『最後の瞽女(ごぜ) 小林ハル96歳の絶唱』という
CDを聞きました。
小林さんは、明治33年(1900)、新潟県の(現)
三条市に生まれ、 生後3ヵ月で 白内障を患って
失明します。
親が占い師に見てもらったところ「この子は長生き
する」とのこと。それだけに、「一人で生きていく術を
教えなければ」と、母親はハルに厳しい躾けをします。
5歳で「瞽女」に預けられ、三味線と唄の修行。
それがすさまじい。
「寒30日の修行」は、雪の降る中、信濃川の岸辺で
対岸まで届くような大声で歌う。喉がつぶれ 血を
吐いて、声が出なくなっても続けるというもの。
そうした訓練によるものでしょうか、ハルさんが
96歳で吹き込んだCDは、実に若々しく朗々と
ハリがある声です。大地の響き、血の絶唱!
聞く者は、まずその声量に圧倒されます。そして
技巧も衒(てら)いもない 無心で歌う姿に 心 惹かれ
ます。
瞽女や虚無僧、津軽三味線の「ぼさま」が 村々に
受け入れられたのは、まさに、人々の心を打つ
生き様だったのではないでしょうか。
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