バイデン氏とチェイニー氏、テロ対策などめぐりテレビ番組で論戦
ワシントン(CNN) バイデン米副大統領(民主党)とチェイニー前米副大統領(共和党)が14日、テレビの時事討論番組に個別にゲスト出演し、テロ対策やイラク政策について論戦を展開した。
バイデン氏はNBC「ミート・ザ・プレス」とCBS「フェイス・ザ・ネーション」、チェイニー氏はABC「ジス・ウィーク」に登場。チェイニー氏は、国際テロ組織アルカイダ対策やイラク政策でオバマ政権が「完全に間違っている」と明言。米国が直面している戦略面で最大の脅威は、核兵器や生物兵器を使った同時多発テロ級の攻撃が新たに発生する可能性であり、米国で対策会議が開かれている間にもアルカイダは活動している、と危機感を示した。
ただしチェイニー氏は、オバマ政権が決めたアフガニスタン戦略を「完全に支持している」と発言。オバマ大統領が同性愛者差別を解消する方針を示し、米軍入隊時に性的指向を問わない政策の撤廃に動き出したことについても、米軍関係者の発言に言及しながら「社会は変化しており、政策を再検討するべき時期だ」と述べ、一定の支持を表明した。
一方のバイデン副大統領は、チェイニー氏がオバマ米大統領のテロ対策を軽んじていると批判。オバマ政権が同時テロ級の攻撃再発防止に向けてあらゆる人材や資金を投入しており、ブッシュ前政権を大幅に上回る規模だと反論した。
副大統領はまた、オバマ政権がテロ対策を戦争と位置付けていないと述べたチェイニー氏の先日の発言を受け、「チェイニー氏には自分の意見を述べる資格はあるものの、歴史を書き換える資格はない」と一蹴(いっしゅう)。チェイニー氏は昨年クリスマスに起きた米機爆破テロ未遂事件の容疑者に米刑事司法制度の特権を与えたとオバマ政権を批判したが、副大統領は2001年12月に機内で靴爆弾を爆発させようとした容疑者も「同様の扱いだった」と述べた。同時テロの首謀者カリド・シーク・モハメド被告が文民法廷で裁かれたことに対するチェイニー氏の批判についても、副大統領はブッシュ前政権が大勢のテロリストを文民法廷に訴追していたと指摘した。