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Max Satohの工作に関するブログ

漆の表面にブツブツ

2008年06月17日 | Rod Craft

漆塗膜の表面にブツブツが出るとせっかくの努力が水の泡(漆の泡?)になります。
原因と対策について考えて見ましょう。 ネット検索してみましたが、どこにもこんなこと書いてありません。 経験したもののみが知り得る知識としてご紹介します。

ブツブツの原因:

* 1回目の塗り(拭き塗りなど)で、表面がざらざらになるのは、木地が立つので当然です。 サンドして次の塗りに入ればOK。

* 研いだ後の塗りで表面にブツブツができる。
  原因はいくつか考えられます。

  1.漆が古い。 漆は古くなると、乾固の仕方が新鮮な漆と少し違ってくる。 乾きが悪くなるような気もする。 また表面は乾いているが内部は乾固していない状態になりやすい。 このような状態で研ぎを入れると、未乾固の漆が次の塗りの段階で剥がれ、ブツブツとなる。 漆を新鮮なものに取り替えたらブツブツがでなくなった、という事例もある。
対策: 新鮮な漆を使うようにする。 古い漆は、生漆やテレピン油などで再調整し、乾燥しやすい漆となるようにしてから施す。

  2.ゴム手袋や刷毛にゴミが付着していることがある。 これは漆に限ったことではなく、ウレタンでも他の塗料の場合でも同じです。
対策:刷毛はよく清掃する。 ゴム手袋の場合は、一度漆を薄く手袋に広げ、拭き取ってから塗り始める。

  3.研ぎカスが浮き出てくる。 研いだ場合、以前の塗りの乾燥状況によっていろいろな症状がでることがある。 たとえば、最初の塗りや以前の塗りがうまく乾燥していないと、部分的に塗りが剥がれることがあり、細かい剥離がブツブツとなる。 また、表面は乾いているが、内部はカサカサだったり、未乾燥だったりすると、研いだ後に拭き塗りすると研ぎカスとして浮き出てくる。 砥石や水性ペーパーの研ぎガスが下地にくっ付いていることが多い。 対策:研ぎカスは徹底的に除く。 1回目からしっかりと乾燥させる。 ブツブツが出た場合は、思い切って下地まで研ぎ戻し、1回目の塗りからやり直す。 研いだ跡は、何度も水で洗いゴミを取り除く。 どうしても研ぎ戻したくない場合は、表面だけを研ぎ、拭き塗りを施し、徹底的に拭き取る。 そしてもう一度拭き塗りする。 この際、表面にブツブツが出なくなるまで繰り返す。 なくならなければ、下地まで研ぎ戻す。

  4.塗りが厚すぎる。 竹竿のように節周辺に細かい山や谷があると、谷の部分に漆が厚めに入り、ここにブツブツが出ることが多い。 このブツブツは上記の全てのケースのゴミが考えられるが、厚く入った漆部分にたまりやすい。 対策:故意に厚くする場合は、表面のブツブツを研ぎ、上から拭き塗りを繰り返す。 均等な厚さにする場合は、適当な深さまで研ぎ戻して塗りなおす。 特に、研ぎ跡に、光っている下地(乾燥している)と、光っていない下地(乾燥しすぎて粉状になっていたり、乾燥していない部分があったり)があると、光った下地より上に乗っている漆がゴミとなって浮き出たりする。 あるいは、漆が乾燥する際に、縮み方が部位によって異なるため、一部に縮みが発生することもあり得る。 このような場合は、光っている下地に傷がつくまで研ぎ戻し、下地を均質な状態になるようにする。

  5.空気中の浮遊ごみが付着する。 対策:風の発生しない場所で塗る。
 
とまあ、こんな具合ですわ。

このような障害を乗り越え乗り越えして、最終的に得た、しっとりとしたつるつるの漆塗膜を得たときの喜びは、そのロッドを永遠に持つことの喜びに変わります。




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