安倍晋三は自衛隊志願者が多くて、徴兵制は必要ないとか言っていたが

2015-10-12 08:58:31 | 政治


 安倍晋三は自民党が圧勝した2015年7月21日投開票の参院選を前にした2015年7月6日夜、自民党のトーク番組『CafeSta』に出演、安保関連法について手前味噌の宣伝に務めた中で、安保関連法反対派・集団的自衛権憲法解釈行使容認反対派が安保関連法が成立した場合、徴兵制に繋がるのではないのかと疑っていることに対して、きっぱりと否定している。   

 今回の内閣改造で環境相・原子力防災担当相となった丸川珠代が進行係というか、猿まわし役を務めている。

 丸川珠代「(徴兵制は)これは政権が変わったから、政治が変わったから、変わるものではない、と?」

 安倍晋三「これは私が言ってるだけではなくて、安倍さんが変わったら、わかんないでしょっていう人もいますが、これは明文に反していますから。憲法にはっきりと意に反する苦役はだめと書いてありますから、政権が変わろうと変わることはありません」

 丸川珠代「少なくとも解釈の範囲では絶対にない。でも自民党は憲法を改正しようとしてるよね。だったらそこも変えちゃうんじゃないの? と」

 安倍晋三「谷垣総裁時代に、私たちは憲法改正草案を出しましたね。この自民党の憲法改正草案の中にも、現在の18条。意に反する苦役はだめですよって書いてありますから。自民党の草案が実現したとしても全く変わらないとは申し上げておきたい。

 また、防衛政策上ですね、徴兵制を導入するという合理的な理由というのがないんですね」

 丸川珠代「合理的な理由が、ない。どういうことですか?」

 安倍晋三現在の防衛装備というのは大変なハイテク化されているんですね。ハイテク技術をしっかりと身につける必要がありますから、十分に兵士として役に立つためにはですね。そうしたハイテクを使いこなせるようになる為には、相当時間がかかるんです。

 いわば徴兵制のように短期間でぐるぐる回っていくという仕組みでは、使いこなす前に、辞めてしまうと。やっと教育が終わったら、辞めてしまう。徴兵制度をやればですね、かえって自衛隊にとっては負担にしかならない。

 これは世界中でそうなんですね」

 丸川珠代「他の国でも徴兵制をとってるところは……お隣の韓国は休戦中でも徴兵制が。他の国はどうなんですか?

 安倍晋三「世界各国でも、減少傾向にあります。長い間、徴兵制度を採用してきたドイツですね。フランスにおいても21世紀に入ってからは辞めました。またG7の国々で、ですね。徴兵制度をとってる国は1つもないんですね」

 丸川珠代「徴兵制と集団的自衛権が、関係あるような話になってる気がするんですが。関係あるんでしょうか?」

 安倍晋三「これは、ないですね。永世中立国のスイスはですね。世界でも数少ない集団的自衛権を行使しない国ですが、行使しない数少ない国のスイスは徴兵制度なんですね。

 一方、集団的自衛権をかつてアフガン戦争で行使したことがあるアメリカやイギリスやフランスやドイツやイタリアやカナダ。こういう国々は、徴兵制度ではなくて、志願制度ですから。徴兵制度と集団的自衛権というのは全く関係がないんです」

 丸川珠代「やっぱりそうなんですね。徴兵制を全く関係ないものって考えても、将来、自衛隊の活躍の場が広がることを、いろんな意味でとらえて志願する人が減ってきたら結局徴兵制にしないと、もたなくなるんじゃないのかって仰る方も中にはいらっしゃるんですよね」

 安倍晋三「そうですね。我々がいま、申し上げたようなことを言って反応すると、今、丸川さんが言ったようなことを言うんですね。しかしですね、現実はどうかというと自衛隊に応募する方、実は7倍の競争率なんですね」

 丸川珠代「7倍」

 安倍晋三「7倍なんです。閣議決定をした昨年以降でも、7倍。つまり昨年、集団的自衛権を一部容認する閣議決定を行いましたね。それによって応募する人は減るはずだといって今、丸川さんが言ったような批判をするんですが。実は7倍のままなんですね。

 これはですねやはり、東日本大震災の時もそうだったんですが、自衛隊のみなさんは本当に困難な仕事をしてくれます。ああいう状況の中で身に危険があっても、そうなんですね。御嶽山の時も救助に向かった。また噴火すれば身に危険が迫るかもしれない。しかし自分たちこそ日本人の命を守るんだ。ああいう姿を見てですね。自分もこういう意義ある仕事をしたい。やりがいのある仕事をしたいと思う人たちがたくさん日本人の中にはいる。そう考えてる人たちがいるんだということを私は大変誇りに思いますね」(以上)

 これで国民の皆さんは右翼の軍国国家主義者安倍晋三であっても、徴兵制にだけは持っていかないと安心したに違いない。

 先ず安倍晋三は現在の自衛隊の防衛装備は高度にハイテク化されていて、そのハイテク技術を使いこなすには年数がかかる。短年数で人員が交替していく徴兵制では確実に身に付けることができない、却って自衛隊の負担にしかならないからと、徴兵制は絶対にないことの非常に納得のいく理由を述べた。

 本当にそうなのかと狸寝入りして窺う必要が毛程もない納得、納得の説明となっている。

 但しである、戦闘機や軍艦、戦車等々の大型武器は確かにハイテク化されていて、その操作・操縦には数年を超えた年数を必要とする高度な訓練が必要だが、自衛隊員全員がハイテク関連の体系に組み込まれるわけではない。

 今回特に危険性が高まるとして自衛隊の海外での後方支援が問題になったが、補給・輸送に従事する自衛隊員全てがハイテク技術を必要とし、技能としなければならないわけではない。

 例えば補給・輸送の航空自衛隊輸送機で武器や食糧等の物資を積み込んだり、降ろしたりする仕事に従事する自衛隊員にどのようなハイテク技術を身につけなければならないというのだろうか。

 陸上自衛隊の輸送トラックでの荷物の積み降ろしに就いても同じことを言うことができる。

 あるいは駆けつけ警護に向かった陸上自衛隊員が友軍部隊を襲撃している敵部隊から救出するためにライフル銃を発射して敵部隊員を倒すのにどのようなハイテク技術が必要だというのだろうか。

 ライフル銃の操作と落ち着いて敵を狙い撃つことのできる射撃の技術、そしてチームワークを身につければ済むことである。

 要するに安倍晋三はハイテク化された防衛装備も持ち出して、まことしやかなウソを並べ立てたに過ぎない。

 安倍晋三はまた、徴兵制が必要ではないことの理由の一つに「自衛隊に応募する方、実は7倍の競争率なんですね」と、求人倍率の高さを挙げている。

 要するに自衛隊側からあの手この手で人材を求めなくても、1人の募集を出すだけで7人も集まる程の人気職種だと言っている。少なくとも国民の方から勝手に7人は集まってくると言っていることと同じ意味となる。

 そんなものかなと思っていたら、そんなものではないことを伝えている記事に出会った。防衛省に置かれている自衛隊の機関の一種で陸海空自衛隊共同の機関でもある各都道府県下の自衛隊の総合窓口の大津市所在の自衛隊滋賀地方協力本部が「自衛官等募集中」と印刷したトイレットペーパーを各市立中学校に配ったことを「asahi.com」記事(2015年10月8日11時50分)が伝えている。(画層は「asahi.com」記事から引用)

 具体的には、9月下旬、広報官の交代などに伴い市内の全6中学を訪ねた際、進路指導の教諭に4個ずつ配布した。ペーパーはイベントなどで配る広報用で、同本部の連絡先や「お気軽にお問い合わせください」などの文言がデザインされていた。

 但し一部の学校が実際にトイレで使用。そのことがインターネットなどで批判を浴び、市教委が不使用を指示、協力本部によって回収に至ったという

 安倍晋三が「自衛隊に応募する方、実は7倍の競争率なんですね」と言って人気職種としている状況とトイレットペーパーにまで「自衛官等募集中」と印刷して、それを中学校に配る、この必死とも言うことのできる自衛官募集の状況とは明らかに正反対となっている。

 7倍の競争率と言うことは6人をふるい落とさなけれはならないことを意味する。タバコでも吸って待っていれば志願者がいくらでも集まってくるものを、現実はセコい集め方をしている。

 果たして安倍晋三が言っている「7倍の競争率」は信用できるだろうか。

 例え信用できたとしても、何度でもブログに書いてきたが、安倍晋三は集団的自衛権を憲法解釈の変更で行使容認まで持って行った。徴兵制にしても憲法18条の解釈一つで絶対に変えないという保証はどこにもない。


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