僕の家内は招き猫が好き

個人的なエッセイ?

へたくそ

2017年07月02日 | 日記
ご法事がありました。
私のお寺では、ご法事に塔婆をお持ちします。

福岡にいたときは、ご希望される方だけにお持ちしていました。
けれど、この辺りでは、すべての方にお持ちします。

この塔婆。
実は、私のとっては、悩みの種です。

「お坊さんって、筆を使い慣れているから、字が上手なんでしょう?」
よく言われる言葉です。

ほとんどの、お坊さんは、字が上手です。
でも・・・中には下手な人もいます。

それが・・・僕。
小学校のころから、書道を習っていましたが、上達することはありませんでした。

「うまく書かないといけない」
そう思うと、手と腕が固くなり、挙句の果てには、震える始末。

ミミズがはったような字を見るたびに、泣きたくなります。
だから、お位牌や、塔婆という言葉を聞くたびに、血の気が引きます。

条件反射って、怖い。

檀家さんの中には、書道の先生もいます。
何度、塔婆を書き直したことか。

深夜まで、筆を握る、情けなさ。

「丁寧に書けばいいのよ。
 あなたの下手な字は、檀家さんも知っているのだから」

家内の慰めが、心にしみる。

「そうなの・・・?」
気を取り直して、頑張りました。

そして・・・ご仏壇に塔婆を置いたとき、
「・・・」

恥ずかしくて、もう帰りたいです。

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