≪最上川 Ⅰ》
番号 | 河川名 | 全長(km) | スタート地 | ゴール地 | 難易度 | |
24 | 最上川 | 229(内約6) | 谷地橋 | 碁点橋 | 易 | さすがに大河、緩やかな流れ |
碁点の泊地を自転車で、817:出発、859:谷地橋へ到着。
910:スタートしたが下流側は行き止まり本流へは出られない。ではと、上流へ向かう。釣りをしてる人がいたから聞いてみると『上へ行っても本流には出られない。』と、言われる『えっ、何?ここは水溜り?、本流とはつながっていないのですか!』 『何と言うこと、なぜ、役所はこのことを話してくれなかったのか、大事な情報じゃないか!馬鹿やろう!』と、言いたいが仕方ない。どうも流れがなさ過ぎるのが不思議には思っていたのだけれど、それにしても90杯ものカヌーが置いてありながら、閉鎖池になっているなんて…。さ~て、困った、どうしよう?車は碁点、また、自転車で碁点まで帰り、カヌーを取りにまたここまで帰ってくる、そして、また下る所を探さねばならない。完全に一日無駄になる。
そこで思案のしどころ!調査のしどころ!と、谷地橋へ上がって、橋上から本流へ通れるところを探す、かろうじて下流側へありそうだ。上側にも水路らしきものが見えないこともなさそうだ。今度は土手を上流側へ行き、水路らしき所を見るがここは駄目!水路にまではなっていなかった。
では、下側は?現地調査、カヌーを上げれるか?一寸難しいけど、不可能じゃない。では、本流まで運べるか?一部草が生い茂っている細い通路しかないが、この獣道みたいな通路30mを曲がりながら進むと草を綺麗に刈ってある所に出て、50m進むと本流のところへ出れる。川面へは3m真下で垂直の泥壁、余り淵まで行くと崩れ落ちないとも限らない、その川面の陸地は石ころで幅50センチもない、そして川は浅瀬がなく、すぐ深みになっている。非常にむつかしい場所。ここも思案のしどころ。
先ず、自転車をロープで釣り降ろす。カヌー道具をカヌ一に入れて、まとめて、斜めにして、立てかけておく。但し、絶対に水の中へ落ち込まないようにしておかないと、落ちたら、流れて行ってしまうぞ、最後に自分が降りる。だけど人力だけでは絶対に降りれない高さ。アンカーを使って岩登りの逆をして降りる方法。だが、下からアンカーを抜くことは普通では絶対に出できない。では、どうするか?ヨットなどでアンカーを岩場で使うとき、シャンク側に細いロープを取り、端に浮きを着け、上がらなくなったらその浮き側を引っ張り、アンカーを抜くことをするのだが、この方法を使えば出来るかも知れない。いや、絶対にできる。よ~し、それでやれる!運ぼう!
これがカナディアンの真髄・真骨頂なのだから…。
自転車をそこへ置いておいて、カヌーを取りにもどる。陸送は大変だが、草の上を引っ張って行くと楽だ、これもFRPの強み、コンクリートや鉄筋の上は痛みやすいが砂や土、丸っこい石原や草地なんかは引っ張って運べるので楽なものだ。
30mの草ぼうぼうの曲がりの多い細い道筋も何とかクリアー。50mの草地は引っ張って行く。
カヌーが着いた所で、アンカーテストしてみる。人間が降りる力も1,5kgの可愛いアンカーだが大丈夫。シャンク側からのロープもバウロープと自転車をくくるためのロープをつなげば、長さもある、これもテストするとうまく行く。よし、絶対大丈夫だ、やれる。
先ず、自転車を邪魔にならない、端っ子へロープで降ろす。サドルを土壁側に立て掛けておく。必要なロープやアンカーを残しておいて、カヌーやパドルなど全てを降ろす、丁度石原が半島のようにほんのわずかだが出ているところをねらって降ろす、これがなかなか難しかった。さて、次は、自分が降りる番、アンカーをしっかり刺し込んで、水平に引っ張ってみる、大丈夫。途中でもし抜けたら、落ちてしまい、怪我、水中へドボンでは困ります。よし、『降りるぞ!』と、体を崖から離して降りる。着地。OK!後はアンカーを抜くことだ。『頼むぞ!』と、言った気分で、細いロープをグイッ、『抜けた!やった!うまく行った。』これで全てがけ下に降りた。今度は立てかけてあるカヌーを水へ浮かべることだ。手の届く一番高い所を手前へ引き降ろす、おっと、これヤバイ、自分が逃げる場所が無い、自分が崖とカヌーの間に入るように潜り抜けなければならない。足元は小石で、崩れやすく、時々、グスッと崩れて、水の中に入り込む。そこを何とかしのぎ、やっと下ろし、水平にさせ、水に浮かべた。うっかり手は離せば流れて行くぞ~。
今度はその狭い所で、自転車を乗っけて、くくりつける作業。これが又狭いから難しい。が、それも何とかクリアー。
アンカーその他を全て普段通りにセットし、よ~し!うまく行ったものだと自分でも感心するほど知識と知恵と頭脳にテクニックを使ってのこの作業。難しい数学や物理の問題を解決した時のような喜びと満足感。カナディアンは素晴らしい!
後で、思いついたが、カヌーにロープを結びつけて、上から水の中に降ろし、浮かべておく方法もひょとしたら、できたかも知れない。うまく行けば、その方が楽だったに違いない!
元来、カナディアンカヌーはこのようにして、水のあるところは漕ぎ、無いところは陸を担いで運び、獲物を求め、帰りは獲物も積み込んで運んだのだから、エスキモーはすごい、彼等に言わせれば、こんなポーテージすることは当たり前のことだぞって言われそうだ。
本流を1037:スタート。
久しぶりにカモの大群たちに出会った、が、300mで逃げる。普通100m程度なのに、ここは禁猟区でないのだろうか、人間に鉄砲向けられていて、人間不信になっているからだろうか、逃げ足が早い。
それと、ダイサギが多い、川が深いゆえだろう?コサギ、チュウサギは田畑や小川に多い。自分の足の長さに合わせて、餌を取れる場所が違うから、このようになるのだろう。
度々見受けるのだけれど、川にワイヤーが張られ、リボンが付けられているものを見る。何だろうかと今まで、何度となく不思議に思っていたのだが、今日は丁度ゴムボートに乗り、ワイヤーを持っている人達に出会った。『何しているんですか?』 『川を5m間隔で、流れと深さを調べているんです、それで流量を調査・計算するんです。』 『じゃぁ、そのりぼんは5m間隔なんですね!』 『そうです。』カヌーはもう大分流され、離れてしまった。何と何と、あのワイヤーは流量調査の基準にするものだったのか!また、不思議がひとつ解決した。
ここは瀬も余りなくとうとうとながれているだけ。スリルも変化も少なく、碁点橋へのゴールは
1158。スタートは超大変だったが、それだけに克服した喜びが大きく、満足した、アルファ+1時間21分の川旅だった。
帰り着いたとき、先程の流量調査のゴムボートがやはり碁点橋の同じ所へ着岸し、『あぁ、先ほどの?』と、お聞きすると『そうです。これからここを計るんです。』と、言われる。そう言えば、確かに、橋の少し下流にワイヤーが張られていたことを思い出した。
午後、明日の予定地の「三難所」と上陸地の下見に出る。
先ずは、目の前の一番難所「碁点」は今日は水量が多く、難所の岩は全て水の下、全く難所にはなっていない。流れは速く所々に白波が立っているけど、幸か不幸か難所とは言えない。どちらかと言うと、軟所だ。
次の「三ケ瀬」、ここも碁点とほぼ同じで、多水量のおかげで、大丈夫、平気で通過できる。
三番目の最大の難所、「隼」へ向う、舟下りのゴール地からまだ下流、道が狭くなり、「隼の瀬」の看板に従って進むが途中分らなくなり、不安を伴いながら、『えらい離れているなぁ!』と思いながら進むと、やっと看板が見え、車が途中までしか入れないほどの道なので、広いところへ置いて、見に行く。途中の農家ではご夫婦で、柿ノ木にネットをかけておられたし、収穫したサトイモの選別をされているおばあちゃんもおられた。
大きな水音に段々と近づく。木の間に白い波、『おー、これはすごい!』が、駄目ではなさそうだ。『よ~し、どう攻略するか、検討だ。先ずは、中央の岩より右か?左か?右は狭い、杭が多くヤバイ!浅いようだ、落差が急過ぎそうだ。では、左は?落差が急で一気に下るので、真中の出てる岩に注意と落ちた後の大きな波、これにうまく乗らなければいけないぞ~!』あぜ道を通って、少し上側にも行って見る。先の判断で大丈夫と確認できた。後は、やるっきゃない!やってみなきゃ分らない!
《碁点橋泊》
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