パリ北部、9区のクリシー大通りを北に入った所に地下鉄12号線アベス駅がある。坂道の多いモンマルトルへはこの駅が最寄り駅になる。
1900年のパリ万博に合わせて開通したパリの地下鉄だが、その駅の入口に、建築家ギマールはアールヌーヴォーの入口を製作した。屋根と壁、ひさしを備えた本格的なもので、現存するのは2つだけ。そのうちの1つがここアベス駅だ。
ここの地下から地上に出るための螺旋階段が付いており、これがとてもユニークだ。
ぐるぐる回転するたびに側面に描かれた風景が変化する。まず、駅周辺の風景が現れて、
次にモンマルトルの街並みが広がる。
続いてその街並みが夜景に移って行く。
さらに、モンマルトルのランドマークであるサクレクール聖堂の雄姿が出現し、
高台にあるモンマルトルの丘から見下ろすパリの市街地と広い空の風景が展開する。
つまり、ここの螺旋階段を通過するだけで一遍にモンマルトル風景のおさらいが出来てしまうという仕掛けになっている。そんな得した気分になれる階段だ。
ただ、地下からエレベーターで地上に上がってしまうと、この階段の風景は全く気付かないままになってしまうので、ご注意を。
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