ブログ「教育の広場」(第2マキペディア)

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NHK の広場、9、ドイツ語(08、先行詞の冠詞)

2005年07月11日 | NHKの広場
 NHKラジオドイツ語講座、山本淳様

前略
貴下の初等ドイツ語講座はほとんど欠点のないほどよく考え
られたものになっていると思います。特に Hoerverstaendnis
を重視したあり方は時代の要請に応えるものだと思います。内
容的にも適切だと思います。

しかし、9月になって1つだけ気になったことがありますの
で、ご参考までに私見を書きます。

9月の第2週では関係代名詞(関係文)を取り上げました
が、そこでは、テキストには先行詞に不定冠詞の付いたもの
(例1)が出ているのに、文法説明では先行詞に定冠詞の付い
た文(例2)を使っていました。そして、この点についての説
明が全然なかったと思います。これは少し不用意だったのでは
ないでしょうか。

例1
1. In der Dulferstrasse wohnt ein kleines Madchen, das
alle ..
 2. Sie haben einen Hund, der sprechen kann.

例2
3. Wer ist der Mann, der dort druben steht? usw.

又、第3週のテキストにも次の文がありましたが、説明がな
かったと思います。

4. Normale Menschen koennen damit gar nichts tun, aber
manche Kinder, die ein sehr feines Gefuehl haben,
koennen damit anderen Leuten helfen.
 (manche Kinder, die が先行詞に不定冠詞の例になる)

 たしかに限定的関係文の先行詞に定冠詞の付いている場合と
不定冠詞の付いている場合の違いを説明するのは当面の課題で
もないし、かなり大変な事(中級ドイツ語)だと思います。で
すから、それを避けるなら、テキストの方を全部定冠詞の付い
たものにするという方法もあったと思います。

逆に、今のままなら、「こういう問題があるが、それはここ
では説明できないから、各自勉強してほしい」と言って、参考
文献を挙げるという方法もあると思います。私は後者の方法が
いいと思います。

定冠詞と不定冠詞の違いを考えるのにこの場合はかなり好い
例だと思いますので、この機会を逃したのは惜しまれます。

貴下のような若くて優秀な方がどんどん,出てきているのは
嬉しいことです。

よろしく
                    草々
2002年09月19日
     牧野 紀之

付記・この手紙にも返事がありませんでした。
(2005年07月11日)


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