現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

私はオンリー1の虚無僧

2012-08-20 22:06:49 | 虚無僧日記
「尺八といえば虚無僧」と云うセリフは、最近通じなく
なりました。先日伺った会では、「虚無僧、見たこと
ありますか?。虚無僧 知ってますか?」という問いかけに 
全員「ノー」で、思わず「ここは どこの国ですか?」と
言って、笑いを得ました。

「古伝本曲」をそのままに吹くと、どうも反応が悪い
ようです。聞き手の期待と、本物の古典曲には感覚の
ズレがあります。

戦前、神如道氏が日比谷公園で尺八を吹いた時は、
「大勢の聴衆が押しかけて涙を流した」と言いますが、
今、神氏が再来して同じ曲を吹いたとして、何人の
人が耳を傾けてくれるでしょうか。

昭和40年代、海童道(わだづみどうどう)宗祖は「これぞ
尺八の古典本曲」と、我々の世代(当時は20代)を魅了し
ました。海童道は、現代人がもつ古典のイメージを
見事に具現化してくれたのです。現代人の求める新たな
古典を創出した前衛尺八家でした。

その後、海童道の『道曲』は 横山勝也氏によって
ステージ音楽用に色付けされ、一気に広められました。

そしてさらに40年後の今日、中村明一氏が、新たな
味付けをして、古典尺八界以外の評論家から絶賛を
浴びています。横山氏に慣れ親しんだ我々世代には
受け入れ難い吹き方ですが、それも時間の問題でしょう。

料理は 野菜や肉、魚、同じ素材を使っても、時代や
その国、その土地の人の好みによって、味や盛り付けが
大きく変わります。尺八も時代や土地柄、国柄によって
変わっていくものなのでしょう。変わらなければ
廃れてしまいます。

私の古典尺八の師は、実はジョン海山ネプチューン氏です。
彼の「鹿の遠音」「鶴の巣籠り」「下がり葉」は、
日本人以上に日本的な“力強さ”があります。その
パワーがお客の感動を呼び、それで、私は食べさせて
もらっています。

これを 虚無僧の大会で吹いたら「あんな『下がり葉』
聞いたことない」と陰口をたたかれました。先人が
吹いた通りに伝承するのがよいのか。それが 現代に
受け入れられないとしたら、受け入れられるように
アレンジしてこそ後世に受け継がれるものと思います。

そっくり同じものを伝えていくのが「継承」。時代に
即したカタチに変化して伝えられていくのが「伝統」と
何かに書いてありました。

その意味で、私は虚無僧尺八愛好家の中では異端児
であり、世界でオンリーワンでナンバーワンの虚無僧
です。人と同じことをやっていては食べていけない
のです。(これが本音)


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密葬

2012-08-20 11:32:41 | 虚無僧日記
お葬式が3件ありました。3件とも「家族葬、密葬」との
ことでした。

ひとつは、ある団体の役員も務める方でした。
さぞかし盛大な葬儀かと思いましたら、「お別れ会を
後日開催しますので、家族だけで密葬にします」との
こと。最近、有名人の葬儀は こうしたケースが多く
なってきたようです。

もうひとつは、「父親が亡くなりましたが、家族だけで
済ませますから」という知らせでした。 故人と面識も
無い人まで 義理で来ていただくのは、うっとう
しいものです。家族だけで父親の死を 静かに 悼み
悲しみたいという気持ちも解ります。

三つ目は、自殺か事故か、不審死です。世間体を
憚って、家族だけで密やかに葬儀を済ませたい
ようです。家族だけで済ませたいという気持ちも
解らんでもありません。触れられたくないことには
見ず、聞かず、知らなかったことにしておくのも
人の道でしょうか。

さて、いずれも「お香典、お供物は固く辞退します」
との案内で、親しい知人にとってみれば、「なんや
水くさい」という気持ちにもなります。「何かして
あげたい、力になってあげたい」と思っても 拒絶
されると淋しい気持ちです。

葬儀に参列させていただけなければ 「せめて」と
我が家でしめやかに『手向』を吹奏させていただき
ました。これぞ虚無僧の使命。


こうして人の死が 淡々と、何事も無かったかの
ように過ぎていく。それもまた“虚しい”ものです。



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ナナお嬢 蝉で命拾い

2012-08-20 10:46:40 | 虚無僧日記
落雷で女性1人死亡=1人意識不明、8人軽傷―大阪(時事通信) - goo ニュース


18日大阪「長居公園」で落雷があり 女性が死亡した
との報道。なんとこの時、鈴花の娘の“ナナお嬢”が
すぐ側に居たと聞いて びっくり。

この日の朝、彼女を名古屋駅まで送っていったので
した。「EXILEのコンサートを観に 大阪に行く」
とは聞いていたのですが、会場が長居公園内の野球場
だったとは知りませんでした。

彼女の話では、「日中は 猛暑で、開場まで、みな
公園の木陰で涼んでいた。しかし 彼女は“蝉が嫌い”で
木から離れたところに居た。そこへ ゲリラ豪雨が
来たが、それでも 彼女は木の下に行かず ビショ濡れに
なってしまった。それで助かった」とのこと。

ナナは 3才ぐらいの時、公園に遊びに連れて行くと
蝉の抜け殻を見て「ムシ、ムシ、ムシ」と 泣いた
ことがあった。蛇や蛙、トカゲは大好きなのに、
蝉が嫌いとは変わった子です。その“蝉”嫌いで 
命拾いするとは、幸運でした。



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