「土方歳三」といえば「栗塚旭」。一番のはまり役だった。
栗塚旭は、1965年の『新撰組血風録』と、1970年の『燃えよ剣』で「土方歳三」役をやり、すっかり「土方」のイメージが定着してしまった。そして、局長の近藤勇より、「土方」の方が主役を奪ってしまったのだ。
鬼の副長「土方歳三」を演じた「栗塚旭」氏であるから、素顔もニヒルで怖い人、厳しい人かと思ったが、実は正反対。
ネアカでよく笑い、すごく謙虚な方だ。当時はまだ29歳、劇団の下っぱ団員で、ナヨナヨしていて、決断力もない青年だったそうな。
それが「土方」役に抜擢されて、監督から「笑うな、動くな、しゃべるな」と言われ、役づくりに必死だったとのこと。
全く意外。その後『暴れん坊将軍』などにも出演していたようだが、
「土方歳三」のイメージが強烈すぎて、他では人気が出なかったようだ。
40年も過ぎて、まだ多くの人の心に記憶されている。これはすごい
ことだ。