小野寺五典如きに陸自「別班」の存在疑惑に関わる判断能力からして日本版NSCのメンバー足り得ない

2013-11-29 09:09:06 | 政治



      生活の党PR

      11月26日衆議院本会議

      《特定秘密保護法案、玉城デニー幹事長代理反対討論》
   
      《特定秘密保護法案衆議院通過を受けて、鈴木代表代行・幹事長会見》

 小野寺五典如きが日本版「国家安全保障会議(NSC)」が設置予定の情報一元化のための首相・官房長官・外相・防衛相を構成員とする「四者会合」のメンバー足り得なければ、任命責任者たる右翼の軍国主義者安倍晋三の人物を見る目がないことの証明となり、その判断能力の程度が問題となって、安倍晋三自身も同じくメンバー足り得ないという評価を受けることになるはずだ。

 11月27日(2013年)、共同通信が陸上自衛隊秘密情報部隊の内閣の関知しない場所での関知しない情報活動の存在を報じた。

 《陸自が独断で海外情報活動 首相、防衛相に知らせず》47NEWS/2013/11/27 20:16 【共同通信】)  

 要約すると、陸上幕僚長経験者、防衛省情報本部長経験者ら複数の関係者が共同通信の取材に証言したこととして、陸上自衛隊の秘密情報部隊「陸上幕僚監部運用支援・情報部別班」(別班)が冷戦時代から首相や防衛相(防衛庁長官)に知らせず、独断でロシア、中国、韓国、東欧などに拠点を設け、身分を偽装した自衛官に情報活動をさせてきたことが分かったという内容である。

 記事は、〈自衛隊最高指揮官の首相や防衛相の指揮、監督を受けず、国会のチェックもなく武力組織である自衛隊が海外で活動するのは、文民統制(シビリアンコントロール)を逸脱する〉ことだと解説している。

 勿論、事実かどうかが問題となる。ガセネタ、誤報の類も存在する。

 但し小野寺五典は防衛相という立場上、この報道事実を実在的事実かどうか証明しなければならない。もし実際に存在する事実であったなら、歴代内閣の一大スキャンダルと化す。「自衛隊法」第7条は、〈内閣総理大臣は、内閣を代表して自衛隊の最高の指揮監督権を有する。〉と定めている。

 いわば陸上自衛隊は内閣総理大臣の手のひら(=指揮監督)を離れて活動してはならないにも関わらず、その一部部隊が手のひらから離れて活動していたことになって、文民統制の非効力ばかりか、内閣総理大臣の指揮監督の不行き届きの問題にも発展する。

 小野寺五典は同11月27日の夜になって記者の質問に答えている。《陸上自衛隊「別班」の存在否定 共同通信の報道に小野寺防衛相》47NEWS/2013/11/28 00:14 【共同通信】)

 小野寺五典「陸幕長に過去と今、そのような機関があるのかという確認をしたが、ないという話があった」――

 聞いたけど、否定した。だから、存在しないでは満足な証明とはならない。

 陸幕長の否定は事実かもしれない。だが、あくまでも事実の可能性であって、事実そのものの証明とはなっていない。聞いた・否定したで事実そのものの証明となるなら、現行犯逮捕の犯罪以外はこの世から犯罪も犯人もなくすことができる。

 知っていながら、それが組織や自身にとって不都合な事実なら、誰もが最初は否定するという人間の心理がなさしめる事例を何ら疑わない鵜呑みの判断の可能性も否定できない。

 あるいは陸幕長の関知しないところで不都合な事実が存在するということもある。

 鵜呑みの判断を以って事実の証明とすることができる頭の程度なのだから、小野寺五典はとてもとても日本版「国家安全保障会議(NSC)」のメンバーの資格はないと言っているのである。情報収集にしても収集した情報の解読にしても、適宜疑うことを判断の基準の一つにしなければ、両者の満足な運営を望むことはできない。

 共同通信の取材に証言した陸上幕僚長経験者、防衛省情報本部長経験者からも確認し、双方からの確認によって判断し、結論を出すのが上に立つ者の責任ある合理的判断能力であろう。

 勿論、共同通信社は取材対象者に対する守秘義務として名前を明かさない可能性がある。だとしたら、冷戦時代以降のすべての陸上幕僚長経験者、すべての防衛省情報本部長経験者を聴取して、事実を明らかにすべきである。

 「別班」なる組織がもし存在したなら、経験者全てを聴取しなければならない程に重大な問題であり、そうすることが重大な事実解明の何よりの証明方法の主たる一つなる。

 だが、聞いた・否定したを唯一の証明とする鵜呑みの判断で一切を片付けようとしている。その頭の程度を問題としなければならない。そのような頭の程度の人物を防衛相に任命した安倍晋三の頭の程度を問題としなければならない。

 いくら謳い文句を立派に飾り立てようとも、日本版「国家安全保障会議(NSC)」が満足に機能するはずがない。

 菅官房長官も「別班」の存在を否定している。《陸自情報活動、報道を否定=菅官房長官》時事ドットコム/2013/11/28-11:53)

 〈陸上自衛隊が秘密情報部隊「陸上幕僚監部運用支援・情報部別班」を組織し、首相や防衛相に知らせず独断で海外に拠点を設けて情報活動をしてきたとの共同通信の報道〉についての11月28日午前の記者会見。

 菅官房長官「報道にあるような組織はこれまで自衛隊に存在していないし、現在も存在していないと防衛省から聞いている。

 防衛省・自衛隊の情報収集は任務や所掌事務の範囲内で法令に従って適切に行われている」――

 これも防衛省から聞いた・否定したの形式で、存在しないことの証明とする鵜呑みの判断で済ませている。

 2007年に軍需産業山田洋行からゴルフや旅行の接待、ワイロを受けて様々な便宜供与を図って逮捕された当時の守屋武防衛省事務次官にしても、2007年10月29日の衆議院での証人喚問で、各種接待は認めたが、致命的な命取りとなる便宜供与自体は不都合な事実として否定している。

 だが、後に便宜供与を認め、懲役2年6月、追徴金約1250万円の実刑が確定している。

 このことは聞いた・否定したを唯一の存在否定、あるいは事実否定の根拠とすることは許されないことの何よりの証明であろう。

 単細胞菅官房長官の存在否定の根拠とした防衛省の証明は岩田陸幕長からの聞き取りであろう。

 《防衛相、陸自「別班」再確認する 陸幕長は消極的》47NEWS/2013/11/28 19:43 【共同通信】)

 先ず岩田陸幕長の11月28日夕の記者会見。

 岩田陸幕長「報道にあったような組織は過去も現在も存在しない。部下から(別班が)存在しないと確認でき、大臣にも報告した。歴代の担当には聞いていない」――

 陸幕長は陸上自衛隊のトップである。トップがその存在を否定したとしても、不都合な事実としての否定ということもある。

 また陸上自衛隊トップの存在否定が確実性を持つなら、なぜ部下に存在を確認しなければならなかったのだろうか。念のためというなら、陸上自衛隊トップの存在否定の確実性は最初から失うことになる。

 部下に対する存在確認にしても、「別班」の存在を「47NEWS」記事が伝えたのは11月27日20時16分であり、岩田陸幕長の記者会見は11月28日夕である以上、約1日しか経過していないのだから、聞いた・否定した形式からの鵜呑みの判断に基づいた証明の範囲を出ないはずだ。

 小野寺五典(11月28日参院国家安全保障特別委員会)「再度しっかり確認していきたい」―― 

 最初の確認がしっかりしていないのに、「再度しっかり確認していきたい」と言う。確認の程度を推し量ることができる。

 《「北朝鮮にスパイ送った」 元陸自別班メンバーが実態語る》中国新聞/'13/11/28)が元メンバーの「養成」、「任務」、「資金」について語っている共同通信の取材を報じている。

 記事冒頭で、〈首相や防衛相が関知しない独断による情報活動が明らかになった陸上幕僚監部運用支援・情報部別班(別班)。国内担当だった元メンバーが28日までの共同通信の取材に、陸自内部でも存在そのものが秘匿されてきた情報部隊の実態を語った。〉と書いている。

 以下詳細は一応、リンクを付けておいたが、マスコミがこうまで報道している以上、自衛隊に対する内閣による文民統制という事の重大さから言っても、正確且つ徹底的な事実確認の調査と事実の証明が首相と防衛相が遂行しなければならない責任となる。

 聞いた・否定したを唯一の証明とする鵜呑みの判断による「別班」の存在否定は責任回避そのものであると同時に、もし存在していたなら、文民統制の制約から自由である分、中身の不法な活動を放置・隠蔽する臭い物に蓋の、いつ爆発するかも分からない危険な爆弾を抱えることになる。

 いずれにしてもマスコミの「別班」報道に対する安倍晋三以下の閣僚の事実確認を見ると、日本版「国家安全保障会議(NSC)「四者会合」のメンバー足り得る頭の程度となっているとは思えない。

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