僕の家内は招き猫が好き

個人的なエッセイ?

「皿倉山」 星降る街

2024年07月16日 | Wish
–私の故郷には
皿倉山」という山があります

標高622メートルの皿倉山は
権現山、帆柱山、花尾山などとともに

帆柱連山を形成しています

帆柱連山の「帆柱」という名前は
神功皇后が軍船の帆柱を

この山から伐りだしたことに
由来するそうです

父親から聞いた話ですが
昔は修験道の修行場でもあったそうです

そんな歴史ある帆柱連山ですが
今は市民の憩いの場として

登山愛好家や
日本新三大夜景を楽しむ

カップルでにぎわいを見せています

梅雨の晴れ間がのぞく
ある日のことです

私は家内と一緒に
帆柱連山の主峰

皿倉山を訪れました


皿倉山に登るのは
中学生以来です

ボーイスカウトの時は
欲キャンプをしていたのに

すっかり足が遠のいてしまいました

久しぶりに訪れた
皿倉山・登山ケーブルカーの駅は

改築されて
きれいに整備されていました

ケーブルカーも
スイス製の展望車となっていました

出発のベルが鳴り
力強く動き出すケーブルカー

車窓に映る街並みが
どんどん小さくなっていきます

ガラス張りの天井に見える青空

標高が高くなるにつれて
気温が下がっていきました

ケーブルカーを降りて
スロープカーに乗り継いで

山頂に着くと
そこはまるで天空の世界

眼前に広がる景色

洞海湾、若戸大橋
そして関門橋

360度
息をのむ世界が広がっていました

山頂の展望台には
小さなドームがありました

「天空ドーム・恋人たちの聖地」
と呼ばれる

王冠を模したモニュメントで
カップルの人気スポットです

夜になるとライトアップされて
その美しい姿は

市街地からも見ることができます

静寂に包まれた山頂を
そよ風が流れていきます

時を忘れて景色を眺めていると
いつの間にか

さざ波だっていた心が
静かになっていきました

長年生活を共にしてきた
猫が息を引き取り

私はさみしさを感じていました

時折耳にする友だちの訃報

他界する
お世話になった檀家さん

さみしさが
私の心をしめていました

そんな感情が
清らかな風に舞い

山々の向こうに
流れ去っていきました

皆、この景色を見ていますか?
きれいですね

私は胸に手を置きました

もうすぐお盆がやってきます
八月は祈りの季節です

懐かしい人たちとの再会

そのひと時を大切にしたい
と思いました

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