NTT労組退職者の会広島県支部協議会

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令和2年4月定例句会 第17回「花衣会」

2020年04月26日 00時52分34秒 | 俳句

 

 今月の特選句

   コロナ禍の列島燕低飛行・・・泰行

       

         俳句・川柳などの短詩型文芸の同好会「花衣会」では、毎月各自3句の作品を

   会報に投句し発行しています。

   その発行数は、今月で97号になりました。

    また、昨年から勉強会として、句会を2ヶ月毎に開催しています。

    今回は、新型コロナウイルス感染予防の為、勉強会は中止となりましたが

   投句は実施しましたので、その内容を報告します。

 

  第17回 「花衣会」句会中止(コロナ対策)!!

      と き  令和2年 4月16日(木) 午後2時から

    ところ  広島市基町 NTT基町ビル7階 会議室

    出句数  各自3句

    リーダー 立川 良臣

    講 師  岡部 泰行

 

   上記の要綱で実施予定でしたが、残念ながらコロナ禍の要請にもとづき、

  句会は中止とさせていただきました。

   投句は行いましたので、出句3句の中から1句ずつ事務局で選句した作品を、

  掲載させていただきます。

 

    春雷止み柔らかに虹生まる・・岡部 泰行

    啓蟄や菰外されし松緑・・・沖本 惠子

    花びらの小さき渦をつむじ風・・・勝島 千波

    七十五回忌桜舞い散る原爆碑・・・立川 良臣 

    戦艦の浮かぶ港に桜咲く・・・土居 旭

    到来のゆずを浮かべて風呂に入る・・・長岡 和子

    春日和港見ながら登るやま・・浜本 文雄

    春時雨桜満開散り急ぐ・・・小林 順子

      

     今回も力作ありがとうございました。

    研鑽の成果が、少しずつ現れているのではないでしょうか

 

      次回は、6月18日 (木) 午後2時からです。

   会場は、NTT基町ビル7階 会議室です。

    投句は、3句を6月10迄に土居までお願いします。

 

 

    ***「花衣会作品集」100号記念誌発刊について***  

      ・「自分の想い」を200文字程度の小文に

      ・「自選作品句」を20句(発表済、未発表いずれも可)

      ・「作品のタイトル」を付けること

      ・締切日 6月の勉強会までに土居まで

      ・発行予定 7月頃

      ・編集委員 岡部、立川、沖本、土居

      以上、よろしくお願いいたします。

 

 

    ~「故・林世紀雄さん追悼句集」~

    去る1月31日に逝去された当会の元会長、故・林世紀雄さんを偲んで、

   追悼句集を発行しました。

    ここに、会員の皆さんから頂いたの投句の一部を紹介します。

  

   梅日和この世の静寂持って逝き

   桜園の空気を食べて君は逝く

   波乗りの鷗の背なに君の幻影(かげ)・・・岡部 泰行

   

     入彼岸西の彼方の君想う

    菜の花の丘越え行かば雲はなし・・・沖本 惠子

   

   今生の離別早逝夜の桜

   春寒のコロナに遭わず君は逝く・・・勝島 千波

   

     小春日和や威徳を偲ぶ山仲間

    遺影眺む桜花とともに顕わそう・・・立川 良臣 

   

   春浅き熊野の郷に亡友訪ぬ

    はかなさを遺影が語る春の刻・・・土居 旭

   

   桜見ず鬼籍に入りしやまおとこ

   春寒や遺影微笑む友の顔・・浜本文雄

    

   病臥して春を待たずに逝きし人

    花冷えや在りし日偲び句集読む・・・小林 順子

  

 

   

           じゆうな広場

 

     ー追悼稿ー ほんとの空と紅葉を見に

                             林 世紀雄

    ある日、女房の口から「お父さんが一日でも家にいなければ、朝・昼・晩の

   食事の支度をしなくて済むから助かる」と言う。 私はこれ幸いと思い、早速

   紅葉狩りにでも行こうと思った。 関東にいる子供に連絡し、二人で十月初旬

   福島の安達太良山(1、718m)に行くことにした。

    と言うのも、あちこち初心者クラスの山の紅葉情報を調べたところ、安達太

   良山なら頂上付近の紅葉が始まっているとの事であった。また、安達太良山と

   言えば高村光太郎の智恵子抄に出てくる山で、「安達太良山の山の上に毎日

   出ている青い空が、ほんとの空・・・」を思い出し興味もあった。

    車で東北道を子供と交互に運転し、SAでは地元のお菓子等を試食しながら

   行く。 前日は、登山口近くの奥岳温泉に宿泊。お湯は源泉で乳白色、えらく

   熱いのにビックリした。 宿でTVを見ていると、気象情報に放射線量も放送

   している。 改めて、原発事故の大きさを再認識した。

    翌日、登山口からロープウェイで一気に1、350mの薬師岳へ。 ロープウェ

   イからは紅葉が見えず、がっかり。 ところが、なんと、薬師岳から安達太良

   山に向けて紅葉が始まっており、赤黄等の濃淡がはっきりしていて美しかった。 

   山装うとは、このことを言うのだろうか。 

    安達太良山は初心者クラスの山のせいか、老若男女の登山者がたくさん来て

   いる。 頂上で歓声をあげる人、写真を撮る人、食事をする人等、其々、秋の

   一日を楽しんでいた。 当日はあいにくの薄曇り、時々山特有の霧が発生する。

   そんな中、会津磐梯山の美しい姿も見る事ができ感謝する。

    下山後、登山口の奥岳温泉のお湯に浸かり、山の疲れを癒し帰路に着く。生

   まれて初めて子供と二人だけの旅。また今までろくに話をする事もなかったが、

   旅の途中ゆっくりと話ができ、良い思い出となった。 目的の紅葉狩りは達成

   できたが、安達太良山の空は薄曇り、智恵子の言う「ほんとの青い空」を見る

   ことは出来なかった。

    今、智恵子が生きていて福島の現状を見たら、どんな思いになるのだろうか・・。

    また、女房は私がいない間、本当にゆっくり出来たのだろうか・・・。

   (この稿は、平成29年11月の花衣会作品集に掲載したものです。) 

    

    *このコーナーは、花衣会会員の自由な想い、意見、感想などを

    綴ったコラムです。

     遠慮なく投稿願います。 お待ちしております(土居記)

 

 

 

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