Max Rod Craft Blog

Max Satohの工作に関するブログ

サーモン用フライラインのクイックリファレンス

2019年09月17日 | Rod Craft

古いSpeyロッドのアーカイブ等を参照していると、

Hardy Wye 13’ 6” #10  とか、

Playfair Grant Vibration 13’ 2” #10   等と

ライン番号が付されているんだが・・・これってAFTMAのライン番号だと思われる。

10番以上はサーモン用のラインだったと思う。  

今はAFFTAという組織がSpeyラインというダブルハンドロッド用のラインの規格を付け加えた標準を発表している。  これまでのAFFTMA規格はそのままの状態である。

・・・・・ん、ようわからん・・・AFFTAの表をみてもようわからんのだよ・・・

そこで、ワシの作ったDynaRodのライン重量計算ルーチンを使って、全ラインの重さ分布を計算してみた。   どえらい時間がかかった。  Speyで28種類、比較のためのDT 8種類(8番から15番)、WT 8種類(8番から15番)のラインについて、Line to fish、つまり釣りをする時にキャストするラインの長さごとにライン重量を計算させ、結果を表にまとめたのですよ。  10フィートごとに、10フィート、20フィート・・・90フィート・・・と、ライン重量分布の表を作った。

AFFTAライン規格表をだた眺めていても、なんの感覚も生じてこない。  だからSpey のシューティングヘッドの10番って、DTやWTに置き換えたとすると何番くらいに相当するのかしら????というのが一目で分かるようにしたわけよ。

サーモン用フライラインの♯8/9に相当する重さのSpeyラインってどんなのがあるのかな???ってのもすぐに分かるわけよ。

っというのは、AFTMA的に作られたロッドで、たとえばDT8番用のロッドで、該当するSpeyラインも投げられるってことが分かってくるわけよ。  DT#8ロッドで投げられるSpeyラインって何番? 

更にいうと、自分でシューティングヘッドを作るようなマニアックな人にとっても、既製のDTやWFの一部をカットしてつなぎ合わせて、My Shooting Headを作れるわけよね。

それがこの表・・・貴重な表でっせ・・・世界にひとつしかないんじゃない?

クリックしないとわかりまへんで

表の見方は・・・単純・・・最上段のLine to fishの長さの列を下に辿っていくと、その長さでのすべてのライン重量が分かる。  ライン先端からの累計重量が計算してある。

表の黄色で塗りつぶしてある部分は、AFFTAの30フィートの重さ部分(DTとWF)、SpeyではH,S,M,Lの各Weight Pointのあたりを黄色くしてある。 2列が黄色になっているのはちょうど中間の65’あたりがWeight Pointとなっているので、このあたりでっせ~、という意味で2列を色づけしている。

黄色の列よりも左側は、麦粒(グレイン)で6~15粒以内の誤差の範囲に入っているほど厳密です。 そのように重量計算ルーチンが作られているのだから・・・。  黄色よりも右側は・・・ちと怪しい・・・というのも、例えば、DTやWFでは後ろの方のラインの太さもある程度分かるのだが、Speyになると、径の細いランニングラインを使ったりするでしょ?  そういう場合は、黄色の右側の重さって千差万別ってことになるわけだよね。

ただし、一応ルールを設けてある。  ランニングラインはWFのそれのように、Bellyの太さの半分ってことにして計算している。  だから・・・実際よりも少しだけ重目になるかもしれない・・・が、それよりも遠くには投げないのだから実害はないですよね。

同程度の重さの他のタイプのラインを探すための表なのである。

使い方:

1. まずLine to fishの長さを決める。  40フィートとしてSpey H 8番と同等のラインを探そう。

2. Spey H 8 の40フィートは、23.2グラム。 この列を上に辿って行って同等の重さのラインを見つければいいんです。

3. すると、DT #10 24.7グラム、WF #10 23.9グラム ってのが近いことがわかる。

私は、もっとラインを出しますよダブルハンドの長竿だから80フィートは飛ばします、って人は、Line to fish 80フィートで検索すればいいわけです。

便利でしょ。  

ダウンロードして使っていただいてもいいですよ・・・FFの世界が少しでも分かりやすくなるのに貢献できれば・・・

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廃盤マキタ集塵機の有効利用 - サイクロン集塵機を作る

2019年08月02日 | Rod Craft

何年使ったのだろう・・・マキタ集塵機M440・・・20年も使ったろうか・・・掃除機として集塵機として便利に使ってきた。

マキタ集塵機M440(廃盤)

この集塵機、音がでかいのが玉にきずだが、なかなかよく吸い取るし、たまったゴミ捨ても中のゴミ袋に蓋をしてポイすればいいので使い勝手が良かった。

内部は下の写真のようになっており、吸い込み口に専用の紙袋(1次フィルター兼ゴミ袋)を取り付ける。 ゴミは袋の中に溜まり、まれに袋を通過する微粉末はジャバラの紙フィルターで漉すことになっている。

内部

これまで紙袋は、買える時に10枚単位で買いだめしていたのだが、最後の1枚となって、いざ買おうとしたところ、どこにも売っていないのである。 調べると、この本体自体が数年前に廃盤となっていた。

じゃ~捨てるしかないか・・・だが待てよ・・・

ネットには自作サイクロン集塵機の記事がいっぱいあった。  簡単な原理で作るのも簡単だ。 

サイクロン集塵機の原理というのは、掃除機のダイソンが採用している方式と全く同じ。

筒の中央上部の吸い出し口は、別の掃除機とか集塵機とか、いわゆる空気を吸入する装置につなげる。  中央上部から吸い上げられる空気は、集塵機内を真空とするので、低気圧となって左巻きの渦を巻きながら上部に吸い上げられる。

一方、筒の横に取り付けられたゴミ吸い込み口からは、真空状態になった筒の中に勢いよくゴミと空気とを吸い込むわけだ。  そして筒の壁に沿ってくるくると回転する。  勢いよく回転するので、空気中の質量を持つゴミは遠心力によって壁に押し付けられながら回転する。  回転しながら重力で下に落ちていく。 そして筒から出て下にある集塵容器の中に溜まる。

この際、微粉末まで集塵容器内に貯められるか、それとも、筒上部の吸い出し口に吸い出されるか、これがサイクロン分離機(上部の筒の部分を分離機という)の性能ということになる。

ワシの場合は、M440が紙袋とジャバラの紙フィルターという二重のフィルターと持っているので、微粉末が飛び出ようが集塵容器に溜まろうが、どっちでもいいんだけど・・・要は木工の切りくずが集塵できればいいのである。

プレーナーをかける時にでるチップの集塵も何とかしたいと思っていたところだし、一丁作るか・・・となった。

そこで例によって、目標設定から・・・

・既存のマキタM440とその部品を有効利用できること
・大き目の集塵容器
・ゴミ袋に集塵し袋ごとすてられること
・できるだけ場所をとらないこと

で、こんなものをそろえた・・・

・45L角型ゴミペール(プラスチック製)蓋つき
・広口瓶(PE)
・コニシウルトラ多用途SUプレミアムソフト(プラ用接着剤)

木材は作業場に転がっていたものを使用した。

広口瓶の底を抜き、蓋に穴をあけVU40を通す。 吸い込み口は、穴をあけた2x4材を3個接着して整形して広口瓶のどてっぱらにSUで貼り付けた。  板の中心に直径12㎝の丸穴を開け広口瓶の底を突っ込んだ。  ここもSUで接着・・・SUってゴム糊風に使えて固まると結構強力・・・便利な接着剤。

これがサイクロン分離機

このままでも十分集塵するのだが、ゴミ袋に貯めてポイ式にするため、45Lのプラゴミ袋を入れて回してみた。  うはぁぁ~・・・ゴミ袋が吸い出されてくる・・・何かで押さえないとゴミ袋自体がM440の方に移動してしまう。

そこで一計を案じ・・・じゃ、段ボールで押さえとこ・・・捨てる時は段ボールも一緒に捨ててもエ~ヤン・・・

ゴミ袋を抑える段ボールをセット

作ったのはこれだけ・・・簡単でしょ?

自作サイクロン分離機と集塵容器45L

広口瓶の蓋は結構強度があったので、そのまま利用した。  穴をあけてVU40を差し込む。  深さは・・・広口瓶の高さの4分の3とした。  この比率(VU40の長さ)は最適なものを探り当てる必要があるので、マスキングテープを厚く巻いてストッパーとするにとどめておく。

広口瓶の蓋にVU40、仮接続

早速試運転・・・スイッチを入れるとペール缶プラスチックなので、グイ~ンとへこむ。  すごい吸引力だ。

段ボールは中央に向かって押されてはいるが、ゴミ袋が吸い込み口まで出てくることはなかった。  ゴミはゴミ袋のなかに落ちている。  ん・・・まあ使えるやろ・・・段ボールを抜いてゴミ袋ごと捨てればいいやん。

ゴミを集塵した容器内部

 

そして、この集塵機の特徴・・・使わないときはコンパクトに収納

集塵ホースを中に入れ

分離機を逆さにし

蓋をすれば

まさにゴミペール缶となるのであります。

これから3段8枚羽根の工作でゴミほこりがたくさんでるので、こっちを先に作っちまいました。

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玄関ドアの塗り替え 3 2回目の塗り

2019年06月19日 | Rod Craft

2回塗ったら、だんだん味のある色になってきました。

木の繊維が横に走っている部分がちと光沢が悪いね。  この理由は、古塗装を剥がす際に、スクレーパーを木の繊維と直角にこすったために、繊維が削れて毛羽だってしまったことが原因のようです。

次にスクレープする人は気(木)を付けましょう・・・

暇に任せて、あと何回か塗り重ねていけばよくなるんじゃ~ないの。

 

塗り2回目、塗料はSPAゴールド

削っては削り・・・塗っては塗り・・・ ドア も 船も ・・・ね

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玄関ドアの塗り替え 2 塗装1回目

2019年06月17日 | Rod Craft

古塗装を剥がしたところ、結構きれいに剥がれ、下地もシーラーが効いている部分も残っていたので、砥の粉も木固めエースも省略して、SPAバーニッシュを塗ることにしました。

面倒な作業が減ったので気が楽です。

ただし、一応、全体にサンダーをかけ、彎曲部、と角にはサンドペーパーをかけました。

SPAは古くなっており液面は固まっており、下には塗料が残っている状態です。  

表面のゴム状の塊をドライバーで穴あけして、下の液体をオタマで汲み出しました。  ほぼ同量のミネラルスピリッツで割り、よく掻き混ぜ、それを刷毛で塗りました。

木部はシーラーが効いている部分と、毛羽だって木部が丸出しになった部分が混在しています。

だから1回目の塗りは、毛羽だった部分に浸透させるのが目的になりますかね。 シーラーと同じ役目をSPAがやるだけです。

液だれするかと思っていましたが、木の吸い込みが結構激しいので刷毛から塗料がすぐになくなってしまいます。

根気よく全体に塗理上げたのがこれです。

 1度目の塗りです

2度3度と塗り重ねれば、程よく光るでしょう。

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玄関ドアの塗り替え 1 古塗装剥がし

2019年06月14日 | Rod Craft

この記事、所属させる適当なカテゴリがないので本業のロッドクラフトに入れときました。  使う道具や作業はロッドと共通ですもの・・・

さて、住み始めてから40年(キミマロか?)、雨や風、周囲の工事や取り壊し、などにさらされ、汚くなった我が家の玄関ドア・・・女房殿が、そろそろ塗り替えてよ・・・などと簡単におっしゃる・・・

そうやね・・・だいぶ痛んでるから補修しよか・・・と腰を上げた・・・またProaはしばらくお預けに・・・

作業前のドアはこんな色、こんな風になっておりました。 まあ、なんと年季の入った色じゃ~あ~りませんかっか。

右下の一画は塗装をはがしてあります

このドア、ケヤキの板にきれいに塗装がされていた。 裏側の玄関内の方は、まだピカピカしていて新品のようです。  色は黒っぽい茶色に塗装されています。  40年も風雨にさらされると、こんなになってしまうのよね~。

早速はがしにかかる・・・が・・・結構彫刻などしてあって平らではない・・・工具が要るよな~・・・

2~3mm幅の直角の溝、ルーターで削ったのか30㎜φ位の内側への彎曲(凹)、3mmφ位の外側への彎曲(凸)、等等、サンダーでは削りようがない。  仕方ない・・・手作業でやるか・・・

そこで和竿作りで使う工具、いろいろなφの掻きだし工具(矢竹の内側を削る工具)や、組紐の組玉を削った時の丸ヤスリ、竹の皮をむくための各種スクレイパー、床塗装を剥がすためのリムーバー、凸用丸豆カンナ(30mmφ)、なんかを取りそろえ、えっちらおっちら削り始めましたワイ。

各種の工具、一番奥は丸豆カンナ

先ずは彎曲部から始める・・・か

手始めに彎曲部から・・・

続いて上部の枠・・・下の木の色が出てきて意外に綺麗・・・ケヤキだね、臭うもの・・・結構したのよこのドアは・・・

平らなところは Lie Nielsenのスクレイパーで一気に削れる・・・ザ~っと気持ちよく塗装が剥がせる。 細かいところは、 Crown Toolsの小型のスクレイパーとフロントに刃が出ているカンナを使った。

塗装の浮いてしまっているところは簡単に剥がれるが、まだ塗装が生きているところは固着していてスクレイパーも効かない。  いろいろ小道具を取り換えひっかえしてとにかく塗装を剥がす。

1日目の作業はここまで・・・1日と言っても実働3時間くらいかな・・・買い物とか・・・行くし・・・

1日かかってここまで

2日目・・・白内障の手術をした目・・・右目はまだ16日目・・・削った粉が目に入る・・・これはヤバイ・・・ので、近くのコーナンにゴーグルを買いに行く。

2日目からは、ゴーグルとマスクを着用して作業する。

3日目夕刻にしてやっとこさすべてをはがし終わった。  これだ・・・

見違えるような色になったドア

木の色でも結構いけるね。

作業を急いだのは、明日から強風と雨だから・・・ほんとは今日中に隙間の補修と下塗りの木固めエースまで塗りたかったのだが・・・歳のせいで作業は遅れ気味・・・

お天気がよくなったら、隙間を木粉とエポキシで埋め、砥の粉を塗って木固めエースの下塗り、サンダーをかけて、UV対応のSPAバーニッシュを2~3回塗って仕上げるつもり。

雨の日は、やりかけのIAKOの曲げでも進めておこう・・・かな

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Spey Lineを考える・・・Spey Rodについても・・・

2019年02月10日 | Rod Craft

最近、ダブルハンドロッド用のシルクラインについての問い合わせをいただいた・・・作れるか?・・・と・・・作れんもんはあらへんけど・・・どんなラインが欲しいの?・・・???・・・

いわゆる・・・スペイライン・・・と呼ばれるものだ。  スペイという言葉はスコットランドの川の名前だそうで、そこでアトランティックサーモンのような大きい魚を釣る釣り方から来たようなことが、どっかに書いてあった。

それで、ダブルハンドキャストだとかスペイキャストだとかについて調べてみたんだな。

う~ん、竿が長いだけで、ワシが昔やってたシンキングラインのキャスティングと同じだな・・・と感じた。

ワシにも、シンキングタイプのWeight Forwardラインや、シンキングタイプのシューティングヘッドに楕円のシューティングラインをつないで飛ばしてた時代があったな~・・・ 加賀FAなんかで・・・

その時のラインをピックアップするときの原理が、そのスペイキャスティングと全く同じなんだな。

フローティングラインなら、水面にあるラインをそのままロッドでバックキャストに持っていけるんだが、シンキングの場合はラインが水中に沈んでいて、そのままバックキャストには持っていけないんだな。  とにかく重い。  だからフォルスキャストやフォワードキャストに持っていく前に、水中のラインを空中に出さなきゃ前にも後ろにもキャストできない。

そこでワシがやってた方法は、何回かロールキャストをダミーで繰り返し、ラインが水から出たころ合いでバックキャストに移り、前にシュートする・・・てな感じでやってた。  または、左右にロッドを大きく振り、ラインを水面に浮かしてからロールキャスト・・・てな感じ・・・ダブルスペイとかスネークロールとか言うんかな・・・バシャバシャとね・・・

デッカイ魚を釣るにはそれなりに太くて長いロッドが必要になるのは当然のことだね・・・釣れた時のことを考えればね・・・

12フィート、13フィートというロッドは、もし竹で作ったロッドだと重くて一日振り続けるのはワシなど年寄には無理。  もちろん両手じゃないと投げられるもんじゃありゃしません・・・だからダブルハンドロッドになるんですわ。

そんな重い竿振り回すくらいならルアー投げてる方が、体の負担はじぇったいに少ないはずだ。

だが、フライフィッシングでフライでサーモンを釣りたい、という釣り師は五万とおり、スペイフィッシングという世界がすでに出来上がっておるんやね。  しゃ~ないね・・・

そこで、スペイロッドとスペイラインについて更に調べてみたんやね。

だいたいスペイロッドの番手ってどうなってるん?・・・こうなってます・・・無茶苦茶になってます・・・

下の表はAFFTAという組合が標準として決めたラインの決まり・・・昔はAFTMAという組合が作った表を使っていたが、シングルハンド用のラインはそのままAFTMA規格が使われている。  AFTMA規格ではフライラインは1番から10番までで、それ以降はサーモン用のラインとされていた。

AFTMA=American Fishing Tackle Manufacturers Association=全米釣具製造組合

AFFTA=American Fly Fishing Trade Association=全米フライフィッシング取引組合  

スペイラインちうのは、そらもう様々なものが作られていて、番手表示が付されている。 ところが、ロッドを作る側からすると、xx番ライン用ロッドといういい方をするには、スペイラインの世界では、もう無理な状態になっておるんだな。  よ~く見てちょ・・・

  

この表のおかしなところは、右側にあるスペイラインの表で、左端にあるライン番手に対応するスペイラインは、H,S,M,L と一つではないんだな。 ましてや、同じ番手#が付いていても、H,S,M,Lのラインの重さが異なるんだな。  

ロッドメーカーは一体、どのタイプのラインを前提にして作ったロッドに番手を表示することができるんやろ?  無茶苦茶やね。

大体ロッドは、一定の重さのラインを飛ばすことを前提にしてロッドテーパーを決めて作るのが常識・・・もちろん、一定の幅は持たせてはあるのだが・・・

ところがAFFTA規格ってやつは、同じ番手のラインでもラインタイプが違うとヘッド重量が、みな違う。  

例えば、番手#7のスペイラインを見てみよう。

ショートヘッドHの#7は、19.5グラム(40フィートで)、ショートベリーSの#7は30.5グラム(55フィートで)、ミディアムベリーMの#7は33.1グラム(65フィートで)、ロングベリーLの#7では42.2グラム(80フィートで)が標準の#7を名乗る。

これじゃ~、何番手用ラインのロッドです、という世界はなくなってしまう。

例えば、ロッド設計で、30グラムのラインをちょうどよくキャストできるものを作ったとしよう。  さて、このロッドは何番手のラインを使えば良いのでしょう?

こんな風にロッド側で表現しないと、ロッドのお客様は大混乱をきたしてしまいます。

このロッドは

ミディアムベリーMの#6ラインをWeight Point 65フィート位まで出して使う
ロングベリーLの#6ラインを約60フィート位出して使う
ショートベリーSの#7ラインを約55フィート位出して使う
ショートヘッドHの#10ラインを約40フィート弱出して使う

・・・ためのロッドです。  

この場合、一体ロッド番手ってのは何なの?・・・

ライン番手ってのはロッド番手と対応していなければ、お客さんが大混乱するじゃないの!

どうすべきかは、最後に教えてあげるとして、スペイラインの現状を見てみよう。

下の図は、いろんなサイトからパクってきたスペイラインの種類を表している。  いろいろあるね~・・・

Traditionalというのは、シングルハンド用WFラインと似ているので問題はないが、ラインのテーパー付けはシングルハンドとは異なっている。 

Scandinavian(Scandiと略)タイプは、まさにスカンジナビア半島でよく使われている方式で、シューティングヘッド。  アンダーハンドスペイキャストってのは、このラインに対応している。

RageというのはAirfloというメーカーのシューティングヘッドで、短くてRageな(荒くれな)シュートをするためのもの。 Scandiよりも短い。

Skagitというのはアメリカのスカジット川で使われれる、短めのシンキングチップで重いフライ を投げるためのシューティングヘッド。 流れが速いので早くフライが沈むように工夫されている。

こんなにいろいろなタイプのスペイライン、シューティングヘッドがあるんよ。 

各メーカーが更に、こんな仕様表を出している・・・

Airfloの短いシューティングヘッドだけでもこれだけの種類がある。 

次はRIOというメーカーのSkagitタイプ、こちらは良心的にライン番手での表記はない。

 

 AFFTAが混乱を生成するための規格表を決め、ラインメーカーはAFFTAには従うが、いろんな種類のラインにいろんな番手を付けている。  間に立ったロッドメーカーとお客さんは、右往左往という状態ではないか。  

昔からフライの世界では、ゲージによる直径表示、NAACによる太さ表示、AFTMAによる重さ表示、が標準とされて今日まで来ている。 そこに持ってきてAFFTAが、また昔にさかのぼるような標準規格をだすなんて・・・

こうすれば混乱はなくなるのだよ。

どんな種類のスペイラインでも、

Weight Pointでxxxグラムのものはxx番とよぶ。 
ロッドはそれ(重さ)に対応した番手xx番を付す。

こうすれば、ロッドメーカーは重さでロッドテーパー設計ができるし、
ラインメーカーは自由なラインテーパーを設計できる。

そして最も大事な点、お客様は混乱なくロッドもラインも同じ番手番号で対応して選ぶことができる。

”このロッドは、スペイラインのメーカー表示で、Weight Pointにおいてxxxグラム(グレイン)のシューティングヘッド、Traditional、Scandinavian、Skagit、Rage、などのラインに最適です。”

”このラインは、xxxグラム(グレイン)を最適な負荷として設計されたロッドに適合します。 ロッド番手とライン番手が対応しています。”

とはいえ、AFFTAしかスタンダードがない以上、ロッドメーカーの方で、次のように表記しなければなりません。

”このロッドはスペイ用 Hの7番です。 ロングベリーの#7ラインは投げられません。”  とか、

”このロッドはスペイ L‐#7 650グレイン 用”   

”スペイ 7番 300~650” と書いてあるようなロッドは、愚の骨頂で、これはスペイラインのAFFTA規格をそのままロッド上に写しただけの脳味噌しかない人が作ったロッドだとしか考えられません。

 そういうことだろっ!?

今時点では、ロッドメーカーもどんな条件でロッドを設計しているのかも分からず、とにかく#xxのスペイ用のシルクラインを編んで頂戴、といわれても、何を作って良いものやら・・・かいもく分からないのであります・・・はい

 シルクラインのスペイラインをご依頼される方は、次のように依頼していただければ編むことができます。

Weight Point xxフィートに於いてライン重量 xxグラム(あるいはグレイン)、Total Head Length xxフィートのシューティングヘッド、あるいは、WFスペイラインで全長xxフィートのTraditionalスペイラインで、Total Head Weight xxxグラム(あるいはグレイン)、をシルクで編んでちょ~・・・と。

当然、ロッドの方はそれに適合するロッドであることは依頼者の責任範囲となります。

ついでながら、バンブーのダブルハンドロッドの製作を依頼されるかたは、次のように依頼される必要があるでしょう。

Scandiタイプのシューティングヘッドを投げるロッドで、全ヘッド長 xxフィート位、Weight Point xxフィート位で、ヘッド重 xxグラム(またはグレイン)のラインを丁度良く投げられるロッドを設計して作ってちょ・・・ロッドの長さはxxフィート位で・・・と。

あるいは単に、”ダブルハンドのM-#7 12フィート 510グレイン用”を作って・・・と。

AFFTAのSpeyライン標準の表は、ラインの種類を重さ別に整理したものである。  主にラインの視点からね・・・

ロッドメーカーは、単純にシングルハンド用ラインのようには参照しにくいが、表はS,H,M,Lの4種の別のSpeyラインが1表にまとまったものだと考えれば存在価値ないでもない・・・

ロッドメーカーはSpeyロッド上には、このS,H,M,Lを付したライン番号を表記するようにするべきなのである。

ただ、Speyロッドの xx番といったら、おおむねこの程度の硬さ・柔らかさというグループ感は欲しいね。 同じ7番のロッドなのにSとHライン用では雲泥の差があるってのは・・・どうもいただけないのであります。

次回はロッドメーカーの視点も入れた規格を作ってもらいたいものだ・・・ぶつぶつ・・・

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海底に眠っていた竿

2016年11月04日 | Rod Craft

トップガイドの壊れた竿があったので倅に聞くと・・・うん、それ、こないだ投げ釣りしていたら・・・釣れてきたんだ・・・という。  へ~竿とリールが釣れてきたんだ・・・さすがに魚は着いてなかったようだ。

どうやら前の使用者が置き竿で釣りをしていて・・・大物が、例えばエイとかが・・・竿を海に引きずり込んだのかも・・・あるいは壊れたので捨てた・・・のかもしれない。

竿自体は安いグラス製でリールも型が古く使い物になるのかどうか・・・

だが・・・壊れた竿を見ると修理したくなるのがワシの性・・・直してやろうか?・・・ああ、頼む・・・ってな調子で修理を引き受けた。

リールは塩が結晶していて糸も真っ白になってるが・・・なんとか動くが全体的に締まりがない。  ゆるゆるな感じ。

竿の方は・・・

トップガイドが割れてる。

2ndガイドも足が欠けてる。

竿尻のキャップが無くなって、振出竿の尻が見えてる。            

キャップを受ける竿尻のプラスチック部分は擦れてすり減ってる。 ネジが効くやろか?

トップのブランクの長さが短いので収納するとガイドが当って傷みやすい

巻いてある糸は使い古されてボロボロになってる

・・・とまあ、使えなくはないが・・・要らないかな・・・的な竿

 

でもまあ、修理と決めたんだから修理してみた。

トップガイドを交換

リールシートの位置を変更してバランスを修正

トップブランクに丸竹で下駄をはかせて長さを合わせ

キャップをまな板から削り出して内側にメスネジを切った。 ぴったり

ほつれた糸をまき直し、エポキシで塗装し直して完成

 

修理代の方が高そうな竿・・・

まあ、キスの投げ釣りくらいには使えるだろう。

 

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船竿も修理しちゃおう

2016年08月24日 | Rod Craft

先日ソゲ(ヒラメ)を釣ったことに気をよくして、あの場所なら置き竿に都合のいい竿があったな・・・と、昔、それも大昔使っていた舟竿を引っ張り出した。

この竿は、浦安の吉野家から船に乗り、アジやキスを釣った竿だ。  ちょっと硬めの竿だが20~30号くらいの錘を垂らすにはちょうど良かった。

あの場所で、タコなんか釣るのにはいいかもしれないな・・・などと妄想したりすると楽しくなってくる。  タコは釣れると岸壁などに張り付いてしまうので、硬い竿じゃないと引っぺがせない。  

この硬さならクロダイ用の置き竿としても使えるし・・・と妄想は膨らむ・・・

で、竿を探し出して見ると・・・壊れてる・・・錆びてる・・・竿尻の石突が割れてる・・・ガイドがなくなってる・・・

使い物にならない。

もともとは3本継ぎのグラス竿

こんなプラスチックのガイドが付いていた

錆びてこうなってる

ワシらが若かりし頃、30~40年前頃、には大半がこのようなプラスチック製のガイドが付いていた。

今探しても見つからない。    

Fujiのガイドも1式買うとなると4千円とか7千円とかの値段になっちまう。  世の中おかしいのか?

ネットで安いガイドを探し求めていたら・・・なんと、あったではないかっか。  ・・・これ!

トップガイド付きのガイドセット・・・7つの3本脚ガイドとトップガイドのセット・・・トップガイドのパイプ径は指定できる・・・これで、なんと、1070円・・・送料は160円。 (興味ある方は、ネットで東雲釣具店を検索してね。 トップガイドのサイズ取り換え等親切に対応してくれました。)

お徳用ガイドセット・・・ちょっと華奢なような気はするが・・・

まあ、Tip先端用のガイドは、ちと脚が高いのが難ではあるが、安い竿だし、置き竿だから大した問題ではない。

さっそく修理に取り掛かる。

竿尻の欠けた部分は、白いまな板(PEだと思う)の破片を削り取り付けた。 もちろん旋盤での作業。

削りだした竿尻を接着

ガイドの取り付け・・・大物がかかるといけないので・・・脚の間にも力糸を巻いた。

ガイドのラッピング

トップガイドを取り外してみると・・・なんと竿先がひん曲がっていた。  これを直そうとライターの火を近づけると・・・すっと火を吸い込んだ・・・まっすぐにはなったが・・・

火を吸い込んだ・・・燃えたということ・・・部分は白くなり力が抜けたようになってしまった。

これで約1㎝Tipの先端が短くなった・・・硬い竿がもっと硬くなった・・・だが置き竿だから・・・

取り付けた肘付トップガイド

修理の終わった3本継ぎの船竿

糸を巻いてあるところ(ラッピング)は、今回のガイドの部分も、古い糸の部分も、すべて塗装して竿は新品同様になった。

なんか得した気分・・・

塗装済みラッピング

新品と化した置き竿

 

待ってろクロダイ・・・タコ~・・・

 

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またまた磯竿の修理

2016年08月13日 | Rod Craft

こないだ館山でソゲ(ヒラメ)を釣った磯竿・・・ガイドを交換したばかり。(過去記事参照)

洗っておこうと全体にシャワーをかけ、くっついているイワシのウロコなどを洗い落とした。  この振出竿、ソゲに引っ張られて海に落っこちたので、竿内部にも海水が入ったと思われたので、竿尻を外してジェット水流を内部に流し込んだ・・・

そこまではよかったのだが・・・洗い終わって洗い場に目をやると・・・なにやら落ちている。  なにかな?っと思ってよ~く見ると・・・なんとトップガイドと、それに続く移動式のガイドが2個固まって落ちていた。

この竿が振出し竿であることも忘れ、竿尻からジェット水流を流し込んだので、中空のブランクが勢いよく飛び出したんだな。  竿先が飛び出して洗い場のコンクリートを突いていたのだろう・・・トップガイドのパイプの根本でポッキリと折れているではないの!  細いんだから磯竿のTipは・・・

こないだガイドの修理をやったばっかなのにな~・・・ぶつぶつぶつ

んで、よく見ると、トップガイドの先端は極細で、ガイドパイプの外径が1㎜ちょうど。  とすると、内径は0.8~0.9㎜くらいか・・・どうやってパイプに詰まっている竿の断片を取り除くのか・・・それが問題だ。

内径に入るドリルなんて見当たらない。  縫い針だけ・・・入るのは・・・

仕方がないのでライターでパイプを焼いてみた・・・すると・・・中に詰まっていたものが燃えてパイプから炎が出てるではないかっか。  この竿・・・グラスファイバー製のはず。  グラス繊維って燃えるの?  塗料かな炎は?・・・

いったんパイプを真っ赤に焼いて、マチ針で内部をぐりぐりすると・・・黒い粉が出てくる。  グラスが焼けて粉になったのか?  なんどもなんどもグリグリを繰り返し、ティッシュで細い紙縒りを針に巻き付け、お掃除を繰り返した。  針先がパイプの先端まで届いたと思われた。

マチ針でグリグリ

次の問題は、残った穂先の先端が、この細いパイプに入るだろうか・・・という問題。

竿は黒い塗料で塗装されているが、内部はガラス繊維のようだ。  とりあえず、1000番の耐水ペーパーを2つ折りにして先端を削る。

削ってはパイプに合わせ、を続けること焼く30分・・・やっと目いっぱい入るところまで削った。  細いので繊細な作業だ。

Tip先端の細さ・・・指でつまんで竿を持ち上げても、くにゃくにゃと曲がるだけで折れる風情はない。  なんでトップガイドの根本で折れたのか?  縦に力が働いたからだろう。  竿は90度方向に曲げても折れないようにできているのだから・・・

この細さ、竿先を削ってパイプに入ることを確認

そして接着・・・

90分硬化のコニシボンド(2液性エポキシ)を練り、竿先とパイプの内部に塗り込む。  パイプ内部にはマチ針でないと入らないので、何度も何度も入れ込む。

内部にもたっぷりと入れる

そして竿先をパイプに入れると・・・竿先が出てきちゃう。  パイプ内部の空気が外に出られなくて、竿先を押すので出てきてしまうのだ。  これはフライロッドを作るときにフェルールを竹に接着するときにも起こる問題だ。

解消法は、パイプをライターで軽く熱して、エポキシが緩んだ時に一気に押し込むと、内部の空気がブビッと出る・・・筈なんだが・・・出ない・・・パイプが細すぎるのだ・・・間に隙間がないのだ。

仕方がないので、糸でパイプとトップガイドを固定。  エポキシが硬化するまで90分間この状態で養生する。  乾燥後に糸を外す。

糸で一時固定する

・・・ということで、ソゲを初めて釣った竿の修理完了。

接着剤が乾燥し完成で~す

 

でも、あのときこの竿、海に落ちても沈まずに浮いていたな・・・スピニングリールが付いていたにもかかわらず・・・浮いていた。  振出し竿で密閉度が高く、内部の空気が結構な浮力を持つんだね。  沈んでいたら取り返せなかったね。

 

とにかく、ソゲを釣った竿だ・・・大事に使うことにしよう。

またソゲ釣るど~。

 

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投げ竿、磯竿 ガイドの修理・交換

2016年05月30日 | Rod Craft

フライロッドじゃ~ないんですけど・・・40年も前に使っていた海用の竿のガイドが腐ってましたので修理しました。

1本は、グラスの安~い投げ竿。  会社の保養所のあった館山の海岸でキスの投げ釣りに使ってました。  ガイドはプラスチック製でしたが、劣化して割れており、トップガイドはさびて足がなくなってました。

ガイドを外して小口に糸を巻きました(径をあわせるため)

ガイド付近の竿の直径を測って、Fujiのガイドで適当なものをオーダーしました。 

径に合ったサイズのガイドを購入

 

もう1本は、磯竿。  メジナを釣ろうと思って購入したものです。  が、釣れたことはありませんでした。

不思議なことに、途中のガイドが取れて消えてしまってます。  振出し竿なのでガイドが外れてもすっぽ抜けることはないはずですが・・・どうやって無くなったんでしょうね・・・

もう1か所は、接着が剥がれ、竿の小口が割れてしまっていました。

割れた小口と剥がれたガイド

糸を巻いて割れて無くなった小口部分を接着剤で復元するか・・・割れた部分を切除するか・・・特に悩む必要もないので、切除することに。

割れた小口を切除します

中の竿を傷つけないようにテープで保護し、カッターナイフでゴリゴリと慎重にカットしました。

慎重に慎重に

そして絹糸を小口に巻いて、割れがさらに拡がらないようにして90分硬化のコニシボンド(エポキシ)を塗りこみ接着しました。

養生中の竿2本

ガイドさえ手に入れば修理や交換は簡単にできるものです。  ただ・・・海釣りの竿のガイドって・・・そんなに安くないのが玉にきず。

これでいつでも海釣りにいけます。

 

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