よろず淡日

淡海の日夏で 今どきよろずや
古道具と駄菓子、地域のものなど

「父の目」写真展、終了しました

2018-03-27 | ギャラリー
「父の目」故疋田正直写真展は、昨日で終了いたしました。
ギャラリーにお運びくださったみなさま、ブログなどをご覧くださったみなさま、ありがとうございました。


今回の展示の冊子に、下記の文章を掲載しました。『父の死を迎えて思うこと』。
・・・・・
昭和5年10月6日生まれ。だから山本五十六と覚えたらええ、と言っていた。
明治維新以後、いや、日本の歴史の中でも、先の戦争は大きな出来事であったと思う。
家を、国家を背負い、しなくてもよい若さなのに海軍に志願して、戦地に向かう前に敗戦となった。
近江の家にはよくあることで、三男ゆえに養子に出て、大阪で質屋業に入った。
鍋、釜を持ってきて、食べるための金を借りに来るという、どさくさな場。
子どもだった私の耳にも聞こえてくる、店先で泣き崩れる女の声、無礼な男性客に切れる父の声。
今回の写真は、そんな中で撮っていたものである。
店がうまくいかなくなり、刺繍の機械を家に入れ、一日中回し続けた。家を何とか保とうとする中、次第に写真も撮らなくなった。
名前の通り、正直な人であった。私の語る理想論などは、何の説得力も持たなかった。
そんな父が亡くなった。大きく対峙していたものが、スッと自分の中に入ってきたような感があった。
実家のものを整理をしていたら、忘れられていた大きな写真が何枚も出てきた。
この父の眼差し、この正直なリアリティに育ててもらったと実感した。
"真”をうつそうとしたその心を受けて、私ももらった名の通り、実(じつ)を成すことが努めなのだと思えてくる。

よろず淡日 疋田実
・・・・・

この度の展示は、昭和の時代の変わり目の頃の写真ということで、
お客様のご家族の思い出や、お父様やおじい様が写真を撮っておられたお話し、
その時代の様子、大正、昭和の時代の空気なども、伺うことが出来ました。
「うちの親戚も、質屋してはった」
高度経済成長期、彦根から大阪に出て、質屋をされていた方が多くおられたのだそうです。



山下克彦さんから届いた、正直宛の手紙/作品です。ありがとうございます。

3/30(金)は、出店のためお休みさせていただきます。
4月のギャラリーは、古道具の常設展です。
どうぞよろしくお願いいたします。
コメント
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