単なる信号待ちだと思ったら…

朝７時台の市内中心部行き…　片側一車線の道路にあるバス停を１～２分遅れで発車、すぐに信号待ち車列の最後尾で止まった。その位置は、私のバスが左折する交差点から車１１～１２台分くらいだったので、「次の青信号で行けるかどうかは、車列の流れ次第だな」と思いながら前方を…　正面は６台前に止まっているトラックが壁になっていて見えなかったので、ガラ空きの対向車線から交差点を見た。

すると、左右に走り抜ける車が１台も見られなかったので、「ちょうど今、こっちが青信号になったところなのか？　それならば、すぐに車列が動き出すな」と思ったのだが…　待つこと１０秒…　２０秒…　車列が動き出さなかったので、「あれ？　こっちは赤信号だったのか？」と思いながら、再び前方の交差点を見てみたら…　ちょうど左右から一斉に車が動き出したところであった。やはり、こっちが青信号だったのだ。

「これはおかしい」と思ったものの、６台前にいるトラックの前がどうなっているのか分からなかったし…　そのトラックの後ろには、小型ダンプ・普通車Ａ・普通車Ｂ・普通車Ｃ・普通車Ｄが“大人しく”並んでいたので、「私が来る直前に何かあって、その車たちは“動かなかった理由”を知っているのかもしれないなぁ～　ま、次の青信号では動くだろう」と思ったのだが…　そこへ、同じ系統の逆方向バスが前方の交差点を左からこっちへ右折して来て…　その運転士さんが“トラックの方を指差した”ので、「あぁ、やっぱり止まっているのはおかしいんだ。トラックが原因なんだ」と思った。

その時、私が入社した頃に、ある先輩運転士さんから聞いた「自分の前のトラックが、信号が青になっても動かんもんで、文句を言いに行ったら死んどった」という話を思い出し…　「まぁ、死んどらんにしても、寝とる可能性はあるな」と思ったので、私は「みんな、トラックを追い越して行けぇ～」と念じながら「プッ」とクラクションを鳴らし、右ウインカーを出してみたのだが…　普通車Ｄのドライバーが、ドアミラー越しに私をチラチラと見ているだけで、その他の車にも動く気配がなかった。

しばらくして、ようやく小型ダンプのドライバーが出てきてトラックの前方を確認…　すぐにダンプに戻ったけれど、車間距離がなかったのか、その場から動けず…　その直後、普通車Ｃ＆Ｄが右ウインカーを出し、４台まとめて追い越して行った。続いて小型ダンプと普通車Ａ＆Ｂもトラックを追い越して行ったので、「それじゃ私も！」と思ったのだが、それまで“死んだふり”をしていたトラックがハザードランプを点滅させながら動いたので、「なんなんだよ！」と思いながら止まった。

すると、道路の左側にある某スーパーの搬出入口から別のトラックが出てきて…　それと入れ替わるように、そのトラックはバックで搬出入口へ…　つまり…　順番待ちのトラックがハザードランプも出さずに止まって駐車ブレーキ…　そのため、後続車は“単なる信号待ち”だと思い込んでしまったのだろうが…　そこだけで５分も遅れてしまった。その後、私は「ちょっと頑張らなきゃ！」と思ってしまい…　営業所に戻ってからデシタコを出してみたら…　その辺りで二度も５０キロを超えていたのだった。あらら…