ブログ「教育の広場」(第2マキペディア)

 2008年10月から「第2マキペディア」として続けることにしました。

NHK の広場、15、ドイツ語(14、esの必要性、他)

2005年07月17日 | NHKの広場
 NHKラジオドイツ語講座、荒井 訓 様

 前略
 今回も充実した内容で感心しています。
 〔2003年〕01月21日の放送について感想を書きます。

1、Ich weiss es nicht. について、「日本語では『分から
ない』だが、ドイツ語では es が必要」と説明したのは適切だ
ったと思います。ここでは同時に、英語とドイツ語の違いを指
摘すると更によかったと思います。

ご参考までに。関口存男さんは次のように書いています。

「英語では、例えば Has he said anything about me? に対
する答えとしては Yes, he has. とか No, he has not 等の形
が常則であるが、ドイツ語では Hat er etwas von mir ge-
sagt? に対しては Ja, er hat とか Nein, er hat nicht とは
答えない。必ず Er hat es getan, Er hat es nicht getan と
答える。省くにしても, getan は省くことはあっても, es の
方は絶対に省かない。

 しかし、ある種の場合、たとえばここのような、おうむ返し
の反問("Freilich habe ich ihn schon oft genug gebeten."
"Habt Ihr, Agathe, habt Ihr wirklich ?" fragte der
Juengling. "Gewiss" antwortete Agathe und erroetete. )
にあっては、英語と同様の形になる( Habt Ihr?、英語: Oh,
have you? )。もちろん Ach, habt Ihr das? とも言う。」
(「理髪師チッターライン」三修社 50 頁)

 2、すぐその前には次の会話文があります。

Leo: Pst! Ich hoere etwas. Was ist das?

この Was ist das? はなぜ Was war das? ではないのかは説
明してもよかったと思います。

関口さんは次のように言っています。

「たった今引用したばかりの文句に対する間投的批判、たっ
た今聞いたばかりの文句(文句だけではないが)に対する反射
的反応としての批判的な文には、特に過去形を用いるのが西洋
語一般の習慣である。」

そして、次のような用例を挙げています。

1, Das kam nicht aus Ihrem Herzen!
 (それはあなたの本心から仰ることではあるまい)
2, Das klang wie ein Hohn!
(それはまるで皮肉みたいじゃありませんか)

3, Das war ein Wort! (よく言った!)
  4, Was war das? × Was ist das?
(何か怪しい物音を耳にして、今のは何だ)
(『労働術』三修社 63 頁)

私の集めた用例の中にも次のようなものがあります。
Ploetzlich aber wacht Hans auf. Er glaubt, er hat
etwas gehoert. Es klingelt wie die Klingel an der Haus-
tuer. Was kann das sein? Zum drittenmal hoert er die
Klingel. Nun wacht Erich auch auf. "Was war das?"
fragt er.
(「エーリヒとマリア」白水社 46 頁)

 しかし、21日の放送の部分では、その音が進行形的に続いて
いるから Was ist das? と現在形で聞いたのだと思います。

 今後も好い放送を期待しています。
                      草々
2003年01月23日
                    牧野 紀之


 批評

 これに対しても返事はありませんでした。

 前回書いたことは間違っていたかな。ここでは自分の調べた
事を積極的に書きすぎています。
  (2005年07月17日)


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