日本一周川下り

カヌーで全国一級河川を中心に川下りをした旅日記。
日本一周の楽しいやり方等、カヌーとは無関係に楽しめるでしょう。

 同 【2003年 9月18日】

2006-12-12 05:38:29 | Weblog
《魚野川:信濃川》

番号 河川名 全長(km) スタート地 ゴール地 難易度
備  考
35 魚野川:信濃川支流 367(内約27) 板戸橋 宇賀地橋 中難 八海橋の瀬は超難下見と回避を

 夕べの美味しいおでん、心地良い虫の声、晴れ渡った星空、ぐっすり休んで、早朝、起き出し、下見に出発。2箇所のサケ漁の仕掛けは上流側が丁度ショベルカーが入って工事中、下はまだ手付かず、『ありがたい、これなら楽に通れる!』これも日頃の行いが良い性だろう。
 赤い色の「八色大橋」の下、結構きつい瀬、突っ込みラインを左側と確認しておく。
 「浦佐のヤナ」中州の向こう半分は見えないけれど、「2段にわたって落差のある瀬、力強いパドリングで一気に漕ぎ抜きたい」と、「旅本」に教えてくれているので、そうするより無いだろう。

 「八海橋の瀬」到着、「なっ、何?これ!こいつは大変だ!これは酷い!とんでもないで~!」「消波ブロック」がびっしり並びその間を水が流れている絶対に通れない所、左端の橋脚間には、大量の水が集まり、ごうごうと流れ、その右側の出口はブロックが並び水はそのブロックを飛び越えて大きく落ち込んで白波を大きく立てており、左側には大きくテトラのヘッドが出ていて、それに水がぶっつかって大きく飛び散っている。その左側のブロックとの間は狭く、流れはきつい。その間、6,7m幅だ。じっくりと検討!
テトラの頭がずらり、こんな所へ入り込んだら大変だぞ~
上が最悪のsd瀬、超強烈だ
これが超強烈・最悪の瀬
 「こいつは少々じゃ無いぞ。どうにもならんかな?エスケープするか?通るとすれば、先ずは、左岸側しかない。左寄りの一番強烈に水がぶっつかっているテトラヘッドと右端のブロックとの間の所へ突っ込めば、行けるだろう!一本出てるのは木の枝のようだが、それほど太くは無いので、当たっても、問題にはならないだろう。じゃあ、それにはどのコースから入れば良いか!上流の地形と水の流れを見る。流れは強烈だ、中洲側から入り、ターンして、右側に入り、枝の左側へ抜ければ、最高にOKだ。さて、うまく行くだろうか?まあ、やって見なければ分らない。カヌーは痛んでもシャーナイ、修理すれば良い。横流れさえしなければ、沈することはないだろう。ここまで来て、エスケープするのもシャクだ!」

 1052:「坂戸橋」をスタート。水が綺麗だ、すごく綺麗だ。熊野川まではいかないけれど、実に清冽だ。天の川以来の綺麗な水。流れは早い、瀬は次々と現れ、忙しい。中々楽しい。これは良い川だ。でも、「八海橋の瀬」までは絶対に気が抜けないぞ!イメージを浮かべながら、あそこに近しい状態の瀬があるとイメージし、練習を兼ね、その時必要なテクニックをやって見る。
 段々、近づいてくる。出発から1時間過ぎた、もう近いぞ~!
 さあ、頑張るぞ。意気も高揚してくる。不安も高まる。『やるっきゃない!』八海橋が見えた。

 さあ、来たぞ~!イメージ通り、進む、流れが速まった、GO!と、「一漕き」だが、言うこと聞いてくれない、流れの力が余りに大きすぎ一気に右側の最もヤバイ方へ持っていかれた、ヤバイと思った、その一瞬後、飛び出しているテトラヘッド目掛けてまっしぐら「ガツーン」バウ真正面がぶっつかった。『やった~!』と、その一瞬の後に、左へ寄り、狭い所をするりと抜け、下へ飛び落ち込んだ。スターンへ水がどっと流れ込んだ。必死で前進!まだ、大きく波立っている所を進んでいる。でも、もう大丈夫。『やったなー、水は入ってこない。OKだ!それにしてもすごい力だ。まだまだ駄目だな!スピードも遅れている。それにしても、よくぞ、半分に割れなかったものだな~、さすがFRP、強い。修理は出来るから、なんともない。大丈夫、大丈夫だ!』さあ、次だ!
 ここは綺麗な水なので、キット鮎も美味しいのだろ、釣り師はたくさんいる。『いかがですか~?』顔を横に振る。今年は雨が多く、水温も上がらず、小振りで数も少ないそうだ。どこの川も同じだ。

 タバコに火をつけた釣り師に、『こんにちは、吸殻、川へ捨てないで下さいね!』と、お願いする。「何?」と言った顔をしたので『タバコは毒だから鮎が死にま~す。』と、言っておいた。釣り師の半分がタバコを吸い、釣れないから余計にタバコに火をつける。必ず川へ吐き捨てる。それだけ多くの吸殻が川に投げ捨てられていると言う計算になる。道ならば、捨てられた吸殻がそこに残り、見えるけど、川は即流れて行き、見えなくなるので、自分の罪に意識が全くない。釣り師もマナーの悪い人が多いが、喫煙者はもっと悪い、その両方を兼ね備えた、喫煙者の釣り師となると二重に悪いことになる。漁業組合が釣り券を発行するときに、灰皿持参しない喫煙者には発行しないことにしていただきたいし、マナーを身につけるように注意してもらうように、役所からも注意してもらう必要がありそうだ。

 次は、「浦佐のヤナ」だ。中州を左に取り、近づいてきた、音も大きく聞こえる。立ち上がって見るが見えない。やはり落差が大きいからだ。良さそうな所へ先ずは突っ込む、見込み通り、一段目はOK、二段目もすぐだ、そのまま一気に行った。腹をこする音はしたが大したことじゃない。OK無事通過。
 瀬は次々と現れ、楽しい、忙しい川だ。
 「八色大橋」の下は予定通り、左側へ突入、一気に通り過ぎた。
 「福山橋」の下を通過、ヤナ工事中のショベルカーを出来るだけ離れて、通過しておいた。

 小出町を過ぎたところの瀬、「増水時にかなり波が高くなる」と「旅本」にある、近づいたが見るとそれほどでもない、瀬に入り込んで楽しく、下って、下って、下って行くと段々波が大きくなり、本当に大きな波、横向きになろうとする愛艇を波に直角にするように、また、谷へパドルを入れないように、確実に山をパドリング、これも中々きつい流れで、力いっぱいに漕いでやらねば負ける、大きな長い波に入り、バウが跳ね上がった。すごく高く跳ね上がった。近くにいた釣り師もびっくりしたのではないだろうか?すぐ次の波にバシ~ンと落ち込んで波に乗り安定、下りきった。『イヤー、上から見た時はそれほどでないと思ったけど、下りたら、本当にすごい波だったなぁ。旅本の通りだ。』
水は中々綺麗だった
 「堀の内のヤナ」はさほど問題なく、左岸の階段状の堰を一気に通り過ぎた。
 1522:「宇賀地橋」へ到着。27kmを4時間30分の激烈な戦いが無事終了。
それにしても、魚野はすごく綺麗な川だし、
 超強烈な川だった。一生忘れることのない川だ。
 自転車では2時間27分もかかるほどの長い長い距離を実に楽しく、エキサイティングの連続の川、魚野だった。
《魚野川宇賀地橋泊》

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