日本とカザフスタンの官民が希土類(レアアース)や希少金属(レアメタル)の共同開発に乗り出すそうです。住友商事と東芝はカザフの国営原子力公社カザトムプロムと年内にそれぞれ合弁会社を設立し、レアアース・レアメタルの回収を始める。政府もエネルギー安全保障につながるとみて、政府系金融機関などを通じ出資を検討する。2015年には1万5千トンと日本の需要の4割程度を賄う見通しだ。
レアアースは次世代車の生産に不可欠で、現在はほぼ全量を中国からの輸入に頼っている。今回の合意で、カザフ国内のレアアースとレアメタルの生産と販売を日本の官民が一手に引き受けることになる。政府は日本の安定供給につながるとみている。
希土類元素(きどるいげんそ、rare earth elements、レア・アース)は原子番号57番のランタン(La)から71番のルテチウム(Lu)までのランタノイドと21番のスカンジウム(Sc)と39番のイットリウム(Y)を加えた計17種類の元素のこと。
中国が世界の産出量の90%以上を占めており、その他の産地もインド、オーストラリア、ブラジルなどに偏在している。日本は世界需要の約半分を占めるが、大部分を中国からの輸入品である風化花崗岩に頼っている。最近の中国の経済成長によって中国からの輸出が減少しており、世界的な需給バランスの逼迫が懸念されている。
最近の研究で日本国内のマンガン鉱床に花崗岩を上回る割合で希土類元素が含有されている事が判明し、現状打破の新たな資源として注目されているそうです。