よろず淡日

淡海の日夏で 今どきよろずや
古道具と駄菓子、地域のものなど

写真展、明日からです!

2018-03-08 | ギャラリー
3/9(金)より、淡日のギャラリーにて、「父の目」 故疋田正直写真展を行います。
昭和30年後半から40年代にかけて、大阪を中心に撮影された40枚以上の写真。
日常をさまざまな視点で見ていたことが伺える写真です。
どうぞご覧くださいますようお願いいたします。

「父の目」 故疋田正直写真展
2018/3/9(金)~26(月)
金・土・日・月と祝日の11時-18時
よろず淡日のギャラリーにて


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父の死を迎えて思うこと

昭和5年10月6日生まれ。だから山本五十六と覚えたらええ、と言っていた。
明治維新以後、いや、日本の歴史の中でも、先の戦争は大きな出来事であったと思う。
家を、国家を背負い、しなくてもよい若さなのに海軍に志願して、戦地に向かう前に敗戦となった。
近江の家にはよくあることで、三男ゆえに養子に出て、大阪で質屋業に入った。
鍋、釜を持ってきて、食べるための金を借りに来るという、どさくさな場。
子どもだった私の耳にも聞こえてくる、店先で泣き崩れる女の声、無礼な男性客に切れる父の声。
今回の写真は、そんな中で撮っていたものである。
店がうまくいかなくなり、刺繍の機械を家に入れ、一日中回し続けた。
家を何とか保とうとする中、次第に写真も撮らなくなった。
名前の通り、正直な人であった。私の語る理想論などは、何の説得力も持たなかった。
そんな父が亡くなった。大きく対峙していたものが、スッと自分の中に入ってきたような感があった。
実家のものを整理をしていたら、忘れられていた大きな写真が何枚も出てきた。
この父の眼差し、この正直なリアリティに育ててもらったと実感した。
"真”をうつそうとしたその心を受けて、私ももらった名の通り、実(じつ)を成すことが努めなのだと思えてくる。

よろず淡日 疋田実

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父の撮った12枚の写真と上記テキストを収めた冊子と、ポストカードを作りました。
冊子は600円、カード150円です。
よろしくお願いいたします。
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