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Girl's Be Ambitious!

日々の徒然日記、旅行記など

SHERLOCK1-3/シャーロック1-3 「The Great Game/大いなるゲーム~コメンタリー~」③

2012年11月09日 | SHERLOCK(BBC)
<解説者>
MG : Mark Gatiss (マーク・ゲイティス) ・・・ Co-creator、Writer、Actor (Microft Holmes)
BC : Benedict Cumberbatch (ベネディクト・カンバーバッチ) ・・・ Actor (Sherlock Holmes)
MF : Martin Freeman (マーティン・フリーマン) ・・・ Actor (John Watson)


■殺された警備員のルームメイトを訪ねるジョン
MF : 彼女はアリソン。演劇学校で一緒だった。
BC : 学校はたくさんある。
MF : 僕の母校が一番さ。
BC : ”アリソン”も”マーティン”も多い。君らが一番だ。
MF : フリーマン姓も多い。モーガンとかね。
MG : 贋作事件の手掛かりとなる超新星のアイデアだが、視聴者にヒントをどの程度与えるかは常に悩みの種だ。
自分の脚本を読み慣れてしまうと”明白すぎる”と不安に。だが隠しすぎると、見る人はチンプンカンプン。
ここではアレックスが星が好きだったことを、さらっと描くだけにとどめた。だが後にあの場所のシーンで…、言葉が出てこない。
MF : 画廊?
MG : 思い出した。”プラネタリウム”だ。
BC : 僕らに頼ってもダメだ。初めて見るんだからね。
MG : プラネタリウムでケアンズ教授が殺され、解説のテープが繰り返し再生される。これが記憶に残るはずだ。
”多くの星はすでに死に…”。このようにバランスを考えながらヒントを出していく。
MF : このテロップはすごい。カメラが引くと壁に映ってるように見える。こんな演出見たことない。
(警備員の部屋でジョンがマイクロフトからのメールを見るシーン)

この「ヴァンビューレン超新星」にたどり着くまでのヒントの出し方が絶妙。
普通の人なら結び付けないことでも、シャーロックなら分かるだろうなっていう難しさ加減が。


■変装で画廊に入り込むシャーロック
MG : 我々のテロップの使い方は各方面に絶賛された。僕の願いは、これを機に携帯画面の見苦しいアップが減ることだ。
MF : シンプルかつ効果的だね。ここで注目。
BC : 見てくれ。変じゃないか?マークはアクセントの練習をさせてくれなかった。
MG : 彼の武器は純粋な演技だけ。いつものコートと同様襟を立てるのは僕の案だ。立てないと…、
BC : 妙だった。
MG : クールさが足りなかった。ここでぜひ言っておきたい。アーウェル率いる美術チームはすばらしい仕事をした。
体力の限界まで働いてくれたよ。本当にリアルなフェルメールだ。ただ板絵にしなかったことが、心底悔やまれる。
BC : 悔いの多い人生を送ってきたのは僕も同じさ。残念だったね。

テロップを初めて見た時はビックリしたなぁ。(→「Wrong!」のシーン)
シリーズを追うごとにテロップのシーンが増えたり、凝った見せ方になってるのが楽しいね。


■ウエストの婚約者を訪れるジョン
MG : このシーンでポールが言ってた。”「Eastenders」になってしまう”
メロドラマ調のショットが多いので違うドラマを撮ってる気分になったらしい。
MF : ポールは才能豊かだ。これまでにもすばらしい映画を撮ってる。
MG : 彼と仕事してみての感想は?
MF : 正直に?最悪だ。ウソだ。楽しかったよ。会った瞬間に好感を持った。服のセンスもいいし”信頼できる”と。
MG : 服で判断?
MF : 間違ってないはずだ。内面は外見に表れる。ポールはいいよ。俳優としても実に魅力的だ。
MG : 俳優じゃない。
MF : 監督役を演じてるのかと。彼は俳優を尊重し、僕らの仕事をよく理解している。理想的な監督なんだ。
MG : 見ればあきらかなことだが、あえて言おう。このシリーズの映像は隅々まで見事だ。
撮影監督のスティーヴの手腕ももちろんある。自分たちを褒め過ぎるのもなんだが、これほど美しい映像はテレビではめったにない。
映画的だがこれ見よがしではない。控えめで上品な映像だ。スチールにしてもいいような見事なショットがたくさんある。
アクションでもあわただしい見せ方はせず、フレーミングが美しい。
MF : こういうショットも大事な役割を担ってる。さっきポールの服の話をしたけど、彼の美的センスは本当に優れてる。
でもそれが物語や登場人物、セリフの邪魔をしない。
MG : まったくだ。ここで触れておくが、これはホンモノのベーカー街じゃない。ノース・ガウアー通りだ。
理想的なロケ地だった。ベーカー街で撮る案もあったが、やめて正解だった。

ベーカー街と同様にこの通りも、今やロンドンの観光名所になってそうだね。

MF : ベネディクト。お帰り。
MG : 席を外してた。ベーカー街で撮影してたら、さぞ大変だったろう。
物語の世界に合わせての装飾も必要だし、あそこは交通量が多い。それに比べノース・ガウアー通りは静かだ。
建物もいいしベーカー街の北の方に雰囲気が似てる。ここは?(ゴーレムが潜伏している場所)
BC : 駐車場だ。いやロンドン橋の近くだな。
MG : シャーロックは原作の中でストリートキッズを情報源として使ってる。現代なら誰を使うだろう?
少年グループを使うと「オリバー・ツイスト」のファギンみたいだ。では”ビッグイシュー”の販売員なら?
街のあちこちで雑誌を売ってる姿を見て、彼らなら監視カメラのようにいろいろ見てると考えた。
シャーロックに打ってつけのネットワークだ。彼らに多額の”チップ”を払うことで街の情報をもらう。
ゴーレム役はジョン・レバー。身長218センチだ。
BC : 200と…?18センチ。
MG : ほぼ君並みだ。

■プラネタリウム
MG : このシーンはカーディフ博物館で撮影した。実をいうと我々のすぐ隣の部屋では「ドクター・フー」の撮影を。
その日は当然、博物館は閉館してた。貸し切り状態だ。一度、ドアについた丸窓から隣を覗いたら
君たち2人がトランプしてるのが見えた。驚いたが彼らは代役だった。
BC : 代役なんていない。
MG : こいつは失礼。
BC : 企業の名前は出すなと言いながら、スタントマンの存在は明かすのか?
MG : 言ってみたかっただけさ。2人は君らにそっくりだった。だんだんどっちが本物か分からなくなったほどだ。
MF : 僕もベネディクトと間違えて、よく代役とセリフ合わせを。本人とよりうまくいった。
MG : 第1話は、ほぼ代役が。
BC : 僕よりセリフを覚えてた。

へ~、スタントマンとか使ってたんだ。
第1話のタクシーチェイスで建物の屋上を走ったり飛び越えたりするシーンとか?


MG : ここの映像はカメラのマットボックスを外して、通常は嫌われる光のにじみをあえて取り入れてる。
丸い形がテーマである惑星を思わせる。(ゴーレムと戦うシーン)
BC : マイケル・マンの監督作みたいだ。
MG : 選曲は僕らが上だ。
BC : スタッフのおかげだね。
MG : ボイスオーバーはピーター・デイヴィソン。
BC : やりがいがあった。自分で演じたが、ひざを痛めてしまった。
MG : 超新星のテーマと通じてる。

■ヒックマン・ギャラリー
BC : シャーロックは、ついにいら立ち始める。
MG : ピリピリした緊張感のあるシーンだ。見ていてハラハラする。
ここで聞こえてくる子供の声は、制作のスティーブンとスーの息子が担当した。
BC : 将来のため、彼の宣伝を。
MF : 仕事をくれる。
BC : 大人になったらね。
緊張の場面だ。(男の子がカウントダウンを始めるシーン) 見ている人も同じ気持ちならいいが…。

子供の声はプロデューサーの息子さん!?結構、演技がうまかったよね。
カウントダウンのシーンは周囲のあせりをよそに、贋作の証拠に気づいた途端、
That is brilliant! That is gorgeous! This is beautiful. 」とか言って1人興奮してるKYなシャーロックが好きだわ。(笑)


MG : 当初は編集のチャーリーの声を使ってた。声の高さを変えると本当に不気味に聞こえた。”10、9…”
BC : 君と初めて脚本の読み合わせをした時を思い出す。子供の声を聴いて背筋がゾクゾクした。
MF : 確かに怖い。
MG : この作品が持つダークな部分だね。
少し前にも話したが、本作の現実離れした表現について2点述べておく。まず彼らはお金がないのに、しばしばタクシーに乗る。
原作では辻馬車に乗ってるから路線バスに乗せるわけにはいかない。もう1点はさらに現実離れしてる。
BC : またテロップだ。
MG : 彼らの携帯は常に”圏内”だ。僕が使ってる携帯は自宅でさえ圏外のことが多い。でも物語の世界では常に電波はバッチリ。
MF : 夢の世界だ。
MG : 謎解きに必要だからね。
BC : 確かに。時々、電波が弱まる設定にしてもいいかも。
MG : 世界の終りだ。ウェンセスラス(ギャラリーオーナー)は今回のチェコ絡みのネタの1つだ。
視聴者の注意をそらすために、ボヘミアの封筒やチェコの名前が登場する。
すべては真実から目を背けさせるためであり、最終的に深い意味はないことが判明する。ただし、その部分はカットしたがね。
いよいよクライマックスだ。(オーナーの自白シーン) 我らがモリアーティはハリー・ポッターでいう”あの人(ヴォルデモード)”だ。

MF : そろそろ行くよ。帰らなきゃ。
MG : 本気かい。
MF : ああ、初めて見たけど退屈で…。もう見なくてもいいや。僕は行くよ。本当は胸が痛むけど。誰か代役を頼む。
MG : ベネディクトが君の役を演じる。
MF : アラン・リックマンは?
BC : ”いや、君の役をやる”(←声まね)
MF : ジョナサン・ロスだね。
BC : 分かる?
MF : リックマンを。
BC : ”いや、それはできない” マーティンのマネは難しい。僕にはできない。
MF : それじゃ僕は行くよ。

理由があるんだろうけど、収録の途中で帰っちゃうなんてすごいなマーティン…。(^^;
少し前、マーティン・フリーマン主演の映画「銀河ヒッチハイク・ガイド」のDVDが安かったから買って見てみたんだケド
そこに出てくる「マーヴィン」というロボットの声を、アラン・リックマンが担当してました。
最初に聞いた時は「ベネディクト・カンバーバッチ?」って思っちゃうぐらい、そっくり!
このコメンタリーの声まねもソックリだけど、声質がもともと似てるんだろうねぇ。


BC : ”やあ、リックマンだ” ”これから1分ほどマーティンの代わりを務める” ”いよいよ第3話もクライマックスだ”
今さらながらスコアを作ったデヴィッド・アーノルドに敬意を。才能あふれる映画音楽家だ。マイケル・ブライスも。
厳しいスケジュールの中、ごく短期間ですばらしい仕事をしてくれた。僕が完成版を見るのはこれが初めてだ。
シャーロックがバイオリンで半音階を練習している音と、バックオーケストラが違和感なく共存してる。
まさに古いホームズと現代のホームズの融合だ。
このシリーズが持つ現代的なテンポと、古いホームズの世界が持つクラシカルな雰囲気が完璧に溶け合っている。
MG : 躍動感のある現代的な曲でも古典的なムードがある。バイオリンの音も浮き上がっていない。
キャッチーなテーマ曲を望んでたが、まさに風呂場で歌える曲が完成した。
「ブルース・パーティントン設計書」の物語が山場を迎える。映像化で苦労したのは車両の屋根に死体が乗ってる場面だ。
恐らく史上初だろう。それも当然だ。21世紀の今でも、なお難しい。
建物の窓辺を通ってる地下鉄や電車など、めったにない。何とか探し出したけどね。
BC : 地道なロケハンの賜物さ。

■ウエストの婚約者の兄の家に侵入するシャーロック&ジョン
MG : このシーンも原作への”目配せ”だ。
ウエストの婚約者の兄”ジョー・ハリソン”は、ダグ・アレンが演じた。
「ブルース・パーティントン設計書」の前身ともいえる「海軍条約文書事件」という物語がある。
それに出てくる殺人犯の名を取った。気づく人は気づく。スティーヴンなら確実だ。
BC : お見事だ。
MG : 美しいショットだね。(シャーロックがルーペで証拠を見るシーン)
BC : 本当に。だからこそ僕らも安心して演じられたんだ。ホームズの再解釈。
つまり現代版を手掛けるのが、君たちのように原作を知り尽くした2人だからね。関連情報にも詳しいし、キャスティングも絶妙。
だから細部に至るまで見応えがある。きっと原作ファンも…、
MG : 彼らは気難しい。
BC : いや、完璧な現代版だと思うよ。脚本を読んでたちまち不安が吹き飛んだ。
MG : 僕らはこのシリーズの成功を心から誇りに思っている。すべてはホームズへの愛から生まれた。
子供の頃に胸を躍らせた物語に対する愛だ。僕らはこの物語の大切な核心である、ホームズとワトソンの友情を描きたかった。
また本作は純粋なシャーロキアンの夢でもある、あまり知られていない原作の細部まで取り入れている。
軽い気持ちで見ている人には無意味でも、熱心なファンが喜ぶ要素をちりばめてあるんだ。

原作を1、2回しか読んだことがないから、細かい登場人物の名前まで覚えてないけど、
シャーロキアンの人がドラマを見たら、名前だけで「この人が犯人だ!」ってピンきたりするんだろうねぇ。
でもそれを逆手に取ったシリーズ2「バスカヴィルの犬」では、犯人の名前でミスリードされてダマされちゃったけど。(^^;


BC : すごいスタントだ。初めて見たよ。(ウエストが階段から落ちるシーン)
MG : いよいよ問題のシーンだ。バタシーの貨物操車場で夜の撮影を行った。本物の車両の屋根に”死体”を乗せてね。
その時だ、驚いたことに列車が脱線した。”撮影を許さない”と言わんばかりにね。
BC : そうだったね。忘れてた。ダグの演技はすごくいい。
MG : 以前にもポールと仕事を。
BC : ああ、そう聞いてる。脇役に至るまで、考え抜かれたキャストばかりだ。
もちろん脚本の力もあるしポールの役割も大きい。いい映像だ。(列車が走りだすシーン)
MG : 列車の分岐器に目をつけたドイルは偉大だ。地下鉄に乗っていて浮かんだ案かも。
原作ではマイクロフトの手紙で、線路近くに住む人物が明らかに。ホームズは彼が死体を屋根に乗せたと確信する。
とはいえ、名探偵でもミスは犯す。この事件は単にミサイル設計図を巡るものだと思ってる。
だがすべてはある人物のゲームの一部だ。誰だと思う?黒幕は?

■221Bへ戻るシャーロック&ジョン
BC : ごめん、見入ってた。ホームズが”俗悪番組”を見てるところがいい。
MG : 彼はここでも推理をしているが、うれしいことに詳しいプロセスは書かずに済んだ。ドイルと同じだ。
BC : 君は得意だろう?
MG : ”彼は父親じゃない。ジーンズの折り返しを見ろ”。このセリフだけで済んだので楽だった。夢のようだ。
BC : 中華料理店のドアと同じ。
MG : もっと書きたい。
BC : 楽しいね。
MG : 豆の缶詰を頼むところがいい。2人とも独身だから、よく食べるはずだ。
BC : コートにくるまる姿から寒さが伝わる。少し前に窓を吹き飛ばされたからね。
MG : ガス漏れじゃない。
BC : そのとおりだ。だからガスストーブは使えた。実によく考えられてる。神経が行き届いてるね。おかげで僕は温かかったよ。

■シャーロック vs モリアーティ in プール
MG : クライマックスのプールのシーンだ。僕が昔、住んでたブリストルにある。子供の頃よく泳いだ。
将来ここでホームズ作品を撮ることになると聞いたら、幼い僕はさぞ驚いたろう。
BC : ”そんなのウソだ”
MG : そもそも泳いでる最中は聞こえない。
BC : ドクター・フーに言われたら?
MG : ”やった。番組が続いてる!”
プラネタリウムのシーンと同様、特にこういう場面においては道具立てが重要だと感じる。ヒッチコックの映画みたいにね。
何の変哲もないプールでありながら、不気味なムードが醸し出されてる。カーテンや水面に薄気味悪さが漂う。背筋がゾクゾクするよ。
BC : 効果的だね。実に美しい舞台設定だ。僕にとっては手を焼いたシーンでもある。
動きの多いシーンなのに、スペンサー・ハートのスーツのポケットは銃でパンパンだった。歩きにくかったよ。
MG : 企業名は伏せて。
BC : おっと。
MG : やり直しだ。

ゲイティスさんが子供の頃に通ってたプールだったとは。
本当に冷たくて不気味な雰囲気だけど、実際はなんてコトない普通のプールなんだろうなぁ。映像ってスゴイ!
シャーロックのスーツはやっぱりキツいんだ…。見るからにピッチピチだもんね。(^^;


BC : ”僕の美しいスーツ”は…、本当に気が散ったよ。プールに落ちるかと思った。
アンドリュー・スコットの登場だ。モリアーティが正体を現す。
MG : ただのゲイじゃなく、大悪党だった。
BC : そのとおりだね。
MG : アンドリューがオーディションに来た時、その独自の役の解釈に誰もがほれ込んだ。
シャーロックやジョンと同様、新たなモリアーティ像だ。頭のはげた60歳の教授なんかじゃない。
ありふれた様子で周囲に溶け込んでる。どの候補者もよかったが、アンドリューの演技には茶目っ気と強烈な磁力があった。
大げさで気取ったセリフ回し、この対決シーンに不可欠なものだ。所々にゾッとする瞬間が。
彼の顔がふと爬虫類の仮面のように見え、その下に強大な”悪”を感じる。彼は最高だよ。
BC : 結婚したら?
MG : ぜひ、したい。するとも、約束だ。
BC : マーティンの代理で言った。マークのアンドリュー評には僕も全面的に賛成だ。
彼の身体表現には所々で本当にゾクゾクさせられる。冷たい爬虫類のように見えてくるんだ。
MG : モリアーティはアイルランド姓だが、アイルランド人で演じたのは彼が初めてだ。
BC : アクセントも完璧。

アンドリュー・スコットの英語は、ほんっとに聞き取れない。
あとドノヴァン役の女優さんの英語もニガテだ~。(^^;


MG : それからもう1つ。
BC : いい演技だ。(「Daddy’s had enough now.」のシーン)
MG : 原作でも描写されてるが、彼の頭は爬虫類のように常に左右に揺れている。
アンドリューは僕の説明でたちまち、その動きをモノにした。僕の目の前で練習したんだ。
この先さらに回数が増える。ケヴィン・スペイシーの動きにも似てるね。
今の表情も最高だ。鳥肌が立つよ。(「That’s what people do.」のシーン)
このシーンはスティーヴンとの話し合いから生まれた。当初、脚本に対決シーンはなかった。
次シーズンのいわば予告としてモリアーティの正体を明かすだけだった。シャーロックは宿敵を逃してしまう。
彼は”病院のジム”に再会。ジムは電話番号を残して歩み去る。ハッと気づいて追うも、時すでに遅し。彼は消えていた。
なかなか面白いエンディングだった。だが90分×3本のクライマックスとあって、やはり対決を描こうということに。
原作「最後の事件」に出てくる対決シーンを参考にした。スーツはV・ウエストウッド。
BC : 君は言っていいのか?
MG : テレビじゃなければ大丈夫さ。然るべき人の許可を得ればね。何も問題ない。

このエピソードのクリフハンガーは衝撃的だった!ずるいよ、アレは。
もし2人の対決がなかったら、DVDをUKから取り寄せてまで見ようとは思わなかったかも。


MG : 見てくれ。ここでシャーロックははっきり悟ったはずだ。
(「”I have been reliably informed that I don’t have one.” ” But we both know that’s not quite true.”」のシーン)
選択を誤れば自分がモリアーティになっていたと。彼らは常人よりはるかに頭がいい。
だがシャーロックには心がある。僕らと同じように。
BC : モリアーティは悪党なのに魅力的だ。かといってホームズも一歩も引けを取っていない。彼らは互いに最高の好敵手だ。
MG : 結婚したら?
BC : すべきだね。

マーティンがジョークで言った「Marry her / him (結婚しろよ)」が、すっかりネタに。
ベネディクトがドノヴァン役の女優さんを褒めた時に、マーティンが「結婚すれば?」って言い出したのがキッカケだけど
「I don’t think Olivia will let me.」って言ってたのが笑えた。マジメに答えてどうする。(笑)


MG : この件もかなり話し合った。宿敵の登場が早すぎるのではないかとね。だがこのエピソードは3部作の締めくくりだ。
それにふさわしいものにしたかった。楽しみを先延ばしする必要はない。
様々な意見や議論があったが、結局第1話の最後からモリアーティの名を出した。彼はシャーロックの人生にじわじわと忍び込む。
BC : この描き方で正解だった。
MG : これは偶然だがアンドリューの足元に”Deep End (危険)”という看板が。まさにシーンにぴったりだ。
2人は窮地にある。最後にはモリアーティは立ち去り、ひとまず一件落着のはずだった。
だが僕らは次シーズンへの期待を煽りたくて、まさかの再来だ。狙撃種も大勢いる。
映画「魔の家」のセリフの引用だ。”ジンは私の唯一の弱点だ”。正念場だ。2人は目と目で合意をする。
自分たちが助かることより、彼を殺すことが先決だと。この1発でダイナマイトが爆発し、彼らも吹っ飛ぶ。
彼の頭の動き…。運命の時だ。次シーズンに続く。

あの目と目の合図は「死」を覚悟したうなずきだったの!?Σ( ̄口 ̄;;
てっきり「うまく逃げろよ」的なもんだと思ってた。そんなにシリアスな場面だったとは。


BC : やれやれ。ようやく完成版を見られた。おつきあいありがとう。また1年後ぐらいに会えることを願うよ。
MG : DVDスタジオでね。


BBC SHERLOCK INDEX
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