、お隣さんだ。私は広島県だから…。』 『あっ、そうですね!』 『テント張れるとこ、この辺にありますかね~?』 『そこら中にあるよ!どこへテント張っても、誰も、何も言わないよ!』 『ありがとう。お元気でね。』と、別れ、そこから少し走った所で、旧道で、現在使われていない道があり、そこへテントを張った。草がフカフカ、今夜も寝心地良いぞ!

《湯ったり村の旧道泊》

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