新イタリアの誘惑

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階段紀行・日本 東京編⑳ 関東大震災の復興事業で新たに上下の道を繋いだ男坂、女坂

2022-02-12 | 階段紀行・日本

 ここまで3回の男坂、女坂はいずれも神社へ通じる坂道階段だったが、今回の階段だけは神社仏閣とは全く関係ない場所にある男坂、女坂だ。所在地は駿河台2丁目と猿楽2丁目の間。

 男坂はスッキリとした一直線、73段の階段になる。結構な高さだ。

 観察した昼下がりの時間帯にここを上下するのは学生の若者たちが中心だった。聞くと、階段上には明治大学の校舎があるためで、学生の利用率が高い階段だという。

 遠目から眺めると、上方に歩道橋が横断してる。

 男坂を上って少し南に進むと、今度は女坂が出現する。こちらは直線ではなく、回転するように曲がりながら下って行く。

 それだけに段数は増えて82段。踊り場が途中3か所に設けられている。

 この階段を使って少し進むと、フランス語教室の老舗アテネ・フランセの建物が見えて来る。

 調べて見ると、これらの階段の上と下の道とは、元々崖で分断されていた。それが、関東大震災後の1924年の帝都復興区画整理によって、上下の道を繋ぐための坂道が造成され、このような階段が新設されたのだという。

 従って、元々名前のない道だったので、新たに、神社などにあってなじみやすい名前が付けられたもののようだ。

 このように、土地の歴史が、階段によって浮かび上がることもある。

 下の道を行くと、すぐにカトリック神田教会に出会う。ゆったりとした空間にロマネスク風の建物が存在感たっぷりに立ち上がっている。

 

 


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