現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

福沢諭吉の「脱亜論」は今日でも通じる

2022-08-14 03:58:05 | 社会問題

戦時中は“国賊”といわれた福沢諭吉先生。
戦後は一転して、「朝鮮、台湾の植民地化を是認した侵略主義者だった」と、批判されるようになった。


批判された論文は、福沢諭吉の『脱亜論(だつあろん)』

これは、1885年(明治18年)『時事新報』に掲載された「社説」で、「無署名」だったが「福沢諭吉」の寄稿とされ、近年になって福澤諭吉は 朝鮮と中国を蔑視し、侵略、植民地化を肯定した人種差別主義者であった」というような批判の声が出てきた。

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<福沢諭吉『脱亜論』の要旨> 

日本の不幸は中国と朝鮮半島だ。

西欧諸外国から見れば、日本も中国・朝鮮と同列に見られる。
しかし、もともと人種的に異なるのか、教育に差があるのか、日本とは大きな隔たりがある。中国・朝鮮の精神は千年前と違わない

中国も朝鮮も、教育といえば儒教を言い、しかもそれは表面だけの知識であって、道徳的な退廃をもたらしており、国際的な紛争でも 「悪いのはお前の方だ」と開き直って恥じることもない
(中略)
もはや、この二国が国際的な常識を身につけることを期待してはならない。 「東アジア共同体」の一員としてその繁栄に 与ってくれるなどという幻想は捨てるべきである。

日本は、大陸や半島との関係を絶ち、先進国と共に進まなければならない。 ただ隣国だからという理由だけで特別な感情を持って接してはならない。

この二国に対しても、国際的な常識に従い、国際法に則って接すればよい

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たしかに、これだけを読めば、福沢諭吉は、中国・朝鮮を「悪友」呼ばわりしている。だが、福沢諭吉がこの結論に達するまでには、いろいろ手痛いしっぺ返しを受けているのだ。

福沢諭吉は、中国、朝鮮の近代化、独立を願って、両国からの留学生を受け入れ、私財を投じて、朝鮮で初めてのハングル交じりの新聞「漢城旬報」を創刊したり、さまざまな支援を行ってきた。

しかし、朝鮮の留学生に塾の金を持ち逃げされたり、応援した政治家が 義捐金を女に使い込んでフヌケになったり、また、改革を唱えた者が捕らえられ、残酷な方法で処刑されるに及んで、福沢諭吉は 大いに失望したのである

尖閣列島や竹島、慰安婦問題をめぐって、韓国や中国とは友好的になれない情況を見るとき、福沢諭吉の思いは、100年経った今日でも、全く通用するものであるといえる。

 



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