善と悪、生と死が交錯する『永遠の仔』以来の感動巨篇!
全国を放浪し、死者を悼む旅を続ける坂築静人(さかつき・しずと)。彼を巡り、夫を殺した女、人間不信の雑誌記者、末期癌の母らのドラマが繰り広げられる
内容紹介
週刊誌記者・蒔野が北海道で出会った坂築静人(さかつき・しずと)は、新聞の死亡記事を見て、亡くなった人を亡くなった場所で「悼む」ために、全国を放浪している男だった。人を信じることが出来ない蒔野は、静人の化けの皮を剥(は)ごうと、彼の身辺を調べ始める。やがて静人は、夫殺しの罪を償い出所したばかりの奈義倖世と出会い、2人は行動を共にする。その頃、静人の母・巡子は末期癌を患い、静人の妹・美汐は別れた恋人の子供を身籠っていた――。 静人を中心に、善と悪、愛と憎しみ、生と死が渦巻く人間たちのドラマが繰り広げられる。著者畢生(ひっせい)の傑作長篇がいよいよ登場です。(AK) (www.bunshun.co.jp)
「ぼくは、亡くなった人を、ほかの人とは代えられない唯一の存在として覚えておきたいんですと、〈悼む人〉となった静人は言う。『誰に愛されていたでしょうか。誰を愛していたでしょう。どんなことをして、人に感謝されたことがあったでしょうか』と、亡くなった人について尋ねつづける。」
『』書きの中の台詞がいったい、この本の中に何回出てきただろう。ある意味で退屈になるが、主人公の著者の人生哲学がこの言葉に集約されているんだろう。だらだらと繰り返される数限りない祈りにも似た「悼み」と、ぐぐっと引き込まれるストリー展開が独特だな。
週刊誌記者の世界も面白い。ど厚かましい取材と編集されるまでの過程が幾つも出てくる。エグノと言うあだ名はエログロナンセンスの略だとか(笑)。最近義母と癌で別れた小父さんにとっては、その見事なまでの末期癌の症状描写にも読み入った。後書きに執筆にあたり多くの医師の指導を仰いであることで納得。
文学に多くは接していないが青年期に読んだ三島由紀夫の「憂国」や「午後の曳航」の世界に共通する感覚を何度も感じた。
文藝春秋 『悼む人』特設サイト
日本では会社を退職して年月が経つとともにお参りする人は激減しますね。
私の82歳の一人暮らしの長兄は、子供もいないのですが、自分が死んだらそこですべて終わり!葬式なんていらないよって言っています(笑)。妹や弟の面倒見はとてもいいんですが。
この本の感想サイトありますね。
この中で、「夫を殺した女」の左肩の上に死後の夫がずっと出て来て女とずいぶん会話します。
次には主人公の坂築静人が、その女を通じて男ともたくさんの会話するシーンがあります。
ここで、はちきんさんの霊能者のお話や、Demi Mooreの映画「ゴースト/ニューヨークの幻 Ghost 」のことをずっとイメージしていました。
俺のお葬式には たくさんの人がくるだろう
と 話していた事でした
父のお葬式は それはそれは さびしい者でした
私をいれて 3人でした
この本の感想を受け入れているようですよ
書いておくってみたら
作者は全部読むといっています