日本一周川下り

カヌーで全国一級河川を中心に川下りをした旅日記。
日本一周の楽しいやり方等、カヌーとは無関係に楽しめるでしょう。

 同 【2003年 9月16日】 

2006-12-10 04:23:55 | Weblog
《三面川》

番号 河川名 全長(km) スタート地 ゴール地 難易度 備考
2-4 三面川 48(内約17) 発電所バス停手前山道への登り口 下渡大橋 中難 要注意個所は数カ所

 昨夜は満天の星空で、何だか久しぶりに星を見たような気がした。
 今朝、霜が降りていた。もう、そんな季節になったのだ。
 早めに朝食を済ませ、カヌーの待つところへと自転車を踏む。
 家を出た6月はまだ田植えの時期だったが、もう米がしっかり実り、頭を垂れている。もう少しすると稲刈りになる。それほど旅を続けているのだ。
頭を垂れた稲穂
 ここ三面川は昨日の下見では、それほどきつい瀬はなさそうなので、自転車をカヌーに積んで帰ることにしよう。そう考えながら進んでいると、昨日、高橋さんからお聞きしていた、「鷲見橋」近くの面白い名前の店「世の中屋酒店」の前へ来た。名前をつけたお方はキット世の中のためになる酒屋になろうと、考えられたのだろう。すごいお心がけだなぁ。そこの若夫婦はカヌーによく乗っていると言うお言葉、参考になる話がキット聞けると立ち寄った。おっかさんが出られて、『昨日はいたのだけど、今日は仕事で出ているから、留守だ。カヌーは楽しくて、良いね、若い衆も揃ってカヌーやってるけど、楽しいようだよ。』と、言った意味の現地語?で話された。おっかさんの年齢で、カヌーの楽しさや良さを理解しておられるとは、ご立派!本人が不在では仕方がない、残念だが、そのまま先へ進もう。『よろしくお伝えして下さい。』と、お店を後にした。

 何と、昨日の下見のときより20cm近く水位が下がっている。大丈夫かな?一寸不安になる。
 908:スタート。昨日はそれほどでなかったが、今日は水が少なくなった分だけ岩が全面に出ていて、通りにくい。だが、すぐ可愛いけど瀬が続きうれしくなる。
 「千縄の頭首工」は、昨日は水が超えていた堰は全面水面より上に上がっている。弱ったなと思っていたが、よく見ると中央の水門が開いている、落差はほとんど無くスムーズに流れている、『ありがたい、こんなに頭首工がスムーズに通れるなんて、やはり日ごろの行いが良いからだ。』ついている。

 つぎは「布部のヤナ」だ。近づくと川から、ヤナののぼりや建物が見える、中州を右へ行くとヤナだから、左の水路へ進みたいが、水音が段々大きくなる、立ち上がってみると、下までは見えない、どうも水音の大きさが気になる。そのまま行くのは一寸躊躇、『よし、下見しよう』と、先ずは流れの穏やかな、ヤナの有る右側へ入り、中州へカヌーを上げておき、近くまで行き、見ると、大きな石が階段状に積み上げてあり、むき出しの石もあちこちにあり、全てをクリアーするのは、まず無理だろう、幾らか痛むだろうけど、シャーない、折角の強烈な瀬、「行っちゃえ!」の気分。一番水の多いライン目掛けて、突っ込む。
 よしっ、よしっ、よっしゃ!と、言った感じで、下まですべり降りた。2段目でビシーと音がしたが、これは修理個所が剥れた音のようだ。下へ降りたとき、少し波をかぶったが大した量ではない。OK、無事通過!『ヤッター!』の気分!

 水が綺麗だ。早速、キセキレイが乱舞を見せてくれた。ここでは真っ白いチュウサギも多い。鮎がよく跳ねている。何だか今までの川よりもよく跳ねているように感じる。
 またまた、今日はすごく素晴らしい、珍しいことを見せてくれた。鮎が飛び跳ねているのだけれど、わがカヌーのバウ近くのガンネルに、15cmほどの好い形の鮎がぶっつかった、脳震盪を起こしたのか?痛いからなのか分らないが、苦しんで、水面を跳ねるように、もがき苦しんでいる、捕まえようと近くへ寄り、ぱっと手を水に入れたが、残念無理だった。見ると底の方でもがいて、白い腹を見せている。舟は流れているので、もう仕方無い。諦めざるを得ない。捕まえていれば、今夜は「あいのささやき」か、はたまた「鮎の塩焼き」の超ご馳走にありつけたものを…。本当は、ついでのこと、飛び込んでくれたらもっともっとありがたいのに…。 

 福山の芦田川では、時たま魚が飛び込んでくることがある。10cm程の可愛い魚で、名前も知らないけど。過去、3度ほど飛び込んできた。当然、即、逃がしてやるけれど…。
 「芦田川手作りいかだレース」の筏に一度に2匹も飛び込んできたことがあり、その選手たちは大変喜んでいたこともあった。芦田川のそれも下流の魚では口に入れる訳にはいかない。日本全国ワースト7番、8番をキープしているほどの悪名高き川なのだから…。

 鮎釣り師が沢山いた。この辺りはカヌーイストに対してそれほど嫌悪な態度をとる人は居ない。今までの例から行くと、どうも東海・関東近辺が悪い釣り師は多いようだ。が、ここでもタバコは吸っている。『タバコの吸殻、川に捨てないで下さいね!』と、お願いした。鮎を愛するならば、川を汚してはいけない、我々カヌーイストも、もしタバコ吸う人がいるならば、絶対に吸殻を川に捨てないと今日限り誓っていただきたい。川に限らず、海も草地も道路にも…。
上から見ると強烈ではないが・・・
 つぎの難所「岩沢橋」が近づいた。昨日の下見のときより、水位が大きく下がっているので、気がかりだが、立ち上がって見るくらいで、行っちゃえ!と突っ込む。 ビシッ、ガリとボトムが言った、『やられた!』と、思う内に下まで降り、流れに乗って滑っている。あの音ならば、大した怪我もなさそうだ。その後は問題になる瀬はなく、綺麗な川をゆったりと進む。

 17kmの川旅を1151:着。ここも楽しい、思い出多い川となった。『ありがとう。』

《荒川》
番号 河川名 全長(km) スタート地 ゴール地 難易度
備 考
33 荒川(新潟) 73(内約5) 温泉橋 高田橋  易 一箇所のかわいい堰程度

 昼食を済ませ、次の荒川、へ向う。荒川と言っても、ここは新潟県の「荒川」、全国に、荒川と名のつく川は、30以上もあると言われている「荒川」だが、日本は山と海が近いのでどうしても雨が沢山降ると急流になり、暴れ川となるので、この名が多いのだろう。

 先ずは、「旅本」のエリアガイドに出ている鷹ノ巣温泉近くのスタート地点へ向うが、どこでどう間違えたか、行きつけない。ひょっとして、下から右岸側を上がらなければならなかったのかな?仕方なく、少し下の「湯沢温泉」への道の「温泉橋」の袂からスタートすることにした。自転車は290号線の「高田橋」の下で待たしている。
 「温泉橋」をスタート、しようとしたら、これも準備中の鮎釣り師から声がかかった。『オー、日本一周ですか?』 『ハイ、時間だけはたっぷりあるので、…。』と、いつもの返事。『福山?九州かね?』 『いえ、広島県です。岡山から入ってすぐの県境が福山です。』 『長瀞峡は行った?』 『はい~、行きましたよ、行きましたよ。それはエキサイティングですごく楽しく、素晴らしい川でしたよ。ラフティングやってる所をこのオープンカヌーでやりましたよ。長瀞もすんごく良かったけど、そのすぐ上流も素晴らしかったですよ~。』 『わしらはその側から来てるのだよ。』 『えー、遠くから来ておられるんですね?』 『ここなら釣れるだろうとやってきたけど、どうもさっぱりだね。今年は雨が多く、気温が低く、水温が上がらないので、成長も悪いし、釣れない。』と、言う。確かに、沢山の釣り師に会ってきたけど、指を丸くした人はわずか3人しか会わなかった。皆さん一様に、手のひらを横に振る。首を振る。日本人特有の謙遜もあるのだろうけど、やはり釣れていないのだろう。深みに逃げているんだから、浅い瀬にはいないのだ。

 1409:出発。特別難しい所もなく、スポーツ公園の横にある、低い瀬も豊富な水量なので、右岸側をそのまま滑り落ち、淡々と下る。
 いつもはこちらから『こんにちは!いかがですか?』と、声を掛けるのだが、今日も釣り師から、声がかかった『今日もさっぱりだ。』 『水量が多い性でしょうかね?』 『もう、下ったのかもしれない。』 『それもあるのかも知れませんね!』で、カヌーは離れていく。
 今日は5kmほどのショートコース、またたく間に、ゴールが近づいた。山のてっぺんの2本の鉄塔が近づいたことで分る。
 1510:高田橋へ到着。61分の可愛い川旅だ。

 すぐ、自転車で車を迎えに行く。途中、「渡辺邸、こちら」と言った案内が出ている。キット古くからのお家なのだろう、見てみたいが時間が無い。
 帰る段になって、さてと、『こんばんのご馳走は何にしようかな?』通りがかりの人に、スーパーマーケットを聞くと、すぐ近くの裏通りにあるとのこと、小さな店だが、見ているとうまそうなものがたくさん並んでいるが、結局は、さしみと豆腐にした。刺身と言っても、冷蔵庫が無いのだから、明日まで置いておくわけにはいかない。普通、スーパーでは2~3人分がワンパックで入れてあるので、いつも余分に食べることになる。つい、酒も量が増える。うれしいような、そうでないような、いや、やはりうれしい方が強いかな?まぁ、セルフコントロールしながら、楽しく、美味しく食べよう。

《荒川高田橋下泊》

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