日本一周川下り

カヌーで全国一級河川を中心に川下りをした旅日記。
日本一周の楽しいやり方等、カヌーとは無関係に楽しめるでしょう。

 同 【2003年 9月11日】

2006-12-04 09:07:05 | Weblog
《最上川 Ⅱ》

番号 河川名 全長(km) スタート地 ゴール地 難易度 備考
24 最上川 <nobr>229(内約17)</nobr> 碁点橋 大石田 超難 三難所の有るところ特に隼は

 朝、減量しようと、すぐ近くがパークゴルフ場だから、1~2箇所のトイレはあるはずと歩き出したが、見えない。ずっと先まで、目の届く範囲にトイレが見えない?おかしいな?木の陰かな?歩いていると、練習している人がいて、聞いてみると、『向こう!神社がある所の前にある。』とのこと。神社?見えない!まだ歩く。ずーと歩く。『あれ?土手の向こうに、白いものが見えるぞ!』歩く。何だ、白いのは車の屋根だ。『あっ、その向こうに屋根のようなものが見える!あれかな?キットあれだ!』近づいて行くと、神社が見えた。その前?有った。やっとあった。1km近く歩いた。何と遠くにあるものだ。

 ここには4っつのコースがあり、その一番奥にトイレがあるなんて、男で小は大丈夫だが、大の場合や女性はそうはいかない。遠過ぎるのじゃなかなぁ?
 でも、朝早くから、次々と車が入り、テントは丁度その入り口にしつらえているので、皆さん、前を通られる、その時、怪訝な目でこちらを見ながら通って行かれる。ウイークデーでも、沢山の人がやっている。本当によく流行っているものだ。
 不審な目線を横に見て、今日の最上川パートⅡに出発だ。今日は「三難所舟下り」と銘打った、最上川にある2箇所の舟下りの内、上流側に位置し、碁点、三ケ瀬、隼の瀬の三箇所の難所がうたい文句で、隼は一番の難所、舟下りにはきつ過ぎるので、ここは通らないで、近くまで行って見せるだけだそうだ。
碁点方面を望む
 837:昨日着岸した、碁点大橋の真下をスタート。水が少ないときはここが結構な難所なのだろうが今日は水が多く、岩が全て水の下に隠れているので、軟所になっている。気持ちよくどんどん下る。流れはそれほど速くなく、割とゆっくりとしているようだ。カモが今日はよく姿を見せてくれている、が、300mもまだ離れているのにもう逃げている。よほど人間不信に陥っているのだろう。可愛そうに!
 なお、カモが沢山居る所はどちらかと言えば、トロ場に多く、流れがあるところには余り多くのカモを見ることは出来ない。先に、想像したことが立証できた。

 二本目の難所「三ケ瀬」が近づいてきた、ここは、平坦なゆるい坂であちこちに大きな岩があり、白波を立てているが800m位ズーと同じ角度で下っているので、すごく気持ちよく下れる、こんな瀬は誠に楽だ、川の壁面を見ると確実に川が傾斜しているのが分るほど下がっている。
 ここを下ってトロ場に入ると、前から船のエンジン音、舟下りの舟がお客さまを降ろして、元のところへ帰っているのかな?それにしては早いな?キット、ゴールに舟を置いてあり、出勤に出ているのだろう。普通、船は右側通行なのだが、ここは左側通行だと聞いたような気がするが、カヌーのような小さな舟は遠慮して、離れて浅い方を通り、深い場所を本船に譲るべきだろう。

 舟下りの上陸地を通り過ぎて、進むと、次はついに「隼」の番だ。昨日、陸からしっかり見ていたのだけれど、もう半分忘れている、兎に角、ほとんど左側を狙い、中央から右は杭があったり、岩が出ていたりで、避けなければならない。流れが段々速くなる。陸に人がいる、こちらに気が着き、体を川の方へ向けて、心配そうに、こちららを見ている。『隼ですね?』こっくりとうなずく、声も出ないようだ。『ありがとう!』と、手を振る。彼は、『小さな舟で、何としたことしとる、危ないことを、大丈夫かいな?命知らずが…』と、でも言いたげな顔だったが、そんなこと言う時間も無く、あっという間に隼に突っ込んで行った。始めはそれほど大きな波でもないが、短い距離で、大きな落差、途中の岩も問題無くクリアー、ザザザーと落ち込んだ所ではホワイトウオーターのオンパレードと言った感じで、左側からバサッ!、右側からドサッ!と打ち寄せる。波もかぶる。正面には大きな波が立っている。バウを突っ込まないように、体重を後ろへかける。両方からも大きな波が打ち寄せ、カヌーは左右にゆすられ、水は打ち込んで来る。岩は水の下の方に隠れているので、岩にぶっつかる気配はなさそう、パドルが谷の空を掻かない様に、山を狙って、時には一瞬を待ちながら、山を山を漕ぎ、舟が横向きにならないように、波に突っ込まないように体重移動もさせながら、ここ最大の瀬、隼を乗り越えた。『すんげー!』。

 カナディアンカヌーにとっては中々楽しい瀬だ。正面に障害物が無いので、まっすぐ下れば大丈夫。
 その後、トロ場が来るが、3つ,4つのおもしろい瀬があり、非常に楽しい川だ。
 橋の名前は記憶できていないが、右岸の階段を通じて、上陸地はあるが、大石田の舟役所のところがより便利だし、楽だし、河岸風景が非常にユニークで面白い。まだ、建築中でもあるので、完成したらもっと良くなるに違いない。楽しみだな。

 途中、三人の釣り師に会ったが、釣り価を聞いてみるが、皆やはり一応に駄目だと言う、元気の無い返事ばかりだ。釣れない魚釣り、雨の中、じっとしてて、それもたった一人で、どこが、何が、うれしくてやっているのか私には全く理解できない。釣れれば楽しいのは判るけど、じっと食いついてくれるのを待っているなんて…。徳川家康の心境かな?それとも、太公望かな?でも、世の中には、何もしないでじっとしているのが好きな人がいるにはいる。また、逆に、何かしていないと落ち着かない人もいる。私はどちらかと言えば、後者で、一番いやなことは散髪へ行って、一時間余じっと椅子にくくりつけられて、面白くも無い、役にも立たないテレビを見せられるのは苦痛の最大のもので有った。「有った」と言うことは過去の話で、今はその苦痛から完全に開放されているから、非常に楽になった。と、言うのは、私はスキンヘッドにしているからだが、何とさっぱりしたものよ。気持ちが良いことこの上ない。風呂に入ったときに、それも数日に一度だけ、頭を剃る。普通のT字髭剃りを使う、自分でやるから、安くもある。100円ショップで、1セットを買えば一年くらい使える。私の頭の散髪代は1年間でたったの100円也。超激安だ!そして、椅子に固定される苦痛から開放されたのだから、素晴らしい。

 大石田町、「大橋」のすぐ上流、「舟役所跡地」の近くへ、
 1134:ゴール ここ、「舟役所」を再現してるが、こんな景色は始めてみる。川の土手に白い土塀がしつらえてあり、大石田は酒田等海辺との交易の中心地で、監視もし、この上流は隼を筆頭に、難所だらけだったけれど、川を掘り舟が通れるようにし、碁点までも交易できるようになったそうだが、それまでは大石田が中心で往時は相当ににぎわったそうだ。でも、あの隼をどの様にして、上げたのだろうか?
 帰り道、自転車が重い。先日からどうも重い、何故だろうか? 空気圧?先日入れた、抑えてみて、大丈夫! 油切れ?先日差したので、大丈夫! 何かをどこかに噛んでいる?何も噛んでいないようで、大丈夫! ブレーキが利いている?調べるが、何とか大丈夫! 向かい風?今日は風はほとんど無い!それにしても重い!平地なのに、チェンジダウンしないとキツイ!体力が弱っている?考えられないことは無いが、ここ数日で急激に落ちるとは、一寸考えにくい。1時間と7分で帰り着いたけど、何故だろうか?まぁ、宿題だ!

 今日は非常に不思議な日だ。いつもそうなのだが、時計はポケットに入れているので、度々見ることが出来ない、ほんのたまにしか見ない。が、その時は、いつも勘で何分だと言いながら、時計を出してみると普通10分と違わない、が今日は3,4度見た時計の針と勘で言った時間がピッタり一致したのが二度もあった。自分でも驚きだ。勿論、マグレではあるのだが、やはり驚いた。うれしくもある。
《碁点橋泊》

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