僕の家内は招き猫が好き

個人的なエッセイ?

600円

2020年01月07日 | 日記
明日は、鬼子母尊神祭があります。
ストーブを用意しなくてはいけません。

でも、灯油がない。
灯油を買うお金もありません。

「嘘を言わないの」

あたりは、もう夜のとばりが下りています。
仕事から帰ってきた家内が、灯油の買い出しに行きました。

「その間に、ご飯を食べていてね。
 すぐに帰ってくるから」

5分くらい?それとも10分?
一人で食べても、おいしくないよ。

私は、ゆっくりお箸を動かしました。
でも・・・いくら待っても帰ってきません。

ご飯、もう終わってしまうよ。
空になった、お茶碗。

私は恨めし気に、玄関を眺めました。
テレビのバラエティ番組が、むなしく映ります。

「ただいま」
忙しく玄関を開ける音がしました。

どこまで行っていたの?
明るい声が、なぜか歯がゆい。

「星祭の景品も買ってきたわ。
 ほら、これ、すごいでしょう」

ビニール袋から取り出した物体。
どうして、ニコニコしているの?

「このスエット上下、なんとびっくり600円。
 そして、これが700円。

あ なた着る?」

なんかあったかそう。
思わず手を伸ばしました。

いや、でも僕が着ると景品がなくなってしまう。
がまん、がまん。

この季節、景品を見るたびに、心が動きます。
檀家さんがうらやましい。

僕も福引に参加したいよ。
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