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バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

日曜日の夜遅くに…

2018年05月14日 21時14分47秒 | バス運転士
昨夜10時過ぎ、“某総合駅発(某プール経由)某運動場行き”の最終便… 「日曜日の夜遅く… もともと他系統と比べて乗客が少ない系統のバスに、どんな人たちが乗るのかな?」と思っていたら… な、な、なんと! 若い女性ばかり5人が乗ったので、私は「イヤッホ~ ハーレムじゃ~ もう誰も来るなよ~」と叫… ばない、叫ばない。しかし、気分がウキウキだったのは間違いない。

そのまま発車時刻を迎え、私は前扉を閉めて右ウインカーを出し、発進しようとした… その時! 前扉の外に一人の男性が現れたのである。私は「あっちゃ~ ハーレムが崩壊してまったがや~」と思いながら、ウインカーを左にして前扉を開けた。すると、男性はサッとバスに乗り込み、無言でICカードをタッチすると、中扉付近の席に座ったのだった… まったく… 「ハーレムを破壊してすいません」くらい言えんのかなぁ~(言うわけねぇだろ!)

約20分後、「もう誰も乗ってないんだろうなぁ~」と思いつつ「ご乗車ありがとう~」と言いながら終点の某運動場に到着… すると、一人の若い女性が「ありがとうございました」と言いながら降りて行ったので驚いた。私は、数分後に“某運動場発・営業所前ターミナル行き”として発車しなければならなかったので、すぐに転回場へ移動… そこで何をするという時間もなく、到着したバス停と別の場所にある乗り場へ移動… 発車時刻まで数十秒あったので、エンジンを止めて前扉を開けた。

私が「乗客ゼロが珍しくない路線で、日曜日の夜遅い時間となれば… 乗る人なんていないだろうなぁ~ 車もほとんど走っていないし… 静かだなぁ~」と思いながら、周囲と時計を交互に見ていたところ… 発車時刻の5秒前になって「カッ、カッ、カッ、カッ…」という“女性が走っているような靴音”が後方から聞こえてきたのである。私は反射的に左ミラーを見たのだが、真っ暗で何も見えず… 「カッ、カッ、カッ、カッ…」という音だけが大きくなっていった。

「ひょっとして乗客なのか? というか、本当に人が走って来るのか?」と半信半疑で待つこと20~30秒… 一人の女性が現れて「すいません、ありがとうございます」と言いながらバスに飛び乗ったのだが、少しだけ不安を感じた私は「営業所前ターミナル行きですよ」と確認… その時、その女性が“さっきまで私のバスに乗っていた女性”であることに気が付いたけれど、特に何を言うでもなく… 約10分後、その女性は某高校前で「ありがとうございました」と言いながら降りて行った…

営業所で終業点呼を受けた時、上司に話したところ… 「それが足音だけで、誰も乗って来なかったら怖いよなぁ~」と言われたので、「私は“物凄い姿をした何か”が見えちゃうよりはいいです」と答え… 「誰も乗せずに発車した後も、ずっと車内が気になって仕方がないだろうな」と言われたので、「私は“何か”が見えたら怖いので、車内ミラーを見ず、前だけを見て走りますよ」と答えて笑ったのだった… ん? もしも、昔話のように… その女性が“本当は人間ではない”のに「嫁にしてくれ」って来たらどうするかって!? う~む… 「決して見ないで下さい」と言われたら、見なきゃいいんでしょ? ハハハ…(そういう問題かよ!)