おいしい

月忌回向にお伺いしたお宅で、食べ物をいただくときがあります。

お茶と一緒に出された、「お茶請け」。

食べたいけれど、お行儀が悪いと思われる。
若いときの僕は、そう思っていました。

・・・今でも、そうかな。

だから、後ろ髪を引かれる思いで、席を立っていました。

でも、最近、そんな僕の気持ちを察してか、
袋に包んでくださるようになりました。

「このお菓子を、持って帰りなさい」
と言われると、とてもうれしい。

「ありがとうございます」
思わず、笑顔がこぼれてしまう。

毎月、全国のお菓子を出してくださる方もいます。
「これ、おいしいわよ」

そう言われると、よだれが出てしまう。
はしたない！

お茶請けに出された、お菓子。
小さなお菓子が、どれだけありがたいことか。

いつもは、車の中で、家内と半分にして食べます。

「これ、奥さんにあげてね」
こんな時は、ひとつずつ・・・。

袋に包まれた、小さなお菓子。
おばちゃんの愛情が、ぎっしり詰まっています。

ありがとう。
おいしかったよ。