僕の家内は招き猫が好き

個人的なエッセイ?

別れ

2020年05月27日 | 日記
夕食時に、母ちゃんがつぶやいた。
「もうこれでナオキチとお別れね」

さみしさがにじみ出ていた。

「なに弱気なことを言っているの。
 今までだってほとんど家に帰ってこなかったのに」

遠くに行っても今までと同じさ、という僕に
母ちゃんは首を横に振る。

「今までと全然違う。
 今までは帰ろうと思えばいつでも帰れたのよ。

 これからはそうはいかない。
 帰省したとしても、彼女のところに行くに決まっている」

深いため息が印象的だった。

黄昏時は人を感傷的にする。
センチメンタルな気分。

「あなたは同姓だから何も思わないのよ。
 もしゴンキチが遠くに行くとしたら、平常心ではいられないと思う」

自分と同姓の子供。異性の子供。
別れのさみしさ。

残される親は、いつだってさみしい。
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