小父さんから

ミーハー小父さんの落書き帳

余録 「イヤに冗長な曲りくねッた… / 毎日新聞

2024年08月27日 | オピニオン
国際宇宙ステーションにドッキングしたボーイング社の新宇宙船スターライナー。無人で地球に帰還することが決まった=NASA提供・AP

毎日新聞 2024/8/27 東京朝刊

 「イヤに冗長な曲(まが)りくねッた、変に読悪(よみにく)い文章だなア」。明治初期の学生生活を描いた坪内逍遥(つぼうち・しょうよう)の「当世書生(とうせいしょせい)気質(かたぎ)」で、仕送りが途絶え、翻訳で生活をしのぐ登場人物が友人から訳文を酷評される

▲英語の百科事典を訳すアルバイト。「工業上の事にゃア、中々科学的の言葉があるから、解(わか)らんところもしばしばあるが、大概いい加減に意訳して、早速かねにする料簡(りょうけん)さ」。「科学的」に「テクニカル」のルビがある

▲技術用語の翻訳の難しさは昔からだろうか。小説のような不心得者はわずかだろうが、門外漢にわかりづらい訳語も多い。航空業界などで安全確保のために予備を含めた二重のシステムを持つことを「冗長性」と呼ぶのもその一つだ

約10日の宇宙滞在予定が約8カ月に延長されることになった宇宙飛行士のバリー・ウィルモアさん(右)とスニータ・ウィリアムズさん=6月5日、ケープカナベラル基地で、AP

▲国際宇宙ステーションに係留中のボーイング社の新宇宙船スターライナーが無人で帰還する。約10日の滞在予定が8カ月に延びた宇宙飛行士2人にはお気の毒だが、米航空宇宙局(NASA)も問題続きの機体の安全性に自信を持てなかったらしい

▲宇宙飛行士の山崎直子さんは「輸送手段の冗長性を確保することが好ましい」とコメントしていた。スペースX社のスターシップとの2本柱が冗長性というわけだが、ボーイング社は近年、民間航空機でも設計上の冗長性の欠如が問題視されていた

▲余剰の意味の英語「リダンダンシー」(redundancy)が冗長と訳され、「くだくだしく長い」という本来の意味から離れた用語を生んだらしい。もちろん「冗長な文章」を正当化することにはつながりませんが……。




 なんだか難しいコラムだが、毎日新聞2024/8/25 17:10有料記事「米新宇宙船『スターライナー』有人帰還を断念 機体の不具合で」を見つけて納得した。いやはや、人類の最先端技術を持ち、世界で一番富める国、米国ですらこのようなことをやっておられるのか。

 ふと思った。「日本は今の内に宇宙開発から手を引いたら」なんて書くとJAXA三菱重工に宇宙ファンから袋叩きに合うかな?(汗)。


 下記の動画がこの一連の動きが分かり易い。


ボーイング宇宙船でトラブル 有人帰還断念…飛行士は来年2月まで
戻れず【知ってもっと】【グッド!モーニング】(2024年8月26日)
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